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異色キャストを迎えた中川究矢監督の反戦二部作が8月25日より渋谷で1週間限定上映

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 中川究矢監督が“戦後72年目の夏”をテーマにした反戦二部作『アメリカ』『カマキリの夜』が8月25日より渋谷アップリンクで1週間限定上映されます。『カマキリの夜』には映画監督・特殊造型クリエイターの西村喜廣さんと脚本家の金子二郎さんが出演するという異色のキャスティングとなっています。

 中川究矢監督は1979年生まれ。園子温監督『紀子の食卓』(2005年)『気球クラブ、その後』(2006年)などの助監督を経て、映画監督、プロデューサー、音響技師として活躍中。近年の監督作に、多くの監督が参加したアンソロジー『TEN GOODBYES』の1編「走れ!」(2016年)、怪談実話を原作としたホラー『伝染る物語~KADOKAWA怪談実話~三兄弟の家』(2016年)などがあります。

 今回上映される二部作『アメリカ』『カマキリの夜』は、いずれも上映時間20分強の短編作品。沖縄と東京を舞台に、戦後72年目にあたる「2017年の夏」が、それぞれ違ったタッチで描かれていきます。

 二部作の沖縄編『アメリカ』は、アメリカ軍基地のある沖縄県うるま市を舞台に「人生の再出発」を描くスピリチュアルな作品。偶然に再会した旧友であるふたりの男性の会話から現代社会の問題を静かに浮かび上がらせるとともに、境界を越えていくような沖縄の不思議な風土が綴られていきます。
 中川監督が監督とプロデュースに加えて脚本・撮影・録音・音響デザイン・編集を担当しており、バイノーラルマイクを駆使した立体音響も作品の特徴となっています。

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『アメリカ』より。ふたりの男は高校時代以来の再開を偶然に果たす

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『アメリカ』より。主人公のひとりを演じる謝花弘規(じゃはな・ひろき)さん

 東京編『カマキリの夜』は、道路拡張工事のため区役所から立ち退きを求められている男・西を主人公にしたファンタスティック・ホラー。祖父を戦争で亡くしている西が抱える「怒り」が衝撃のラストシーンへと向かっていきます。
 『虎影』(2015年)『蠱毒 ミートボールマシン』(2017年)などの監督で特殊造型クリエイター、プロデューサーとしても多くの作品に携わる西村喜廣さんが主演をつとめ、区役所職員・金井を「ゼッケン8年」で知られる平和運動家・金子徳好さんを父に持つ脚本家の金子二郎さんが演じるという異色のキャスティングに加え、2017年都議選で応援演説をおこなう安倍晋三総理の映像も劇中に登場。そして『戦争と一人の女』(2012年)『あいときぼうのまち』(2013年)でつよい印象を残した女優の千葉美紅さんも区役所職員・千野役でで出演しています。
 また、撮影に心霊ドキュメンタリー『怪談新耳袋Gメン 復活編』監督の佐藤周(さとう・あまね)さん、音楽に井口昇監督作品などの音楽で知られる福田裕彦さんら、精鋭スタッフ陣の参加も見逃せません。

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『カマキリの夜』より。西村喜廣さんが演じる主人公・西

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『カマキリの夜』より。金子二郎さん演じる区役所職員・金井(左)と千葉美紅さん演じる区役所職員・千野

 すでに開設されている公式サイトでは『アメリカ』『カマキリの夜』両作品の予告編を鑑賞できるほか、映画評論家・町山智浩さんや編集者・田野辺尚人さんらが作品に寄せたコメントも掲載されています。

 反戦二部作『アメリカ』『カマキリの夜』は、8月25日(土)より8月31日(金)まで渋谷UPLINKで1週間限定上映。初日の25日のみ夕方17時ごろより、以降は連日21時よりの上映(上映時間:2作品で45分)、料金は1400円均一となっています。

 鋭いエッジを持った異色の反戦二部作、この上映の機会にぜひご注目ください。

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