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吉川友さんと鈴木裕樹さん公開初日が「はじめまして」? 『チャットレディのキセキ』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった川口浩史監督、優希美月さん、綱島恵里香さん、吉川友(きっかわ・ゆう)さん、鈴木裕樹さん、中村有沙さん、小牧那凪(こまき・なな)さん、栗原加奈さん(左より)。初日らしいポーズというリクエストになぜかキャストはこのポーズ
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 インターネットのチャットサービスを題材にした純愛ファンタジー『チャットレディのキセキ』が8月18日にシネマート新宿で初日を迎え、主演の吉川友さん、共演の鈴木裕樹さんらキャストと川口浩史監督が舞台あいさつをおこないました。

 今年5月に開催された「第3回秋葉原映画祭2018」でプレミア上映され好評を博した『チャットレディのキセキ』は、チャットレディのアルバイトで生活費を稼ぐ音大生・結城美音が主人公。美音と、チャットで知り合った“カノン”というハンドルネームの男性がチャット越しの会話やピアノ演奏によって心を通わせていく姿と、カノンの秘密が描かれていきます。

 美音役で主演をつとめた吉川友さんは「みなさんに観ていただけるということで、いまからすごいドキドキもしますし、感想とかもこのあとSNSを通して見られるのがいまから楽しみです」と初日を迎えての心境をコメント。
 そして、演じた役と自身の共通点を質問された吉川さんが「美音は最初はちょっと内気な女の子で、鈴木さん(が演じるカノン)と出会って、徐々に自信を取り戻していくというそんな役なので、そういった面では似ているのかなと思いますけどね。最初自信がなくて」と答えると、隣に立つ鈴木裕樹さんが微妙な表情を。それに気づいた吉川さんが鈴木さんに「なんですか?(笑)」と尋ねると鈴木さんは「そうなんですか? そんなふうに見えないんですけど」と答え、会場の笑いを誘いました。

 また、カノンを演じた鈴木さんが「題材がチャットということなので、ぼくは吉川さんとのシーンが多かったんですけど、同じ空間で芝居するということがあまりなかったんですよ」と撮影を振り返ると、川口浩史監督は「(同じ空間でのシーンは)一切なかったですよね」と補足し、吉川さんも「だから、いま私(鈴木さんと)“はじめまして”の勢いですよ」。鈴木さんも「くらいの感じですよね。だから、カメラの向こうの相手に届けるようなお芝居であったりとか、たぶん距離感みたいなものがこの作品のひとつのテーマにもなっていると思いますし、そのへんが難しかったところであり、楽しかったところかなと思うので、そこらへんも観ていただけたらなと思います」と、チャットという題材ならではの作品のポイントをアピールしました。

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「そんなふうに見えないんですけど」という鈴木裕樹さんに「いやいやいや(笑)」と吉川友さん。「内気な面とかすごく(美音と)似ていると思いますね」と強調しました

 川口浩史監督は『チャットレディのキセキ』の企画に「秋葉原を盛り上げる」というテーマがあったことを明かし、秋葉原をどう表現するかを考える中で、人々がハンドルネームで会話するチャットサービスを知り「名前の見えない向こう側に人がいる。そこにコミュニケーションを作る、芽生えてくる出会いがあるという、それがとても面白くて、そこでなにか広がる話が作れないかと思っていました。その中でクラシック音楽という、言ってみれば古典的なものと、ネットというものが融合して、どういうふうになるかということで実験的なことをやったと思っています」と、作品に込めた意図を語りました。

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久々のキャストとの再会で「楽屋でもワイワイするかと思ったんですけども、久しぶりすぎてみんな地蔵のように固まっていました(笑)」と裏話を披露した主人公・結城美音役の吉川友さん

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登壇したキャストの中では唯一の男性となったカノン役の鈴木裕樹さんは「なんかスミマセン、こんな女性にたくさん囲まれまして」と恐縮の苦笑い。吉川さんから「ハーレムですね」の言葉も

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お互いに惹かれあっていく美音とカノンを演じながらも、撮影中は同じシーンで顔を合わせることがなかったという美音役の吉川友さんとカノン役の鈴木裕樹さん

 撮影以来、久々に再会するキャストとは「撮影期間がものすごいタイトだったので、正直みなさんとあまり深い話とかはできなかったといえばできなかったんですけど、それはそれですごいハードな毎日撮影だったので“みんなで短い時間でがんばろう”という気持ちがあったので、それで仲が深まったのかなとは思いますね」という吉川さん。
 美音のお姉さん的存在の遠藤マリアを演じた綱島恵里香さんは、吉川さんが撮影で使ったケーキを「(移動の)車の中でモグモグ食べてて、それがすっごくかわいくて、さすがアイドルだなあって、すごく癒やされながら(笑)」という厳しいスケジュールの中でのほのぼのとしたエピソードを紹介しました。

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出演シーンは多くないものの「数少ないシーンの中で邪魔者的な展開もやらせていただいて、すごく楽しく演じさせていただいたので印象に残っています」と、柏木晴美役の中村有沙さん

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「吉川さんが役では翳のあるちょっと内気な女の子なんですけど、プライベートはすごく明るくて天真爛漫で、こっちが引っ張っていただいた感じでした」と、遠藤マリア役の綱島恵里香さん

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長野ゆりえ役の優希美月さんは「(撮影の)最後のほう、みなさんから“ゆきえ”と(役名を間違えて)呼ばれていて、みなさん疲れているんだなと思いながら参加させていただきました(笑)」

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「吉川さんの付けているイヤホンを思いっきりブチっと外してほしいという、台本上になかった演出が急遽本番に足されて、それが印象に残っています」という澤田亜紀役の小牧那凪さん

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チャットレディ役の栗原加奈さんは映画初出演。「映像に出る自体が初めてで、初めての仕事がチャットの女性役で、画面に通して話したんですけど、それが一番印象に残っています」

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メガホンをとった川口浩史監督は、作品の内容を考えていく中で「“秋葉原”というものをどういうふうに表現すればいいんだろう? というのが一番の課題でした」と振り返りました

 川口監督は「今回すごく特別だったのが、俳優さんが画面を通して芝居をするという、映像で会話をするのがほぼ80%くらいあるので、そこをどう乗り切ってくれるかと、お互いに話し合ってやりました。台本も抽象的な書き方をしているんですけど、ほんとに吉川さんと鈴木さんをはじめ、みなさんにがんばっていただいて、ひとつの見応えのある部分になっていると思います」と、鈴木さんのコメントにもあった映像でのチャットでの会話表現について話し、さらに「この企画は、チャットレディということと秋葉原というキーワードはあったんですけど、ほかのことは自由にやってもいいというふうに言っていただいて、いまの日本の映画界はすごく制約がいっぱいあるんですけど、そういう意味では、小さな作品ですがみなさんの意識を結集して、いいものを作りまして発信できたかなと思っています」と自信を見せました。

 最後に鈴木さんは「秋葉原映画祭に続いて、こういったかたちでみなさんに届けられることをとても嬉しく思います。さっきも少しお話させていただきまして、監督からもありましたし、この作品はチャットを題材にしているということもあって、吉川さんとのシーンもそうですが、ラブストーリーですがファンタジーとかそういう部分もあって、会話のテンポだったり距離感であったりとか時間の流れみたいなものが、ちょっと普通とは違って感じられると思いますし、ピアノの素敵な音楽とともに、みなさんに素敵な時間が流れるといいなと思っています」、吉川さんは「チャットレディというものをぜひみなさんにも知っていただいて、海外の方にもこの作品を観ていただきたいなと思って、日本の文化を知っていただくきっかけになる作品になれば嬉しいなと思っております。みなさんの拡散力が大切ですので、ぜひ観終わったあと、たくさん呟いていただけたら嬉しいです」と、それぞれあいさつして舞台あいさつを締めくくりました。

 音楽に演技に活躍する吉川友さんと俳優集団D-BOYSで人気の鈴木裕樹さんら注目のキャストを迎え、初長編監督作『トロッコ』で日本映画批評家大賞新人監督賞などを高い評価を得た川口浩史監督がメガホンをとった『チャットレディのキセキ』は、舞台あいさつ登壇者のほか長いキャリアを持つ宮下順子さんらが共演。8月18日(土)より24日(金)までシネマート新宿にて1週間限定レイトショー上映されます。

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