日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>志田彩良さん初主演長編は「一生忘れることのない大切な作品」 『ひかりのたび』初日舞台あいさつ

志田彩良さん初主演長編は「一生忘れることのない大切な作品」 『ひかりのたび』初日舞台あいさつ

記事メイン写真

舞台あいさつをおこなった澤田サンダー監督、鳴神綾香さん、高川裕也さん、志田彩良(しだ・さら)さん、瑛蓮(えれん)さん、萩原利久(はぎわら・りく)さん、杉山ひこひこさん(左より)
※画像をクリックすると大きく表示します

 現在18歳の期待の新星・志田彩良さんが長編映画初主演をつとめた『ひかりのたび』が9月16日に新宿K's cinemaで初日を迎え、志田さんと共演の高川裕也さん、澤田サンダー監督らが舞台あいさつをおこないました。

 現代美術のフィールドでも活動する澤田サンダー監督が2015年の伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞を受賞した脚本を自らのメガホンで映画化した『ひかりのたび』は、ある地方都市が舞台。土地買収に携わり「町を荒らした」と悪評のある不動産ブローカーの父と、父が「荒らした」町に愛着を持つ高校生の娘の父娘を中心に、“土地”とそこで生きる人々の姿が描かれていきます。

 主人公の高校生・植田奈々を演じた志田彩良さんは「今日から公開ということで、さっきまでまったく実感が湧いていなかったんですけど、いまジワジワと実感が湧いてきてすごくドキドキしています。たくさんの方にこの作品が届くんだなと思うと、ほんとうに嬉しい気持ちでいっぱいです」とあいさつ。「長編映画初主演って、人生に一度しかないことなので、ほんとうに貴重な経験をさせてもらえて、何年後かにこの作品を観返して初心に戻れるような、自分にとって一生忘れることのない大切な作品になりました」と、作品への想いを語りました。

 澤田サンダー監督は、シナリオ大賞を受賞した時点では映画が制作され劇場公開できるかもわからなかったため「いまこういう状態になっているのが夢のよう」と心境を述べ「受賞したときは、どうやって(映画を)作ろうかなとひとりでポツーンとしていました。でもスタッフが加わったりキャストさんが決まることで少しずつ劇場公開につながっていったところがあるので、そういうところに感慨深さを感じて、とても嬉しいです」とコメント。
 また、映画は全編がモノクロームの映像となっており、監督は「トーンを下げて締まりのあるような感じにしたかったのと、どうしても緑と赤を入れたくなかったというのがあるので、脚本賞を獲ったときから周り中に(モノクロで撮ると)言っていました」と、その意図を明かしました。

コメント写真

主人公・植田奈々役の志田彩良さんは1999年生まれ。初主演ですが、共演者の鳴神綾香さんによると撮影中は落ち着いていて「ほんとに高校生なのかなと思って見ていました(笑)」とのこと

コメント写真

「スタッフさんも、もちろん監督も、志田さんも、ぼくらも、この日をこんなに心待ちにした作品というのもめったにないので、ほんとに感慨深いです」と、奈々の父・植田登役の高川裕也さん

コメント写真

作品作りにあたり「お金のことをちゃんと扱った作品で客層の期待に応えている作品というのをあまりぼくは知らないので、それにチャレンジしたいなというのがあった」と澤田サンダー監督

 奈々の父親でもうひとりの主人公的な存在である不動産ブローカー・植田登を演じた高川裕也さんは、脚本の第1稿を読んだときのことを「ちょっと打ちのめされるような衝撃を受けまして、これは絶対にとってもいい映画になると思いまして。その中でぼくが一番気に入ったト書きがあって”風が吹いて、その風を形作るように稲穂が倒れた”というト書きで、それが電気が走ったような感じがして」と振り返り、自らの希望で撮影に入るまで監督と脚本作りの話し合いも重ねていたとコメント。
 そして澤田監督が「高川さんは覚えていないかもしれないですけど」と、完成した映画には高川さんが考えたシーンが「ちょいちょいありますよ」と明かすと、高川さんは「え、そうなの!?」と驚き、おもむろに「脚本協力の高川です(笑)」と自己紹介して客席の笑いを誘いました。

 奈々の同級生・狩野公介を演じた萩原利久さんは、志田さんについて「歳的にはぼくのほうが上だったんですけど、すごくしっかりしていて」と評し「わりと(撮影日程の)後半から参加させてもらって、緊張して入ったんですけど、初対面でリハーサルしたときから(志田さんが)柔軟に対応してくださって、監督もそうなんですけど、途中から入った自分を柔軟に受け入れてくださったので、すごい短い期間だったんですけど、(自分も)チームの一員になれたのかなという印象を受けるくらい、素敵なおふたり(=志田さんと澤田監督)でした」と、印象を語りました。

コメント写真

K's cinemaはよく来る劇場で「この作品でここに立てれて、すごく嬉しいです。これからいろいろな人に観てもらえたらいいなと思います」と、植田登を嫌う町の女性・生田優子役の瑛蓮さん

コメント写真

瑛蓮さん演じる優子の「使いっ走りみたいな(笑)」恋人・小口雄一郎を演じた杉山ひこひこさん。瑛蓮さんと初めて会った際、瑛蓮さんの迫力に「もう、従う役にしようと思って(笑)」とのこと

コメント写真

奈々の同級生・狩野公介役の萩原利久さんは、坂を登るシーンについて「暑かったんですよね。セミ鳴きまくっている中、汗をかきながら、たぶん(映ってるのが)リアルな汗だったり」と回想

コメント写真

「こうしてみなさんに観ていただけて嬉しいです。どんどん感想も聞きたいですし、SNSに書いてもらって広めていただけると嬉しいです」と、奈々のバイトの先輩・倉石役の鳴神綾香さん

写真

劇中ではほとんど明るい表情を見せることのない志田彩良さんも、写真撮影の時間には笑顔でポーズ。
左より、高川裕也さん、志田彩良さん、瑛蓮さん、萩原利久さん
※クリックで拡大します

 志田さんは「この映画は、ぜひ劇場で観ていただきたい作品だなというふうに思っているので、今日こんなにたくさんの方にこの劇場で観ていただけて、ほんとうに嬉しいです。これからたくさんの方に『ひかりのたび』が届いて、ひとりでも多くの方に観ていただけたらいいなと思っています」と、澤田監督は「本作はぼくがつねに思っている“命はお金に換算できるんじゃないのか”というのがテーマで、ちょっと重めの、難しいややこしいテーマなんですけど、それもよくここまで来たな、劇場公開できるような感じにできたなと思うところがあって、みなさんが(内容を)どういうふうに思われたのかを知りたいと思っていて、ご意見とか感想をSNSとかいろいろなところで呟いていただくと、ぼくとプロデューサーで全精力を使ってサーチにうかがいますので、ぜひ打ち込んでいただけたらと思います」と、それぞれメッセージを送って舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、朝ドラマでも注目された山田真歩さんやベテランの浜田晃さんらが出演し、群馬県中之条市でのロケによる美しい映像と狩生健志さんによる音楽が独特の世界を作り出す『ひかりのたび』は、9月16日(土)より新宿K's cinemaほか全国順次公開されます。

作品スチール

ひかりのたび

  • 監督・脚本:澤田サンダー
  • 出演:志田彩良 高川裕也 山田真歩 浜田晃 ほか

2017年9月16日(土)より新宿K's cinema ほか全国順次公開

『ひかりのたび』の詳しい作品情報はこちら!

スポンサーリンク