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「勝つんじゃなくて負けない」の想いを全国へ 『ライズ ダルライザー -NEW EDITION-』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった監督とキャスト。前列が和知健明(わち・たけあき)さん、後列左より三浦佑介さん、桃奈(ももな)さん、山﨑さやかさん、山口太郎さん、佐藤克則監督
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 特殊な力も装備も持たない“普通の人”であるヒーローの活躍を描いた福島県白河市発の本格ヒーロー映画『ライズ ダルライザー -NEW EDITION-』が3月9日に池袋シネマ・ロサで初日を迎え、プロデューサーでもある主演の和知健明さんら出演者と佐藤克則監督が舞台あいさつをおこないました。

 『ライズ ダルライザー -NEW EDITION-』は、俳優の夢を諦め故郷・白河市に戻り、自ら考案したご当地ヒーロー・ダルライザーとして活動していた主人公・館(たち)アキヒロが、秘密組織・ダイスの計画から街を守ることになるというストーリー。白河市で2008年より街の活性のためショーなどで実際に活動している地域のヒーロー・ダルライザーがスクリーンに進出した作品で、2018年2月の東京での限定上映で好評を得て再編集を加えた『NEW EDITION』として公開を迎えました。

 ダルライザーは映画でプロデューサーと主演をつとめた和知健明さんが、お子さんの誕生をきっかけに活気ある未来をという想いから生み出したヒーロー。和知さんは「ダルライザーの言いたいことというのは、簡単に言うと“自分でなんとかしなさい”。“ひとりでなんとかしなさい”ではなくて”自分でなんとかしなさい“で、やりたいことがあったら誰かに“力を貸してくれ”というのも自分ですし、そうやって行動する子どもたちが生まれてくれれば、30年後にぼくが年を取って子どもの役には立てないかもしれないけど、子どもに“転んでもいいから立ち上がるんだ”という精神を伝えることができたら、どんな未来がやって来ても強くなれるかなと思って、この映画を作ったんですね。ヒーローショーだけだと伝える限界ってあるので映画という大きなものにチャレンジして、映画を観ていただくとわかるんですけど“勝つんじゃなくて負けない。勝とうとしなくていいから負けないで立ち上がる”。こういうことを伝えていければいいなと思います」と映画に込めた想いを語り「この映画を観て元気になったと言っていただけるのはすごく本望なので、みなさんも自分の中にあるヒーローというものを信じてもらって、どんどん前向きな日々を送っていただければなと思っております」と、映画の公開初日を迎えた心境を語りました。

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舘アキヒロを演じプロデューサーもつとめた和知健明さん

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アキヒロの親友のカメラマン・田辺マナブ役の三浦佑介さん

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アキヒロの妻・舘ミオを演じた桃奈さん

 主人公・アキヒロの親友・田辺マナブを演じた三浦佑介さんは、実際にも和知さんとは大学で演劇を学んでいたころからの仲。現在は演出家としても活動している三浦さんは当初は出演ではなく演技指導のみを依頼されていたそうで、三浦さんが「ぼくの前にたぶん(田辺役の候補が)ひとりいたんですよ。彼がちょっと予定が合わなくて“三浦くん空いてる?”みたいに言われて」と出演の裏事情を話すと、和知さんと佐藤克則監督も別の候補が「いましたね」と認める一言を。また佐藤監督は「和知くんから(三浦さんの)写真をいただいて“いや和知くん、これイケメンすぎるよ、田辺の役に合わないよ”って言って、実際(三浦さんに)会ったんですけど“あ、ピッタリだね”って」と田辺役に決まるまでの経緯を明かし、三浦さんは「オイちょっと待って(笑)」複雑な表情の笑いを見せていました。

 アキヒロの妻・ミオ役の桃奈さんは「ほんとにみんなあったかくて優しくて、監督の克則さんがすごく壁のない人で、みんな友達みたいな感じで全然いばっていないんですよ。だから現場がピリピリすることなく、楽しく和気あいあいとやっていたのはすごく演じるほうも楽しいし、みんなでがんばっていこうみたいな感じが心地よかったです」と現場の様子を紹介。

 アキヒロの母親・ルリ子を演じた山﨑さやかさんは、父親・アキラ役の井田國彦さんがセリフに秘密組織の名前「ダイス」が出てくるのを映画のタイトルの一部「ライズ」と言い間違えてしまい、やり直した結果「ダイスとライズが混ざってしまわれたみたいで、最終的に“ライス”って」というエピソードを披露して場内の笑いを誘いました。

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アキヒロの母親・舘ルリ子を演じた山﨑さやかさん

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秘密を握る人物・野田トオルを演じた山口太郎さん

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脚本も担当した佐藤克則監督

 劇中で大きな秘密を握る人物・野田トオルを演じた山口太郎さんは、役の設定上、説明的な長いセリフが多く、また気温が氷点下の夜の撮影だったため「映画ってみんなで作っているんですけど、確実にぼくが失敗したらその分延びるという、そのプレッシャーと寒さとの闘いの中でやったと、ぼくの中でほんとにプレッシャーとの闘いというイメージが一番強かった」と振り返るとともに「街全体が、街あげてダルライザーの白河市みたいになっているところもあるので、空いている時間にご飯食べに行ってもなにしても店の人もあたたかいし、ほんとにダルライザーを盛り上げるようにしてくれていたので、ほんとにテンションの上がる街だったなっていうのが一番の印象ですかね」と、映画の舞台でありロケ地である白河市について語りました。
 山口さんはさらに、佐藤監督は細かくカットを割って撮るのではなくひとつのシーンは通して撮影しカメラの位置を変えて同じ演技をまた撮るという「流れの中で生きた感じを撮ってくれる監督」(山口さん談)のため、自分で提案した演技のプランを同じように数回繰り返さなくてはならず「ぼくの中で挑戦の連続だったというところですかね」と撮影の印象を。
 和知さんと三浦さんも、NGになるかと思ってやったシーンを監督がOKにしたり、アドリブで任されたシーンもあると、俳優の提案を柔軟に取り入れたり俳優に委ねたりすることもある佐藤監督の演出スタイルについて話しました。

 これまで短編作品や舞台作品の上映プロジェクトなどを手がけてきた佐藤監督は「和知くんと出会ったのが20歳くらいのときで、そのときから18年くらいずっと同じワンルームの部屋に住んでたんです。そこからようやく抜け出せたという引っ越しの日の夜に電話がかかってきて“監督、やりますよ”って。そういうのがあって、まさに生活がけっこう変わる時期このお話をいただいて、それから3年ちょい経ちますけど、それでぼくの人生も変わったかなというところもあるので、ほんとにいいタイミングで声を掛けてくれたなというのがあります」と、作品に携わっての感想を述べました。

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和知健明さんはダルライザーのマスクを被ってのポーズも披露しました
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 舞台あいさつの最後に和知さんは初回の上映に来場した観客の方々に改めて感謝を述べ「この(シネマ・)ロサさんに一番最初に声を掛けていただいたのが2017年の8月だったと思うんですけど、どんな映画なのか見せてほしいということで観ていただいて、このロサさんとのお付き合いが始まって、こんなふうに2年経ってまたやっていただけると。自分たちがやりたかった想いを伝えるには、こういうふうに場所を提供してくれる方が必要です。ほんとにたくさんの方に支えられているなと実感しております。ぜひとも地方の末端までこういう気持ちは伝えていきたいと思ってますので、ぜひ観にきてくださいましたみなさんで旋風の火種を作っていただいて、多くの方に観ていただけますよう、ご協力いただけましたら嬉しいです」と呼びかけて舞台あいさつを締めくくりました。

 白河市の名産であるダルマと「起き上がる=ライズ」の想いを込めたヒーロー・ダルライザーの活躍を描いた『ライズ ダルライザー -NEW EDITION-』は、舞台あいさつ登壇者のほか、映画『真白の恋』主演で注目を集めた佐藤みゆきさん、ハリウッド映画に採用されている武術・KEYSIの考案者であるフスト・ディエゲスさん、多くの作品に出演する井田國彦さんらに加え、大勢の白河市一般市民の方々が出演。THE BACK HORNの松田晋二さん、SILENT SIRENのすぅさん、元WHITE ASHの山岡トモタケさんという福島県出身の人気アーティスト3名が映画のメッセージに賛同して結成したスペシャルユニット・White Re:birthが主題歌「Arcier」を担当しています。2019年3月9日より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開され、シネマ・ロサでは3月10日(日)にも監督とキャストによるトークショーがおこなわれます。

作品スチール

ライズ ダルライザー -NEW EDITION-

  • 原作・プロデューサー:和知健明
  • 脚本・監督:佐藤克則
  • 出演:和知健明 三浦佑介 桃奈 山口太郎 佐藤みゆき 山﨑さやか ほか

  • 配給:ダルライザープランニング/アムモ98

2019年3月9日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開

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