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引退作『ツングースカ・バタフライ―サキとマリの物語―』公開に亜紗美さん「心に刻んで」

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舞台あいさつをおこなった亜紗美さん、笠原竜司さん、JONTE(施鐘泰)さん、加藤理恵さん、黒板七郎(くろいた・しちろう)さん、久保直樹エグゼクティブ・プロデューサー(左より)
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 アクション女優として多くの作品で唯一無二の魅力を発揮してきた亜紗美さんの女優引退作となる『ツングースカ・バタフライ―サキとマリの物語―』(野火明監督)が12月14日に初日を迎え、亜紗美さんと共演の加藤理恵さん、JONTEらが舞台あいさつをおこないました。

 数々の個性派監督の作品で活躍してきた亜紗美さんが最後の出演作として自ら企画した『ツングースカ・バタフライ―サキとマリの物語―』は、亜紗美さんが演じる暗い過去を持つ女性・伊藤咲=サキが主人公。母親に虐待されている孤独な少女・新井真理=マリと知り合ったサキが、マリを魔の手から救うため闘いに身を投じる姿が、亜紗美さんならではの激しいアクション満載で描かれていきます。

 初日の上映は立ち見も出る満席スタートとなり、亜紗美さんは「このようにたくさんの方にお足を運んでいただきましたことを心より光栄に思います。今日はみなさん楽しんで、いろいろと心に刻んでお帰りいただければ幸いでございます」とあいさつ。
 さらに亜紗美さんは「今回のこの『ツングースカ・バタフライ―サキとマリの物語―』が自分の女優としての最後の作品になります。その最後の作品にこうやって素敵な共演者の方に囲まれて、このような初日を迎えられたことを心より、もう感謝しかない、ちょっと若干いま胸が熱くなりそうなんですが(笑)、まだ壇上にいなきゃいけないのでこらえます。いろいろと思うところはありますけど、これが泣いても笑っても最後の作品になるので、みなさんにどう思っていただけるのか、もう楽しみでしょうがないですね」と最後の作品の公開を迎えた心境を述べ「最後、引退作ということなので、やっぱり生半可な気持ちで臨んでは応援していただいたみなさんに失礼にあたるということで、いつも以上に熱い気持ちで臨ませていただきました」と、作品にこめた想いを語りました。

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伊藤咲=サキを演じた亜紗美さんは引退作の公開に目を潤ませつつも、ほかの登壇者にツッコミを入れたりと、明るく舞台あいさつを終えました

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「たくさんの方にこの作品を観るために貴重なお時間を使っていただいて、ほんとに嬉しいなと思っています」と、新井歌子役の加藤理恵さん

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工藤和人役で「普段の自分ではない」ところを演じたというJONTEさんは「初映画なので、すべて観ていただけたら」と見どころをアピール

 原案もつとめた久保直樹エグゼクティブ・プロデューサーは、亜紗美さんから引退作を作りたいと相談を受け「即答で“やります”と」答えて企画がスタートしたと作品が生まれるきっかけを説明し、ストーリーを作る上では実際にあったストーカー事件や特殊詐欺、虐待が招く子どもの犯罪など現代の社会問題を盛り込み、アクション映画でありつつ「そっち(社会問題)がメイン」の面もあると明かしました。

 マリの母親・新井歌子を演じた加藤理恵さんも「アクション映画というイメージで観にきてくださった方も多いと思うんですけども、亜紗美さんのアクションだけではなくて、女優・亜紗美、人間・亜紗美の魅力もすごく詰まっていますし、私はこの作品は現代をひとりで闘わなきゃいけない女性たちの話でもあるかなと思っているので、女性の方にも観ていただきたいと思いますし、女性の葛藤が繊細に描かれている映画なんじゃないかと思っています」と作品の持つメッセージ性についてコメント。そして加藤さんは、自身にとって初の母親役となった歌子は「母親になる覚悟や自覚のないまま母親になってしまった」人物で子どもへの愛情と自分が一番大事という相反する感情を抱えていると述べ、そういう役を演じたことが「私の中では新しい挑戦だったので、とても思い入れ深い作品になりました」と振り返りました。

 サキと対立することになる男・工藤和人を演じたJONTEさんは歌手や舞台での活動が多く映画は初出演で、現場は「すごく楽しく過ごさせてもらった」ものの、試写で自分が演技しているところを観るのは初めての体験だったため「すごくこそばいというか」と感想を。舞台あいさつも初めてのため緊張を覗かせつつも、今後の映画俳優としての活動も「お声がけいただければがんばりたいなと思っております」と意欲を見せてあいさつを終え、亜紗美さんから「きれいにまとまった!」の声がかかりました。

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「作り出して2年が経ちましたので、ぼくたちも新鮮な感じで観させていただきたいと思います」と、工藤の部下・狭山役の笠原竜司さん

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「映画はみなさんに観ていただいて完成でございます」と陳役の黒板七郎さん。「亜紗美ちゃんも言いましたけど、心に刻んでいただけたら」

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黒板さんのあいさつを受け、公開を迎え「(映画が)完成したかなと思います」と感謝を述べた久保直樹エグゼクティブ・プロデューサー

 亜紗美さんは「先ほども言いましたが、これが亜紗美最後の作品になります。素晴らしいキャストのみなさんに支えていただいてできあがりました作品です。思うところいろいろあると思います。ただ、あたたかい目で最後まで観ていただければと思います。本日は本当にありがとうございました」というメッセージで舞台あいさつを締めくくりました。

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花束や劇場スタッフからのサプライズプレゼントを受け取った亜紗美さんは「まだ泣かない、まだ泣かない! ありがとうございます」と客席に感謝を伝えて舞台を降りました

 監督にインディーズ界のレジェンド・野火明監督、アクション監督に亜紗美さんとは『女体銃 ガン・ウーマン/GUN WOMAN』『KARATE KILL /カラテ・キル』(いずれも光武蔵人監督)に続き3度目の顔合わせとなる田渕景也さんを迎え、激しいアクションとドラマを見せる『ツングースカ・バタフライ―サキとマリの物語―』は、12月14日(土)より19日(木)まで渋谷ユーロスペースで6日間限定上映、愛知のシネマスコーレで12月21日(土)より1週間限定上映。ユーロスペースでは公開期間中連日キャストやスタッフが登壇するトークイベントが開催されます。

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