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今関あきよし監督が原発事故を描いた『カリーナの林檎』12月24日、25日に無料配信・上映会も

 今関あきよし監督が東欧を舞台に原発事故の悲劇を描いた『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』が2020年リニューアル版として12月24日、25日に無料配信され、24日には渋谷で上映会もおこなわれます。

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『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』より。主人公の少女・カリーナ

 『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』は、1986年にチェルノブイリ原発事故があったウクライナの隣国・ベラルーシを舞台とした物語。
 8歳の少女・カリーナと、原発事故のためにバラバラになってしまったその家族の姿を通して、原発事故がもたらす長く続く悲劇が描かれていきます。
 ベラルーシで撮影を敢行し、主人公の少女・カリーナ役にはオーディションで選ばれた当時6歳のナスチャ・セリョギナさんを起用。2004年に一旦完成しましたが劇場公開は実現せず、再編集を加え奇しくも日本で原発事故が起きた2011年に劇場公開。大きな反響を呼び、劇場公開後も自主上映会や海外の映画祭などでの上映が続き、小さな子どもたちにも内容を伝えたいとの声に応え児童向けの写真絵本も出版されています。

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2003年の冬、ベラルーシでの『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』撮影風景

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映画公開後の反響に応えて出版された写真絵本「カリーナのりんご チェルノブイリの森」

 今回、配信・上映される2020年版は、日本でも原発事故の記憶が薄れていく中「忘れてはならないその現実から目をそらさずにいて欲しい」という想いから福島県での追加撮影をおこない完成したもの。
 2020年12月24日、25日の両日、YouTubeで全編無料配信されるのに加え、東京・渋谷の会場で無料上映会も開催されます。

 YouTube配信は下記のURLで12月24日(木)、25日(金)の2日間いつでも鑑賞が可能となります(公開期間前は非公開)。
映画『カリーナの林檎~チェルノブイリの森~2020 EDITION』
 また、配信に向けた告知動画として、少女カリーナの日常を描いた映画本編の一場面が公開されています。

【告知「カリーナの林檎~チェルノブイリの森 2020EDITION」】

※告知動画と本編配信のURLは異なります。本編配信鑑賞はこちら

 渋谷で開催される上映会は24日(木)15時開場・15時25分上映開始。上映後には今関監督やスタッフによるあいさつも予定されています。入場料は無料ですが新型コロナウイルス感染予防対策上、少人数限定での開催となるため、事前のメール応募方式となっています。

『カリーナ2020』クリスマス上映会

《inagejin7125@gmail.com》宛、ご応募お願います。
件名に『カリーナ2020』と明記の上、お名前、年齢、ご応募のきっかけなどを一文を添えていただけたら幸いです。
ご応募締め切りは21日(月)PM11時までになります。
観覧当選者には、22日中に詳細をご連絡差し上げます。
作品は約100分、上映後に監督やスタッフらによる簡単な挨拶を予定。
感染予防対策を行なっての上映となります。
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『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』2020年リニューアル版キーヴィジュアル(クリックで拡大します)

 『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』は、その後『クレヴァニ、愛のトンネル』(2014年)『ライカ』(2016年)と続く今関監督の東欧・ロシア三部作の始まりであり今関監督のフィルモグラフィの中でも重要な一作であります。 
 今関監督作品の歴史を改めて振り返る機会であり、また現代を生きる人々が留めるべき記憶をたしかめる機会となる今回の『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』2020年リニューアル版の配信と上映は、2020年が終わりに近づく時期に大きな意味のあるイベントとなるでしょう。
 ぜひこの機会をお見逃しなく。

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