高校演劇の名作を城定秀夫監督のメガホンで映画化した『アルプススタンドのはしの方』の公開日が７月24日(金)に決定し、予告編が公開されました。

　映画『アルプススタンドのはしの方』は、兵庫県立東播磨高校演劇部が上演し、２０１７年に開催された第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞にあたる 文部科学大臣賞を受賞した同名舞台劇が原作。
　野球部の応援に来た４人のさえない高校生がアルプススタンドの端のほうで繰り広げる会話劇である原作舞台は全国のさまざまな高校演劇部で演じられる人気作となっており、２０１９年６月には浅草九劇でプロのキャストによりリメイク上演、同劇場の２０１９年上演作から選出される浅草ニューフェイス賞を受賞しています。

　リメイク上演で好評を得ての映画化は、ドラマ「中学聖日記」の小野莉奈さん、映画『左様なら』（２０１８年／石橋夕帆監督）の平井亜門さん、短編『そうして私たちはプールに金魚を、』（２０１７年／長久允監督）の西本まりんさん、アイドルユニット・Love Cocchiでも活躍中の中村守里さんと、リメイク上演舞台から引き続き出演する女優陣３人を含む注目の若手俳優が集結。さらに、グラビアでも話題の黒木ひかりさんや、やはりリメイク上演舞台に続き出演となる劇団・ゴジゲンの目次立樹さんらが出演しています。

　脚本は劇団献身主宰でリメイク上演で演出をつとめた奥村徹也さんが担当じ、幅広いジャンルの作品を手がけ『性の劇薬』（２０２０年）もヒット中の俊英・城定秀夫監督がメガホンをとりました。

　公開された予告編では、応援を続ける中で熱を帯びていく４人の高校生の姿や、スタンドが吹奏楽部員たち多くの生徒で埋まっている映画ならではの光景も映しだされます。

　公開決定にあたり、城定秀夫監督と、原作者である元・東播磨高校演劇部顧問の籔博晶さんは以下のようにコメントを寄せています。

城定秀夫監督コメント

この映画を制作している頃はまさか世の中がこんな風になるなど、ましてや高校野球が中止になる事態などゆめゆめ想像していませんでしたし、これからの世に本作がどのような形で受け入れられ、お客様にどう感じてもらえるのかも正直まだ分かりません。
しかし、今だからこそ響く何かがこの映画にはあると強く信じています。
しょうがないと諦めて俯くばかりでは前には進めません。
一人でも多くの方に観て頂き、元気になってもらえることを切に願っています！

原作：籔博晶さん（元・東播磨高校演劇部顧問）コメント

「アルプススタンドのはしの方」はもともと、正規部員たった４人の小さな演劇部が作った作品でした。
最初の上演の観客は100人弱。それがたくさんの人たちの後押しを受けてあれよあれよという間に大きくなり、気づけば全国の映画館で上映されるまでになっていました。本当に驚きと感謝でいっぱいです。
完成した映画にはキャストや監督はもちろん、ここまで作品を押し上げてくれた人たち全員の思いがこもっているように感じました。その熱を、是非多くの方々に感じ取っていただければと思います。

　新型コロナウイルス感染症拡大の影響により現実社会では「甲子園大会のない夏」となった２０２０年夏。高校野球の応援を通じて登場人物がそれぞれの「諦めきれない」想いと向き合っていく青春映画『アルプススタンドのはしの方』は、７月24日(金)より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイント、イオンシネマ板橋、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショーされます。

『アルプススタンドのはしの方』ストーリー

高校野球・夏の甲子園、全国大会一回戦。夢の舞台でスポットライトを浴びている選手たちを観客席の端っこで見つめる冴えない４人。夢破れた演劇部員・安田と田宮、遅れてやってきた元野球部・藤野、帰宅部の成績優秀女子・宮下。「しょうがない」と最初から諦めていた４人だったが、それぞれの想いが交差し、先の読めない試合展開と共にいつしか熱を帯びていき...。