日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>『セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~』で初主演の辻美優さん「自分の当たり前が変わった」

『セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~』で初主演の辻美優さん「自分の当たり前が変わった」

記事メイン写真

舞台あいさつをおこなった新井裕介さん(男劇団 青山表参道X)、辻美優さん(elfin')、花房里枝さん(elfin')、目黒啓太監督(左より)。タイトルにちなんで「セカイイチカワイイ」ポーズだという辻さんと花房さんがメンバーのユニット・elfin'のポーズを全員で
※画像をクリックすると大きく表示します

 日本とフィリピンのボランティアが尽力した水道建設プロジェクトを描いた『セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~』が9月21日にユーロスペースで初日を迎え、主演の辻美優さん、共演の新井裕介さんと花房里枝さん、目黒啓太監督が舞台あいさつをおこないました。

 『セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~』は、実際に日本とフィリピンの多くのボランティアが参加して実現したフィリピン・パンダンの水道建設工事プロジェクトの映画化。軽い気持ちでフィリピンでのボランティア活動に参加した大学生・明日香を主人公に、現地の少女との交流の中で安全でおいしい水の大切さを知る明日香や、かつての戦争の傷を乗り越え協力していく日本・フィリピン両国の人々の姿が描かれていきます。

 明日香を演じた辻美優さんは美声女(びせいじょ)ユニット・elfin'(エルフィン)のリーダーをつとめ音楽・女優・マンガ家・声優などマルチに活動しており、今回が映画初主演。「こうして初日を迎えられたこと、ほんとに嬉しく思います。映画製作発表から約2年くらい経っているんですけど、ほんとに監督をはじめキャストのみなさまとスタッフ、関係者のみなさまの気持ちのこもった素敵な映画にできあがっていると思います。この場にみなさんといられることが、ほんとに幸せです」と初主演作公開を迎えた心境を語るとともに「日本では蛇口をひねればきれいなお水、おいしいお水が出てくるのが当たり前だと思って過ごしていたんですけれども、実際にフィリピンの撮影の現場に行ったら、お手洗いがなかったりだとか、水道がちょっと遠い、もしくはあまりないという現状を目の当たりにして、自分の当たり前というのが変わったかなと思っております。いま現在、フィリピンに限らず世界中では100万人以上の子どもたちが(安全な水がないために)亡くなっているという現状というのも自分自身知って、本当に衝撃を受けまして、この映画を通じて、たくさんの方々に、世界にはまだそういう現状があるんだということを知ってほしいなと思いました」と、映画出演を通して得た想いを述べました。

コメント写真

主人公の大学生・清水明日香を演じた辻美優さん

コメント写真

ボランティアの青年・田中努役の新井裕介さん

コメント写真

明日香の友人・西川瞳を演じた花房里枝さん

 ボランティアの先輩・努を演じた新井裕介さんは、劇中で努が乗っているボロボロのジープが「ほんとにボロボロだったんですよ(笑)」と裏話を披露し「“マジか!”って声に出るくらい。(撮影用に)汚しが入っているんですけど、汚しを取っても汚いというすごいジープでした。1回、実際に撮影中に動かなくなっちゃって(笑)。ほんとにいろいろあった、盛りだくさんな現場でした」と撮影現場の様子を紹介。

 辻さんと同じくelfin'のメンバーである花房里枝さんが演じた瞳は、明日香の友人で明日香をボランティアに誘いつつも自分はボランティアに参加しないという役で、花房さんは「誘っておきながらフィリピンに行かなかった瞳を演じさせていただきました」と自己紹介して笑いを誘いつつ「瞳の何気ない一言が『セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~』のストーリーが動き出すきっかけだったり、明日香がフィリピンのボランティアに行って成長だったりをしていくきっかけを結果として与えることができて、瞳としてとても嬉しく思っております」と役としての心境をコメント。さらに花房さん自身も周囲の何気ない一言で行動に移すことがあると思うと述べ「みなさんでもきっとそういうことがあると思うので、この作品を通じて、きっかけというのはすぐ近くにあるんだなと感じてもらえたら嬉しいなあと思います」と話しました。

 長編監督デビューとなる目黒啓太監督は、辻さんの話にもあったように「お水の大切さとか、海外だとそういうことで命を落とされている方がたくさんいるというようなことは、ぼくたちが普段生活していたらあんまり入ってこない」現実があると話し、そういう問題をすぐには受け入れられないのではないかという気持ちがあったため主人公の明日香を最初から問題意識を持ったキャラクターにはせず、知らないところから入っていく姿を描くことで「入口みたいなものになったらいいなと思っております」と主人公像に込めた意図を説明。
 辻さんも「自分自身、まったくそういう現状があるということを知らなかったので、撮影が進んでいくにつれて自分でも体感して知ることができたというのが、私自身も成長できたなというふうに思います」と振り返りました。

コメント写真

本作が長編監督デビューとなる目黒啓太監督

写真

笑顔を見せる辻美優さん(左)と花房里枝さん

 辻さんは「ほんとに、地球上というか世界には知らなかったことがたっくさんあって、今回がまさにそうなんですけれども、飛行機で何時間って行ったところに、人にとって大切で身近でなければならない水が身近にない状況というのがまだまだあるんだということを私も知りましたし、みなさんにももっともっと知ってほしいと思っております。この映画を通じて、水の大切さと命の大切さというものを感じていただいて、心に響いていたら、私としてもとっても幸せだし嬉しいなと思っております。本日はご来場いただきまして本当に本当にありがとうございました」と、舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、水道工事プロジェクトの中心となる岩田公彦役に赤井英和さん、明日香のホームステイ先の娘・アミー役にフィリピンを代表する子役のミエル・エスピノーザさん、さらに橋本マナミさん、蝶野正洋さん、角田信朗さん、森次晃嗣さんら多彩なキャストが出演、辻美優さんと花房里枝さんがメンバーの美声女ユニット・elfin'が主題歌も担当する『セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~』は、9月21日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開されます。

作品スチール

セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~

  • 監督・脚本:目黒啓太
  • 出演:辻美優(elfin') 赤井英和/新井裕介 花房里枝 MIEL ESPINOZA ほか
  • 主題歌:elfin’「アンルート」(EXIT TUNES)

2019年9月21日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開

スポンサーリンク