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6月19日公開の石田智哉監督『へんしんっ!』第二弾予告編と斎藤工さんらの絶賛コメント解禁

 PFFアワード2020グランプリを受賞したドキュメンタリー『へんしんっ!』(石田智哉監督)が6月19日より公開されるのを前に、斎藤工さんや森達也さんら各界の著名人から寄せられた絶賛コメントと、ラジオCM風の第二弾予告編が解禁されました。

 『へんしんっ!』は、立教大学現代心理学部映像身体学科の学生で学んでいた石田智哉監督が、卒業制作として同学科のスカラシップを受け制作した初監督作品。
 電動車椅子で生活している石田監督が「しょうがい者の表現活動の可能性」を探るためにさまざまな取材をする中で監督自身に起こる「変化」を描いた作品で、第42回ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード2020コンペティション部門で多くの支持を集めグランプリを受賞しています。

記事写真

『へんしんっ!』より。右が石田智哉監督

 6月19日より東京のポレポレ東中野とシネマ・チュプキ・タバタほかで公開されるのを前に、ノンフィクション「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」など多様性についての著書も多いライターのブレイディみかこさんや、俳優・映画監督の斎藤工さん、文化庁映画賞・文化記録映画大賞受賞のドキュメンタリー『プリズン・サークル』(2019年)の坂上香監督、数多くのドキュメンタリー作品で知られる映画監督・作家の森達也さんらの映画人、障がいと表現をつなぐ活動をしている方々などが作品へコメントを寄せています。
※コメントは五十音順に掲載

斎藤工さん(俳優・映画監督)コメント

映画人として
私の遥に先を行く石田監督は
映画と言う媒介を通して
我々が対極にあるであろうと思い込んでいる事を見事に中和させ進化させ
気が付くと観るモノの心の形をさりげなく変身させてくれている

齋藤陽道さん(写真家)コメント

ささいなことかもしれないけれど、今一度、思い出してほしいことがある。それは、しょうがいのある 「主役・石田智哉」は、「監督・石田智哉」でもあるということ。
えてして重度のしょうがいをもつ人は、どれほど映画の内容が良かろうとも、受け身の「被写体」でしか ないことが多かった。
しかし、本作では「当事者」が「監督」であり、かつ「主役」でもある。つまり撮影・編集された映像の すべてが「当事者」としての意識の元に組まれたということであり、そうした造りにおいてすでに本作は 唯一無二なのだ。
自分とは異なるからだの他者と話をして、直接触れて向きあうことで、いやおうなく変わってしまうこと への戸惑いと喜びが、そっけなく、淡々と、過激に、つむがれている。なんて愛おしい。

坂上香さん(ドキュメンタリー映画監督)コメント

監督は、イマドキの優しい大学生。
身体しょうがいという“個性”を持っている。
ただ、それだけのこと。
でも、それが、大きな障壁になる社会。
と思いきや、石田監督は周囲に頼りまくって映画を作った。 私は、エンディングのダンスを見て、涙がこぼれた。
個性が触れ合うことで、その先に行けそうな気がして――。

寺尾紗穂さん(文筆家・音楽家)コメント

現代人が失った 言葉の無い原初的な触れ合い。
ラストのダンスは そんな接触のいくつもの連なりだった。
相手の領域への侵犯のようにみえながら
それは控えめな愛に満ちていた。

中川美枝子さん(「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」スタッフ)コメント

「私」の物語を見つけて表現することは、決して簡単なことではありません。自分事なのだから、他人に 託すわけにもいかないし、かといって一人だけで描き出せるものでもないのです。「受け身」でもなく、 「暴君」でもなく、自分に素直になってみる。それは、弱さと迷いを仲間に共有しながら、「面白い!」 を追求し続けることなのかもしれません。

廣川麻子さん(NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク理事長/東京大学先端科学技術研究センター当事者研究分野)コメント

人を見る時、わたしたちはカテゴライズしてしまう。
ろう者、全盲、車椅子ユーザー、男性、女性、学生、教授、ダンサー、通訳...
本作は字幕や音声ガイド(が流れていることを表現する字幕マーク)を体験することで
カテゴリを超え、人と人が出会い、語り、触れる。
他者を「知る」旅路は無限であり、豊かな世界がそこにあった。

ブレイディみかこさん(ライター)コメント

踊ることが表現で、ケアが他者と踊ることなら、ケアとは表現だ。眉間に皺を寄せて考えていたら、「ハ ッピーな顔して何を見てるんだ」と家人に言われた。はっ。こっちもへんしんしていたらしい。

舞台が終わった後の石田監督に注目してほしい。
瞳、視線、指、胸、身体、空間すべてがひらかれている。

松森果林さん(聞こえる世界と聞こえない世界をつなぐユニバーサルデザインアドバイザー)コメント

他者との対話による信頼関係に、無防備な身体を預けることによって
自分のからだを発見していくプロセスは
受け身の身体から表現する身体へと変身する。 自己と深く関わっていくことは自由になることだ。
「へんしん」とは変身し続けることなのだろう。

森達也さん(映画監督・作家)コメント

観終えてまず思う。自分はちょっとすごいものを観た。いや観たじゃない。何だろう。感じた。いやこれ も微妙に違和感がある。観た。聴いた。感じた。気づいた。体感した。......思いつく述語のすべてがぴっ たりと適合しない。ふわふわ。だけどずっしり。他に言葉が見つからない。でもこれだけは言える。かつ てない映画体験だ。

 また、予告編第二弾も解禁されました。
 第二弾予告編は、石田監督が自らナレーションを担当した音声のみのラジオCM風という、新しいかたちの予告編づくりに挑んだものとなっており、石田監督の「どのように届けるかにも想いが込められる」という想いを表現しています。

【『へんしんっ!』第二弾予告編】

 「それをみんなで観ることによる気づきや発見をシェアしたい」という想いから、スクリーンに日本語字幕が投映されスピーカーから音声ガイドが流れる「オープン上映」で上映される『へんしんっ!』は、6月19日(土)よりポレポレ東中野、シネマ・チュプキ・タバタで公開、ほか全国順次公開となります。

へんしんっ!

  • 出演:石田智哉 砂連尾理 佐沢(野﨑)静枝 美月めぐみ 鈴木橙輔(大輔) 古賀みき

  • 監督・企画・編集:石田智哉
  • プロデューサー・録音:藤原里歩
  • 撮影:本田恵/壺井濯/柗下仁美
  • 整音:橋本昌幸
  • 字幕監修:北川光子/木山直子/佐沢(野﨑)静枝
  • 音声ガイド制作:鈴木橙輔(大輔)/美月めぐみ/平塚千穂子
  • ナレーション:ぺんぺん
  • 協力:バリアフリー演劇結社ばっかりばっかり/立教大学しょうがい学生支援室/立教大学ボランティアセンター/バリアフリー映画上映会実行委員会 ほか
  • 指導教授:篠崎誠

  • 2020年/94分

  • 第42回ぴあフィルムフェスティバル PFFアワード2020 グランプリ受賞作品
  • 第2回立教大学映像身体学科学生研究会スカラシップ助成作品

2021年6月19日(土) ポレポレ東中野、シネマ・チュプキ・タバタにて公開、ほか全国順次

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