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投稿サイト掲載の小説を実写化した青春ミステリ『階段下は××する場所である』9月11日公開

 小説投稿サイト掲載の小説を原作とした新感覚の青春ミステリ『階段下は××する場所である』(神谷正智監督)が9月11日より池袋シネマ・ロサで公開されます。

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映画『階段下は××する場所である』より

 高校の先輩女子と後輩男子がふたりの周辺で起きる事件を解決していく『階段下は××する場所である』は、人気の巨大小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載された羽野ゆずさんによる同名小説の映画化。
 長編『11月19日』(2017年)がRome Independent Prisma Awardsなど海外のインディペンデント映画祭に公式選出され、2019年にはシネマ・ロサでの劇場公開を果たした神谷正智監督が、連作短編である原作から4本の短編を選んで実写映画化しています。

 アニメ化された作品も多く“異世界転生もの”のようなファンタジー系のイメージが強い「小説家になろう」から、そのイメージ以外の作品に光を当てるべく、代表的なジャンルとは異なる要素を持つ作品をピックアップ。
 神谷監督は、原作の魅力であるライトノベル的なデフォルメされたキャラクターや表現を活かしつつ、こだわったロケーションによるリアルな実景と二次元的なキャラクター要素を融合させ、アニメ的表現に親しんだ若い世代が楽しめるような作品を目指しています。

 出演は、高校生・雷宮光(らいきゅう・ひかる)役に舞台やラジオパーソナリティなどで活躍する平岡かなみさん、光が好意を寄せる後輩男子の水無月日向(みなづき・ひなた)役には映画やミュージックビデオなどに出演する安慶名晃規(あげな・こうき)さんと、原作のイメージを重視した若手俳優が起用されています。

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映画『階段下は××する場所である』より

 公開決定にあたり、神谷正智監督と原作者の羽野ゆずさんは次のようにコメントを発表。また、東京藝術大学大学院出身で劇場長編『向こうの家』(2019年)やウェブドラマ「コウキの雨鳴き」などを手掛ける映画監督・西川達郎さんが応援コメントを寄せています。

神谷正智監督コメント

企画の開始から撮影完了まで1年半、コロナ渦でのポストプロダクションの大幅な遅れもあいまって完成まで2年。 長い時間をかけて本作は製作されました。

原作はライトノベルであり、本来アニメと親和性の高い作風です。それをあえて実写でやる意義はなんだったのか?と考える方も多いかもしれません。
私が目指したのは、「アニメの手法を実写に落とし込んだもの」でした。
原作の登場人物は全て誇張気味に描かれています。
脚色にあたって実写での演出を考慮して大幅な変更を加えましたが、誇張された不自然なセリフや行動はあえて残し見る人に違和感を与えるように意図しています。
最初見た時は、違和感が凄いかもしれません。制作した私自身も違和感を禁じえません。
それでも、違和感の中にある一粒のリアリティが人を笑わせ、楽しませ、感動させる。最後には主人公2人のことが好きになってくる、そんな仕上がりに なったと信じています。

原作者・羽野ゆずさんコメント

「青春時代に戻りたいか?」と問われたら、迷わず「ノー」と答えるでしょう。それは、あまりに自己中心的で、無駄にエネルギー消費が多く、思い返すと悶絶したくなることばかりでした。
あのときこうしておけば――。もっと上手くやれたのに――。後悔を未だに抱えながら、もう二度と戻れないという現実に、心からの安堵と、少しの寂しさを覚えるのです。
『階段下~』は、私の散々な青春の復讐心から生まれました。大好きな「日常ミステリ」と「学園ラブコメ」の要素を、我がままに同じ割合で詰め込みました。両要素とも妥協なしの100%で!
映像化の話をいただいたとき、「まさか!」と思いました。
正直嬉しさより戸惑いの方が大きかったのですが、映画制作に関して無知だった私に、監督は逐一丁寧に解説してくださり、第一稿の脚本を見せてくれました。読了した瞬間、「最高!」と全力で喜ぶ一読者になっていました。どうぞご期待ください。
ウェブの片隅でひっそり掲載していた小説を発見してくれて、感謝しています。制作関係者の皆様も本当にありがとうございました

映画監督(『向こうの家』など)・西川達郎さん応援コメント

『階段下は××する場所である』は、学園ミステリーの魅力に溢れた作品だ!
ミステリーとはいっても、決して大きな事件は起こらない。
男子が作ったたんこぶ、机の下に貼られた手紙、誰かの噂話、そういった些細なあれこれが
『階段下は××する場所である』では、たちまち推理すべき謎に変わる。
ここが学園ミステリーの、やっかいで楽しいところだ。

このワクワクする謎解きの入り口を、あくまでも淡々とした日常の中で描くのだから神谷監督は実はとても野心的だ。

ところで学園ミステリーといえば、探偵が一番頭を悩ますのが恋の謎だ。
どんな難事件を解決する名探偵でも、恋の謎は難しいらしい。
だから当然、作品最大の謎は、ヒロインの雷宮先輩その人自身なのだけど、
今のところ魅力的なヒロインの条件とは美しい髪だな、という事以外にヒントがない。
これだから学園ミステリーはやっかいで、そしてやっぱり楽しい。

 ポスターは、黄色の背景に描かれた校舎内の線画に光・日向の写真と小説の文章が組み合わされた二次元と実写の融合を象徴したデザインとなっており、作品の世界をより明快に伝えています。

 インディーズ作品でライトノベルを映画化するという異色の試みとなる映画『階段下は××する場所である』。神谷正智監督をはじめとする制作陣の意欲を感じさせるこの作品は、9月11日(土)より池袋シネマ・ロサにて上映されます。

『階段下は××する場所である』あらすじ

先輩。謎はすべて解けました。学校×事件×恋愛の不思議ムービー!
雷宮光(らいきゅうひかる)は雨の日に傘を貸してくれた後輩男子の水無月日向(みなづきひなた)に一目惚れする。光が日向を追いかけ回している最中に悲鳴を聞く。二人が駆けつけると男子生徒二人が階段下と踊り場で倒れていた。目撃者はおらず、二人の男子生徒も起こった出来事を語ろうとしない。光と日向は事件の真相を解き明かそうとする。
【『階段下は××する場所である』予告編】
『階段下は××する場所である』ポスター

階段下は××する場所である

  • 出演:平岡かなみ 安慶名晃規 河野知美 藤入鹿 杉尾優香 小松樹知 中村優里

  • 監督・編集:神谷正智
  • 原作:羽野ゆず「階段下は××する場所である」
  • 制作・脚本:神谷正智/神谷正倫
  • プロデューサー:佐藤哲哉
  • 撮影:山田笑子
  • 録音:小牧将人/弥栄裕樹
  • 照明:柴田裕哉
  • 宣伝:菱木仁/若生俊亮
  • チラシデザイン:izumi chan

  • 2021年/カラー/DCP/91分

2021年9月11日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開

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