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139の映画祭で50冠の作品群を一挙上映 松本動監督の上映イベントが2月18日に渋谷で開催

 国内外の映画祭での受賞が相次ぐ松本動(まつもと・ゆるぐ)監督の作品群を一挙上映するイベントが2月18日に渋谷で開催され、緊急事態宣言下で撮影された作品を含む長編・短編が上映されます。

【「WiFiを捨てよ 渋谷へ出よう」松本動監督作品一挙上映イベントプロモーション映像】

 「WiFiを捨てよ 渋谷へ出よう」と題されたこのイベントは、2月18日に渋谷のユーロライブで開催。松本監督の長編2作品と短編5作品の計7作品が3つのプログラムに分けて上映され、各プログラムごとに松本監督と出演者等による舞台あいさつもおこなわれます。入場料金は0円以上で来場者が自由に設定できる投げ銭制で、来場者特典として特製ポストカードがもれなくプレゼントされます。

「WiFiを捨てよ 渋谷へ出よう」 -松本動監督作品一挙上映-

  • 開催日:2021年2月18日(木)
    《プログラムA》13:00開場/13:30開演 『星に語りて~Starry Sky~』+蔵出しメイキング映像
    《プログラムB》16:00開場/16:30開演 ショートフィルムセレクション+8mm初期作品ダイジェスト
    《プログラムC》19:10開場/19:30開演 『2020年、東京。12人の役者たち』
    ◆各プログラムごとに監督と出演者等による舞台あいさつあり(監督は全回に参加)
  • 会場:ユーロライブ(〒150-0044 東京都渋谷区円山町1−5 KINOHAUS2階
  • 料金:0円〜 の投げ銭
  • 特典:特製ポストカード
  • チケット予約:Peatix https://wifisuteyo.peatix.com/予約フォーム
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「WiFiを捨てよ 渋谷へ出よう」 -松本動監督作品一挙上映- フライヤー ※クリックで拡大します

  • ※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、以下の対策をとっての開催となります
  • ○入場者のマスク着用厳守・手指消毒
  • ○体温が37.5℃以上の方・体調がすぐれない方の入場規制
  • ○直近2週間以内に海外から帰国・入国された方や、入国者との濃厚接触がある方の入場規制

 プログラムAは長編『星に語りて~Starry Sky~』。東日本大震災の被災地での障害者が置かれた実情と支援に励んだ人々の姿を実話に基づく描いた劇映画で、2020年にハリウッドで開催された映画祭「JAPAN CONNECTS HOLLYWOOD 2020」で最優秀作品賞を受賞しています。
 今回の上映にあたっては、蔵出しメイキング映像が特典として併せて上映されます。

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プログラムA『星に語りて~Starry Sky~』より

星に語りて~Starry Sky~

  • 出演:要田禎子 螢雪次朗 赤塚真人 生島ヒロシ 今谷フトシ 植木紀世彦 枝光利雄 菅井玲 宮川浩明 入江崇史
  • 制作総括:西村直 企画:藤井克徳 製作:きょうされん 脚本:山本おさむ プロデューサー:新井英夫 制作プロダクショ ン:ターゲット
  • 撮影:鈴木雅也 照明:古橋孝映 録音:西岡正巳 美術:津留啓亮 音楽:小林洋平 監督:松本動
  • 2019年/DCP/アメリカンビスタ/5.1ch/115分

第37回日本映画復興賞 奨励賞、JAPAN CONNECTS HOLLYWOOD 2020 最優秀作品賞、ほか受賞

 プログラムBはショートフィルムセレクションとして「ミックス」「ガチャガチャ/GACHA GACHA」「公衆電話」「カセットテープ」「パレット」の短編5作品を上映。
 公衆電話からの着信で始まる父娘の物語「公衆電話」は、国内外の60近い映画祭で上映され5つのグランプリを含む18の賞を獲得した松本監督の代表作といえる作品であり、その続編となる「カセットテープ」も多くの賞に輝いています。
 冴えない女性の不思議な体験を描く「ガチャガチャ/GACHA GACHA」は『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』(2011年/いまおかしんじ監督)主演の正木佐和さんと「ウルトラマンオーブ」「ウルトラマンZ」ジャグラス・ジャグラー役で人気の青柳尊哉さんがメインキャストとして出演しているのも注目点。
 上映作の中でもっとも古い作品となる「ミックス」は5歳の少女と会社員の男の小さな旅を描いた作品で、ひとりの人物の成長に合わせて4本の短編を制作し最終的に1本の長編に完成させるという15年にわたる「夕日映画四部作」の第一章となる作品。
 最新作となる「パレット」は2020年の緊急事態宣言解除後、独自の感染防止ガイドラインを作成しいち早く映画撮影を開始したことで話題となった作品で、さらに強力になったウイルス変異株が蔓延した世界を舞台にした物語。すでにサレルノ国際映画祭ノミネート、山形国際ムービーフェスティバル村川透監督賞受賞と、国内外で高い評価を得ています。
 さらにBプログラムでは松本監督の8mm初期作品のダイジェストが特典として上映されます。

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プログラムBのショートフィルムセレクションで上映される『ミックス』より

ミックス

  • 出演:咲音 古澤裕介 今谷フトシ 正木佐和 平家秀樹 枝川吉範
  • 企画・製作:松本動 撮影:池田直矢 美術:太田哲 録音:宋晋瑞 音楽:NZNZCAKE 脚本・監督:松本動
  • 2015年/FullHD/カラー/シネマスコープ/ステレオ/30分
  • 第20回横浜映像天国 グランプリ、ほか受賞

ガチャガチャ/GACHA GACHA

  • 出演:正木佐和 青柳尊哉 針原滋 桜木梨奈 田中登志哉 平家秀樹 今吉祥子 花ヶ前浩一
  • 企画・製作:株式会社アルファセレクション プロデューサー:美斉津明子 ラインプロデューサー:尾関伸嗣
  • 撮影:鈴木雅 也 録音:木村聡志 音楽:桃井聖司 脚本・監督:松本動
  • 2016年/FullHD/カラー/シネマスコープ/ステレオ/12分
  • 2016Tokyo 48Hour Film Project 最優秀撮影賞ほか2冠、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017入選、ほか受賞

公衆電話

  • 出演:菅井玲 入江崇史 貴玖代
  • 企画・製作:松本動 撮影:池田直矢 録音:西岡正巳 音楽:鈴木光男 助監督:大滝朋恵 脚本・監督:松本動
  • 2018年/FullHD/カラー/シネマスコープ/ステレオ/16分
  • 第5回岩槻映画祭 グランプリ&観客賞、ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2018 ベストアクター受賞、ほか受賞

カセットテープ

  • 出演:菅井玲 入江崇史 大迫一平 貴玖代 相馬有紀実 佐藤実乃莉 ハルキ堂バンド
  • 企画・製作:八王子日本閣 撮影:鈴木雅也 照明:古橋孝映 録音:西岡正巳 音楽:鈴木光男 脚本・監督:松本動
  • 2019年/FullHD/カラー/シネマスコープ/ステレオ/23分
  • 第6回八王子Short Film映画祭 グランプリ&観客賞、ほか受賞

パレット

  • 出演:本山勇賢 秋田ようこ 田中栄吾 みやたに 井之浦亮介 和田悠佑 清水杏樹 迎祐花 田村陸 秋山大地 小 西有也 杉谷玲奈
  • 企画・製作:松本動 撮影:池田直矢 音楽:鈴木光男 サウンドデザイン:西岡正巳 ラインプロデューサー:榊田茂樹  MAスタジオ:SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 制作協力:CiNEAST/bigarch 脚本・監督:松本動
  • 2020年/DCP/白黒&カラー/シネマスコープ/ステレオ/22分
  • 第74回サレルノ国際映画祭 ノミネート、第16回山形国際ムービーフェスティバル 村川透監督賞 ほか

 プログラムCは長編『2020年、東京。12人の役者たち』。2020年の緊急事態宣言発令により予定されていた映画撮影が中止となった中で、12人の俳優がスマートフォンでセルフ撮影した映像を松本監督がネットを介して受け取り制作された、ドキュメンタリー+フィクションの「ドキュフィクション」。第12回映像グランプリで特別賞を受賞しています。
 今回の上映は完全版プレミア上映となり、再び緊急事態宣言が発令された2021年の東京で「2020年、東京。」がスクリーンに映し出されることになります。

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プログラムC『2020年、東京。12人の役者たち』より

2020年、東京。12人の役者たち

  • 出演:秋田ようこ 秋山大地 迎祐花 小西有也 杉谷玲奈 清水杏樹 田中栄吾 本山勇賢 みやたに 井之浦亮介 田村陸 和田悠佑
  • 企画・製作:松本動 物語・撮影:12人の役者たち
  • 音楽:鈴木光男 サウンドデザイン:西岡正巳 MAスタジオ:SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ
  • 制作協力:CiNEAST 監督:松本動
  • 2021年/DCP/カラー&白黒/16:9/ステレオ/119分

第12回映像グランプリ 特別賞受賞

 松本動監督は1990年代に8mmでの自主映画制作を開始し、商業映画の世界に進んでからはフリーの助監督として石井隆監督、山崎貴監督、中村義洋監督、矢崎仁司監督、佐藤信介監督などの作品に参加。監督補佐をつとめた大林宣彦監督『花筐/HANAGATAMI』(2017年)を最後に助監督業を離れ監督業に専念し、現在はドキュメンタリードラマを中心に活躍しつつ、2015年に再開させた自主映画制作も精力的におこなっています。
 近年の作品の一挙上映にあたり、松本監督は次のようにメッセージを発表しています。

松本動監督メッセージ

記事写真 この度、私が監督を務めた7作品を一挙に上映するイベントを『WiFiを捨てよ 渋谷へ出よう』 と銘打って開催する運びとなりました。こんなコロナ禍に不謹慎な奴だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私が映画創りを始めた頃に影響を受けた寺山修司の監督作品 「書を捨てよ 町へ出よう」 から、今年がちょうど50年という節目の年であり、そんな節目の年に上映会を開催するという事と、今や映画をVODで鑑賞するのが普通の時代ではありますが、やはり映画は劇場のスクリーンで鑑賞するのが一番だと思い、「ネットにばかり繋がっていないで、Wi-Fi捨てて渋谷の劇場に来てスクリーンで映画観なよ」 という抗いの意を込め拝借しました。そんな私ですから、当然自分の監督作品のVOD配信を躊躇っているわけですが、いつかは受け入れざるを得なくなる日が訪れると思いますので、『スクリーンでしか観られない』 という特別感に浸れる残された僅かな時間を、ぜひ体感しに渋谷のユーロライブにお越し頂けたら幸いです。

 近年、国内外の映画祭を席巻する松本監督の作品の一挙上映とあって、上映作の映画祭・受賞歴は7作品合わせて139の映画祭・11のグランプリを含む50冠(2021年2月時点)にのぼります。
 すべてが受賞作という特色に加え、今回の上映イベントはコロナ禍の中で制作された2作品を含んでいるのも大きな特色のひとつ。松本監督のメッセージには、新型コロナウイルス感染症流行により映画の制作環境や上映のかたちの変化に拍車がかかる中でイベントを開催することへのつよい想いがうかがえます。
 2021年の現在を刻む試みともいえる「WiFiを捨てよ 渋谷へ出よう」は、現在、イベントサービス・Peatix 予約フォームで予約が受け付けられています。

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