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下野紘さん、実写映画初主演で「責任重大」 『クロノス・ジョウンターの伝説』プレミア上映

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舞台あいさつをおこなった蜂須賀健太郎監督、下野紘さん、井桁弘恵さん(左より)。下野さんと井桁さんは劇中の衣裳そのままで登壇
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 人気声優・下野紘さんの実写映画初主演作『クロノス・ジョウンターの伝説』(4月公開)が、1月12日に第4回秋葉原映画祭2019オープニング作品として神田明神ホールでプレミア上映され、下野さんと共演の井桁弘恵さん、大橋孝史プロデューサー、蜂須賀健太郎監督が舞台あいさつをおこないました。

 『クロノス・ジョウンターの伝説』は、映画化された「黄泉がえり」や日本SF大賞受賞作「サラマンダー殲滅」などで知られる作家・梶尾真治さんの同名小説が原作。物質を過去に送る装置「クロノス・ジョウンター」の開発に携わる青年・吹原和彦が、事故で命を落とした大切な人・蕗来美子を救うため、クロノス・ジョウンターの力で時間を越える姿を描いたタイムトラベル・ラブロマンスです。

 吹原和彦を演じ、初めて主演“俳優”としてファンのみなさんの前に立った下野紘さんは「なにを言ったらいいんでしょうかね、なかなか慣れないので。普段は声優をやっているので、いまどういう気持ちでここに立っていたらいいのかなというのがちょっと」と笑顔の中に戸惑いも覗かせつつ「いままで、ドラマに主演ではなくというかたちで出演させていただいたことはあるんですけれども、またそれとも違った雰囲気があったりとか、すごい責任重大だなというプレッシャーみたいなものは感じていましたね」と、初の実写映画主演の感想を述べました。

 蜂須賀健太郎監督は、この作品が5日間という短い撮影期間の中、現場ではほぼワンシーンワンカットで撮影したものを編集でカットを割っていく作り方をしていたことを明かし「ワンシーンが5分くらいあるのを下野さんはずっと演技やっているんですよ。ほんとに忙しい中で、よくこれだけセリフを全部頭に入れて、しかも演技もこちらからリクエストすると、全部飲み込んでくれて、すぐ直してくれて。井桁さんもすごい努力家で完璧にセリフが入っていましたし、突然その日(予定されていた)以外のシーンを撮ることになったりしたときも、ふたりはほぼ頭に入っているので、ほんとに下野さんも井桁さんもすごいプロフェッショナル」とふたりを絶賛。
 その監督のコメントに下野さんは「ぼくらだけではなく、ほかのいろんな人たちがほんとにみんなで一丸になって作ったんだなって。だからこそ作品として密度の高い、キャスト陣とかスタッフ陣の集中力というのは半端なく高い作品だったなと思いますね」と振り返りました。

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主人公・吹原和彦を演じた下野紘さん

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ヒロイン・蕗来美子を演じた井桁弘恵さん

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メガホンをとった蜂須賀健太郎監督

 ヒロインの蕗来美子を演じた井桁弘恵さんは「吹原さんが“助けに行きたい”と思うくらいのヒロインじゃないといけないということで、監督とプロデューサーさんと“どんなヒロインなら命を賭けて守りたいと思うのか?”ということをすごく話し合いをさせてもらいました。ですので、表情だったり笑顔だったり声だったり仕草とかをどうすれば観ている方も“守りたい”って思ってもらえるのかということを考えるのが難しかったですね」と、物語のキーとなる役を演じる上で意識した点を語りました。
 また、井桁さんは蜂須賀監督から参考としてタイムトラベルものの名作のひとつ『ある日どこかで』(1980年・米/ジャノー・シュワーク(ヤノット・シュワルツ)監督)のDVDを貰っていたそうで「ヒロイン像ということですごくイメージが湧きやすくなって、タイムトラベルをするイメージとか、この作品をこういうかたちにという監督の意図がすごく伝わってきたので、教えていただいてありがたかったです」と、作品のための努力を語りました。

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大橋孝史プロデューサー

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撮影を振り返る蜂須賀健太郎監督、井桁弘恵さん、下野紘さん

 舞台あいさつでは撮影の裏話も披露され、吹原和彦が雨の降りしきる中にいるシーンについて下野さんが「あれ、ガチ雨(本物の雨)なんですよ」と明かすと客席からは驚きのどよめきが。スケジュールがタイトなため急遽、雨の中での撮影へと変更になったそうで、下野さんは「”下野さん、大丈夫ですか?”って言われて”行きましょう!”って、ほんとにずっと雨に打たれながらという。雨降らせる装置なんかひとつも用意してないですからね(笑)」と話して客席の笑いを誘いました。
 また、スケジュールの都合で下野さんと井桁さんはほぼ初対面で吹原が来美子を抱きしめるシーンを撮影したとのこと。下野さんが「私ね、そういう芝居で抱きしめるとかってことはないので、だいたい私が抱きしめているのは台本くらいですから。だからどうしたらいいのかなって思っていたら、井桁さん慣れたものですね、“顔はこの角度でいいですか?”ってカメラの映りとかもしっかりされていると思って、なにを俺はドギマギしているんだろうと」と動きも再現しつつユーモアたっぷりに話し、井桁さんは「慣れてないですよ!(笑) 私も緊張しましたよ、すごく(笑)」と笑顔で訂正(?)。客席は明るい笑いに包まれました。

 さらに、大橋孝史プロデューサーの口から、劇中で使用されたタイムマシン「クロノス・ジョウンター」が、撮影を終えた現在は「うちの実家にあります」という意外な事実が明かされ、大橋プロデューサーはこの日のプレミア上映では会場のスペースの都合で展示できなかったものの、4月の公開時には劇場で展示できるよう調整すると前向きに語り、下野さんは「忘れないでくださいね。家に置いてくるとかやめてくださいね(笑)」と念を押しました。

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舞台あいさつを締めくくる下野紘さん

 舞台あいさつの最後には、蜂須賀監督は「ほんとに一丸となってがんばって作った映画ですので、なんとかみなさんのお力をお借りしてヒットさせていきたいと思っております」、井桁さんは「4月から公開ということで、多くの方に観て楽しんでいただけたらいいなと思っておりますので、これからぜひよろしくお願いします」とそれぞれあいさつ。
 そして下野さんの「公開までまだちょっと時間はありますけど、ぜひともたくさんの方に観ていただけたらなと思いつつ、ほんとぼくの業界、声優業界のほうでもけっこう話題になっている部分もありますのでね(笑)、そういうのを見かけたら“あ、そうだ。クロノスやるんだ”って思い出してもらいつつ、ぜひともたくさんの方に観ていただけたら、ほんとに嬉しいなと思います」という言葉で舞台あいさつは締めくくられました。

 『クロノス・ジョウンターの伝説』は、下野紘さん、井桁弘恵さんのほか、尾崎右宗さん、岩戸秀年さん、五十嵐健人さん、寺浦麻貴さん、赤山健太さんらが出演。4月全国順次ロードショーされます(配給:パル企画)。

 この日『クロノス・ジョウンターの伝説』がプレミア上映された「第4回秋葉原映画祭2019」は今回で4回目を迎えるアニメ、アイドルなどポップカルチャー作品を中心にした映画祭。今回は1月12日(土)より14日(月・祝)までの3日間、神田明神ホール、秋葉原UDXシアター、アキバシアターの3会場で、多くの作品が一般上映に先駆けたプレミア上映や応援上映など趣向をこらした形態で上映されます。

作品スチール

クロノス・ジョウンターの伝説

  • 原作:梶尾真治「クロノス・ジョウンターの伝説」(徳間書店刊)
  • 監督:蜂須賀健太郎
  • 出演:下野紘 井桁弘恵 尾崎右宗 岩戸秀年 五十嵐健人 寺浦麻貴 / 赤山健太

  • 配給:パル企画
  • ©梶尾真治/徳間書店・映画「クロノス・ジョウンター」製作委員会

2019年4月全国順次ロードショー

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