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藤井秀剛監督『超擬態人間』ブリュセル国際ファンタスティック映画祭2019で受賞

 2017年に公開され話題となった『狂覗(きょうし)』の藤井秀剛監督の新作『超擬態人間』が、4月に開催されたブリュッセル国際ファンタスティック映画祭2019でSPAMFLIX ASIAN FILM AWARDグランプリを受賞しました。

 『超擬態人間』(英題『MIMICRY FREAKS』)は、森で目覚めた男とその息子、結婚式場に向かう途中トラブルに見舞われたカップルたち、ふたつの物語がやがて重なっていくという内容。予測不能のミステリーとスプラッタホラーが融合し「幼児虐待」という社会問題を描いたエンターテイメント作品になっています。明治から昭和初期に活躍した画家・伊藤晴雨の幽霊画「怪談乳房榎図」に着想を得て「日本でしか作れないアメリカンホラー」をコンセプトに製作されました。

 ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭(Bruxelles International Fantastic Film Festival=BIFFF)は、今回で37回目の開催となる映画祭で、今年は4月9日より21日まで開催。スペインのシッチェス映画祭、ポルトガルのファンタスポルト映画祭と並んで“世界三大ファンタスティック映画祭”に挙げられており、世界中のホラー・SF映画ファンから注目されています。
 SPAMFLIX ASIAN FILM AWARD部門は、同映画祭と、アヴァンギャルドな作品やカルトな作品を扱う配信プラットフォーム「SPAMFLIX」のパートナーシップにより設けられたコンペティション部門で、日本のメジャー作品も含めアジア圏の20作品がノミネート。その中から『超擬態人間』がグランプリに選出されました。

【『超擬態人間』BIFFF向け予告編】

 『超擬態人間』は今年3月に開催されたゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019オフシアター・コンペティション部門でワールドプレミア上映されており、BIFFFでの上映はそれに続くインターナショナルプレミア上映。初の海外上映でのグランプリ受賞により、国内外からより注目を集めることが予想されます。

 サスペンスやホラーの手法を用いて現在の中学生を取り巻く状況を露わにしロングランを記録した『狂覗』と同様、藤井秀剛監督が監督・製作・脚本・撮影・編集をつとめ、俳優がスタッフワークもこなす制作チーム・CFAにより制作された『超擬態人間』は、世間にどんな波紋を呼び起こすのか? 一般公開が待たれます。
 また『狂覗』に続き主演をつとめた杉山樹志(すぎやま・たつじ)さんは撮影終了後の2017年8月に急逝しており、才能あふれる若き俳優の演技が残された作品という点でも見逃せない1作です。

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