幅広いジャンルの作品を手掛ける山本俊輔監督がエロティシズムを追求して制作する短編映画『PINK&BLUE』(仮題)のヒロイン役オーディションが実施されます。
山本俊輔監督は、自主制作の16mm長編映画『殺し屋たちの挽歌』(2003年)がアメリカのロードアイランド国際ホラー映画祭で観客賞を受賞したのをはじめ韓国・プチョン国際ファンタスティック映画祭など各国の映画祭で高評価を獲得。国際的に活躍する谷垣健治さんがアクション監督をつとめた『カクトウ便 Vol.3「そして、世界の終わり」』(2007年)で劇場監督デビューして以降、人気グラビアアイドル主演の『女神戦隊ヴィーナスファイブ』(2009年)、エロティック・バイオレンスドラマ『愛に渇く thirst for love』(2015年)などさまざまなジャンルの作品を監督するほか、氣志團の綾小路翔さん企画・原案のショートムービー『木更津グラフィティ』シリーズ(2010年)や松坂桃李さん主演の配信ドラマ「DEATH GAME PARK」(2010年)などで脚本家としても活躍。小説版「デス・ゲーム・パーク」や国産刑事&アクションドラマの研究書を執筆するなど、多岐にわたる活動を見せています。
その山本監督が今回制作する『PINK&BLUE』(仮)は、映画監督の男が新作映画の製作費を稼ぐため「流出映像」を装った映像を恋人である女優を相手に撮影していくという、主観映像(POV)の手法で描かれるフェイク・ドキュメンタリーのエロティックなヒューマンドラマ。30分程度の短編として制作され、完成後は国内外の映画祭への出品やミニシアターでの上映が予定されています。
山本監督はこの作品で描きたいものとして「女性の強さ、たくましさ」「男の弱さ、かわいらしさ」「村上龍や山田詠美の作品のような純文学的な世界観」、そして『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972年・伊,仏/ベルナルド・ベルトリッチ監督)と『愛のコリーダ』(1976年・仏,日/大島渚監督)のような「映画ならではのエロス」、さらに“アドリブで紡ぎだすリアルな人間関係」を挙げています。
この作品の制作に向け、ヒロイン役の女優のオーディションがおこなわれます。
ヒロインは20代〜30代でホステスのアルバイトもしている舞台女優という設定で、劇中ではヌードシーンやベッドシーンもあり。18歳以上で30代くらいまでの女性が対象となっています。
オーディションはメールによりエントリーを受け付け、書類選考ののちに面談(※場合によってはリモート面談となる可能性もあり)でのオーディションがおこなわれます。
メールでのエントリーはすでに始まっており、締め切りは7月26日(月)の23時59分。
募集の詳細、現在予定されている撮影概要などは、山本監督率いるショットガンフィルムの情報ブログで告知されています。
山本監督が、オーディションで選ばれる女優とともにどんな刺激的な作品を生み出していくのか、オーディションに興味を持った方々だけでなく、映画ファンも『PINK&BLUE』の今後の進展に注目です。
→オーディション応募詳細はこちら
山本俊輔監督メッセージ
タイトルの『PINK』はピンク映画(成人映画)、『BLUE』はブルーフィルム(AV誕生以前に8ミリフィルムで撮られた性的映像)を表しており、私なりのエロティシズムを追求したいと考え、この映画を企画しました。
美しく魅力的なエロスを表現するには、個性的で度胸のある女優さんの存在が不可欠です。
ヒロイン役で自分の魅力をスクリーンに叩きつけたいと思っている方は、是非ご応募ください。
ヌードや濡れ場を恐れず、監督である私と「共犯関係」を築いてくれる女優を求めます。
是非、斬新な作品を一緒に作りましょう!
『PINK&BLUE』(仮)ストーリー
映画監督の『私』(※山本監督自演)はいつも金に困っており、恋人である女優『カノ』のヒモのような生活が続いていた。この状況を脱したいとは思うが新しい映画を撮る気力もわかず、自分の才能に限界を感じている。
そんな中、『私』は新しい映画の製作費を稼ぐために、自分とカノのセックスを自画撮りし、流出作品として販売しようという計画を立てる。
カノは最初は難色を示したが、恋人である監督への同情と、彼の才能と可能性に賭けてみようという気持ちで、出演を承諾する。
そして、行為の撮影が始まる。しかし、二人の愛の営みはどこまでも気だるく、猥褻な雰囲気が出ない。自分が人生を賭けようと思った男がさらけ出した弱さや醜さ、情けなさを目の当たりにして、葛藤するカノ。
しかし、撮影が上手く行かず苛立つ『私』とは対照的に全てを脱ぎ捨てたカノはある意思を固めようとしていた。それは、『私』との関係を清算すること。これは彼女にとっての別れのセックスだったのだ。
別れを切り出したカノに対し動揺する『私』。そして二人のやりとりは、思いもかけぬ方向に……。