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不良役の伊藤沙莉さん須賀健太さんに監督は「立派に演じてくれた」 『獣道』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなったアダム・トレルプロデューサー、韓英恵さん、吉村界人さん、伊藤沙莉(いとう・さいり)さん、須賀健太さん、アントニーさん、矢部太郎さん、内田英治監督(左より)
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 伊藤沙莉さんと須賀健太さんのダブル主演で地方都市の若者の姿を描く『獣道』が7月15日に初日を迎え、シネマート新宿で伊藤さん須賀さんはじめ特攻服に身を包んだキャストが内田英治監督らとともに舞台あいさつをおこないました。

 『獣道』は、宗教団体に預けられて育った少女・愛衣(あい)と、地元不良グループの一員となる少年・亮太のふたりを中心に、暴力や犯罪と隣合わせで生きざるを得ない地方都市の若者たちの姿を、ブラックな笑いを織り交ぜて描いた異色の青春ストーリー。

 愛衣を演じた伊藤沙莉さんは「私は(愛衣の)14歳から長い期間を演じさせていただいたんですけど、年齢を重ねるということと、どんどん愛を求めるゆえに居場所がどんどん変わっていって、自分の身なりとかも変わっていくので、それを表現したり、行動で示したりするのが少し難しかったかなと思います」と、亮太を演じた須賀健太さんは「ぼくの中では亮太という役はお客さんに一番近い存在でありたいなということを意識していて、共演者のみなさんが個性的なキャラクターを演じていらっしゃったので、一番普通っぽいというか、それが個性になればいいなと思いながら演じさせていただいています」と、それぞれ演じた役について振り返り、内田英治監督は「ヤンキー映画なんですけど、すごく弱そうな人たちがスクリーンの中では立派にヤンキーを演じてくれたと思います」と、伊藤さん、須賀さんたちキャストについてコメント。

 また『獣道』は国内外で高い評価を得た『下衆の愛』に続き内田監督とアダム・トレルプロデューサーがコンビを組んだ作品で、アダム・トレルプロデューサーは「これはヤンキー映画だけど(原作のない)オリジナル映画。日本ではあんまりオリジナル映画がないから、俺とみんなはこういうオリジナル作品と、オリジナル映画を作っている監督とキャストをサポートしてほしい。俺もがんばっているから、みんなサポートをよろしくお願いします」とオリジナル作品への応援を呼びかけました。

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盛況のスタートに「こんなにたくさん集まっていただけると思っていなかったので、少しビックリしていますがすごく嬉しいです」と志摩愛衣役の伊藤沙莉さん

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伊藤さん同様「うしろのほうまで入っていただいて、たくさんのお客さんに来ていただいて、ほんとに嬉しいです」と喜びを見せた作間亮太役の須賀健太さん

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「映画のオファーがあったとき、確実にこれはドッキリだと思ったんですよ(笑)」と北川堅太役のアントニーさん。「でもすごく楽しくやらせてもらいました」

 お笑いコンビ・マテンロウで活躍し『獣道』では亮太が加わるグループの番長・堅太を演じたアントニーさんは、本格的な演技は初挑戦。衣裳合わせの際、監督に演技を見せたところ「監督はしっかりと頭を抱えたんです」と裏話を披露し「ぼくにとって俳優としてのデビューがとんでもなく“獣道“でしたよ。つらい道のりでしたね」と俳優デビューには苦労もあったようですが「でも、なかなかいい演技しているんですよ。俺がビックリするくらい。だから本気で注目してください」と、苦労を経ての演技に自信も覗かせました。

 堅太の片腕的存在・祐二を演じた吉村界人さんは「大変だったのは、ぼくらは役者でこういう役をやっていますけど、(撮影に参加した)地元のヤンキーの方とかがいて、その方たちに、ぼくが本当は根暗で読書が好きで、本当はそういうの(※役で演じたようなこと)ができないというのがバレたらダメなんだなというのが」と、作品の内容ゆえの難しさがあったことを明かしました。

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役について「すげえ寂しがり屋の、この中で一案ひとりになりたくないみたいな、集ってないといられない弱い人間」と語った三重野佑二役の吉村界人さん

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堅太と一緒にいるシーンが多く「アントニーと男臭い人たちの中にいつもいて、新鮮で楽しかったですね」と撮影の様子を振り返った向島玲花役の韓英恵さん

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舞台あいさつの司会もつとめた瀬能役の矢部太郎さんは「映画撮影時と同じようにしたいと思いまして、朝5時に起きてパンチパーマを当ててまいりました」

 舞台あいさつでは映画の内容にちなみ「道から逸れそうになったことや逸れたいと思ったことなど、ちょっとヤンチャな“獣道”エピソードがあれば教えてください」という質問もされ、伊藤さんと須賀さんは欲しかった商品を勝手に手に取り怒られたという小さなころの思い出を、アントニーさんは「ちょっと人の道外してるなと思いましたね」という高校時代の「日焼けサロンのサクラ」のアルバイト体験を、吉村さんは「(道を)外れたいなと思ってますね、外れたことないので」という願望をそれぞれ披露。
 そして堅太たちと出会うカメラマン・玲花を演じた韓英恵さんが「小さいころからこのお仕事をさせていただいていたので、なんか遊びたいなみたいなのはあったよね」と話すと、同様に小さなころから芸能活動をしている伊藤さんと須賀さんも「遊びたいなはあったよね」(伊藤さん)、「修学旅行をね、仕事で行けないとかね」(須賀さん)と同意。韓さんが「運動会に出られないとか」と続けると、須賀さんは「そういうときは人の道を外れたくなりますよね(笑)」と、子役出身者ならではの悩みを明かしました。

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「5年前くらいに(脚本を)書きはじめて、ようやくこうやってスクリーンでこうやってみなさんに観てもらえます」と心境を語った内田英治監督

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アダム・トレルプロデューサーは特攻服姿のキャストを見て「俺、ちょっと特攻服着たいんだけど。俺も欲しいんだけど」と、羨ましがる様子も

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ぎこちない矢部太郎さんの司会にアントニーさんから「下手すぎない?(笑)」と容赦ないツッコミも入り、キャストが苦笑いの一幕もありました

 須賀さんは「今日から公開なので、今日からぼくたちだけのものではなく、みなさまの『獣道』になるので、ぜひ観た感想をSNS等で広めていただいて、エゴサーチする人間がいっぱい集まっていますので(笑)、呟いていただければ”いいね”していきたいと思います。そういう広げ方をしていきたいと思いますので、広げていただけたらなと思います」とアピール。
 伊藤さんは「『獣道』はあらすじとかを聞いてしまうと、けっこうダークなんじゃないかとか、すごく重い作品なんじゃないかと思われがちなんですけど、笑えるところもたくさんありますし、シュールな場面がたくさんあるので、笑って楽しんでいただけるんじゃないかと思います。群像劇というか、(登場人物)みんなの人生がしっかりと描かれているので、ひとりひとりを観ていただければ、すごく面白く観ていただけるんじゃないかなと思います。そして、どんどん拡散していただいて、みんなで『獣道』を広めていけたらなと思います」と舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、冨手麻妙さん、映画監督としても活躍する松本花奈さん、ベテランのでんでんさん、広田レオナさん、近藤芳正さんらが共演する『獣道』は、7月15日(土)よりシネマート新宿ほか全国公開中です(配給:スタイルジャム/©third window films)。

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