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山田愛奈さん主演作には登場人物の「懸命に生きている姿」が 『いつも月夜に米の飯』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった春花(はるか)さん、渡辺佑太朗さん、山田愛奈さん、和田聰宏さん、西山宏幸さん、加藤綾佳監督(左より)。山田さんは誕生日祝いの花束を、渡辺さんは山田さんに贈られたミニ酒樽を、春花さんと加藤監督は映画の内容にちなんで“おにぎり”をそれぞれ手に
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 モデル・女優として注目される山田愛奈さんの主演作で出身地・新潟が舞台の『いつも月夜に米の飯』が9月8日にシネマカリテで初日を迎え、山田さんと共演の和田聰宏さんら出演者、やはり新潟出身の加藤綾佳監督が舞台あいさつをおこないました。

 初劇場公開作『おんなのこきらい』がスマッシュヒットを記録した加藤綾佳監督の新作となる『いつも月夜に米の飯』は、母親が失踪したという報せを受け東京から故郷の新潟に戻った高校生・千代里(ちより)が主人公。母親が営んでいた小料理屋を料理人のアサダとともに切り盛りしていく中で千代里の中に芽生えていく想いが新潟の豊かな食とともに描かれる“ごはんと家族と恋の物語”です。

 舞台あいさつは初回の上映終了後におこなわれ、これが初の単独主演作となる千代里役の山田愛奈さんは「本日は少ない時間ですが(舞台あいさつを)楽しんでいってもらえると嬉しいです」とあいさつ。「いま思えば、この作品がみなさんに観てもらうまですごい(撮影から)長かったんですけど、その分とても思い入れがある作品になったので、もうちょっと私が大人になってから観返したら“いろいろ思い出すなあ”っていう作品になったなあというふうに思います」と初日を迎えての心境を述べました。

 調理師免許を持っており、以前から「ごはんを食べることも作ることも大好きで、食の映画をやりたいなと」思っていたという加藤監督は、同じ新潟出身の山田さん主演で新潟が舞台の映画をという企画が立ち上がり山田さんと会った際に「会ってすぐ山田愛奈さんが“おにぎりが好き”という情報もいただいて、これはもう食の映画を作るしかないなと思って、食映画で、新潟ご当地映画でという企画を出させていただきました」と、新潟オールロケによる作品が生まれた経緯を明かしました。

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共演の方々と「久しぶりに会うので、なんかちょっと緊張する(笑)。でもなんかすごい嬉しいです、みなさんに会えて」という主人公・常磐千代里役の山田愛奈さん

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「帰りにおいしいごはんでもみなさんで食べてってもらえたらありがたいです(笑)」と、千代里とともに小料理屋を切り盛りする料理人・アサダを演じた和田聰宏さん

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「おいしい映画だと思うので、土曜日のお昼ということで、みなさんこれからお酒でも飲んでいただければと思います」と、酒屋の息子・瑛一を演じた渡辺佑太朗さん

 料理人のアサダを演じた和田聰宏さんは、脚本を読んだ段階で「ぼくの中でアサダというものはできていた」ため「たぶんすんなり(役に)入れるんじゃないのかな」と思っていたと振り返るとともに「ぼく料理得意なんですけど、いままで1回も料理の作品をやったことがなくて、初めてフルに発揮できると思って」と、料理をする役は待望の役でもあった様子。実際に劇中の料理シーンはすべて吹き替えなしで和田さんが演じているそうですが、和田さんによると加藤監督は料理の腕をまったく考慮せずにキャスティングしていたそうで「普通できないと思うんですよ、焼き鳥刺すところとか」という和田さんに加藤監督は「ラッキーでしたよ(笑)」と答え、客席の笑いを誘いました。

 千代里の小学校時代の同級生で酒屋の息子の瑛一を演じた渡辺佑太朗さんは「若い瑛一という役がこの映画にどういう効果をもたらすんだろうということはずっと考えていて、なんかお客さんの味方になればいいなとは考えて演じていたんです」と役についてコメント。
 また、山田さんと加藤監督だけでなく渡辺さんも新潟出身で、渡辺さんは撮影現場では「新潟って方言があんまり強くない地方で、台本もそんなに方言は書いてなかったんですけど、帰ったら自然と意識しなくても方言が出てしまう感じ」だったそう。
 和田さんは「ぼく、標準語喋っていたら、この3人(山田さん、渡辺さん、加藤監督)に“違います違います、イントネーション違います”ってすごい注意されました。“いやみんな新潟の人じゃん!”って(笑)」と、そんな撮影現場での裏話を披露し、加藤監督も「結果、なんかスタッフ巻き込んで大論争になりましたね、どっちが正しいかって(笑)」と、現場の雰囲気をうかがわせました。

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「お米がすごくおいしそうに見える映画だと思うので、今日の晩ごはんはお米を食べてください(笑)」と、小料理屋を訪れる客のひとり・瑞希を演じた春花さん

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「だいぶ風貌が変わっているので誰かわからないかもしれないですけど、尻に敷かれている系男子の役でした(笑)」と常連客カップルの男・タカユキ役の西山宏幸さん

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脚本と編集も担当した加藤綾佳監督はタイトルの「月夜」にちなみ「この映画に出てきた月が、観ていただいたみなさまの心をちょっとでも照らせたら」とあいさつ

 そして、9月6日に山田愛奈さんが20歳の誕生日を迎えたばかりということで、料理だけでなく日本酒も登場する映画の内容にちなんでサプライズでミニサイズの酒樽が登場。客席も手拍子しての「ハッピーバースデー」の歌声の中、小さな木槌で鏡開きをした山田さんは、加藤監督の勧めで「(誕生日以来)ずっと撮影でお酒飲めなかったんですよ。だから初」というお酒を口にすると「大人の味する(笑)」と感想を。
 加藤監督は。劇中ではまだお酒を飲めない年齢の千代里を演じた山田さんがお酒を口にする姿を見て「山田さんとも3年間くらいかけて企画をやっていて、ようやくこの日を迎えられてほんとに嬉しいなって思います。みなさん今日はほんとにありがとうございます」と一言。
 さらに、急遽20歳の抱負のコメントを求められた山田さんは「そんなの台本に書いてなかった(笑)。20歳の抱負、なんだろ? 私大きい目標全然作ってこなかったんですけど」と若干慌てつつ「多くの方にこの顔と名前を一致して覚えてもらうことが一番の目標なので、高望みではあると思いますが、覚えて帰っていってくださーい、お願いしまーす(笑)」と話し「ほんとに高い目標ないんですよ!(笑)」と笑顔を見せました。

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誕生日を迎え「20歳になっちゃいました!」という山田愛奈さん(中央)はその記念にミニ鏡開き。それを見守る渡辺佑太朗さん(左)と、ミニ酒樽を持つ和田聰宏さん
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初めてのお酒を口にする山田愛奈さん(右)と、お祝いの拍手を送る春花さん(左)、渡辺佑太朗さん
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 舞台あいさつは、登壇者ひとりひとりのコメントで締めくくられました。

「たぶんみなさんお腹が空いていると思うんですよ。おいしい料理がたくさん出てくる映画だったので、ぜひ、このあとおいしいごはんを食べながら映画のことを思い出していただいたらなと思います」(西山宏幸さん)

「この映画を観て、友達や家族に“おいしい映画があるよ”ってみんな連れてもう1回来てください。今日はありがとうございました」(春花さん)

「最近、日本がいろいろなことがあって、ニュースとか見ていて毎日、嫌な気持ちになるんですけど、映画って非現実的なものだし、映画を観ている間だけでも嫌なこととか忘れられたら、ぼくら作っている身としてすごく嬉しいし、みなさんの心に届いたかわからないですけど、1ミリでも多くこの映画が届いていたらいいなというふうに思います。今日はありがとうございました」(渡辺佑太朗さん)

「この映画は、食と家族というものをテーマに監督が描いていると思うんですけど、やはりそれは生きていく上で切り離せない部分であると思うので、この映画を観て、そういう家族と向き合う、食と向き合うということを改めてしていっていただけたら、そして映画をたくさんの人に広めていってもらえたら、ぼくたちも嬉しいし、第2弾ももしかしたらあるかもしれないです……ないと思います(笑)」(和田聰宏さん)

「やっとみなさんにお見せすることができて、とても嬉しい限りではあるんですが、この映画って主人公・千代里以外にも、ほかのキャストがいろんな想いで懸命に生きている姿が映し出されているので、ぜひ、お友達やご家族にも“こんな映画観たよ、あんな映画だったよ”と言ってもらえると、私たちもとても助かります。そしてまた2回でも3回でも観にきてくださると嬉しいです」(山田愛奈さん)

「私、本当に今回の映画は登場人物全員が好きだなって思いながら書いていて、でもいくら映画になっても映画ってみなさまに観ていただかないと生まれないものだと思うので、今日、みなさまこの映画に出会ってくださってありがとうございますと、この映画のほうからみなさまと出会わせていただいてほんとにありがとうございますという感じです。ありがとうございました」(加藤綾佳監督)

 舞台あいさつ登壇者のほか、千代里の母親役に高橋由美子さん、小料理屋の常連客役に角替和枝さん、小倉一郎さん、MEGUMIさん、森下能幸さんらが共演する『いつも月夜に米の飯』は、9月8日(土)より東京・新宿のシネマカリテで、9月22日(土)より舞台である新潟県の新潟シネ・ウインドで上映のほか、全国順次公開されます。

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