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芥川賞候補となった萩原葉子作『天上の花』が56年を経て片嶋一貴監督のメガホンで映画化

 詩人・萩原朔太郎の長女・萩原葉子による小説『天上の花―三好達治抄―』が、発表から56年を経て片嶋一貴監督のメガホンで映画化されることが発表されました。

記事写真

『天上の花―三好達治抄―』撮影時オフショット

 1966年に発表された原作「天上の花―三好達治抄―」は、萩原朔太郎の長女である著者が、実際に交流のあった詩人・三好達治を描いた小説。さまざまな運命の果てに夫婦となった三好達治と朔太郎の妹・慶子の、愛憎の行く末が描かれていきます。

 当時、芥川賞候補作ともなったこの作品が、56年の年月を経て精鋭スタッフにより映画化されます。

 脚本は、第25回新人シナリオコンクール特別賞大伴昌司賞を受賞した五藤さや香さんと、数多くの作品で脚本を手がけ『火口のふたり』(2019年)では脚本に加え監督もつとめた荒井晴彦さんが共同で担当。

 メガホンをとるのは、衝撃作『アジアの純真』(2009年)や上映時間4時間超の異色作『いぬむこいり』(2016年)、ドキュメンタリー『M/村西とおる狂熱の日々』(2018年)などを監督するほか『戦争と一人の女』(2011年/井上淳一監督)などで府色デューサーとしても活躍する片嶋一貴監督。

 プロデューサーは『戦争と一人の女』などの寺脇研さんと、函館イルミナシオン映画祭運営などに携わる小林三四郎さんがつとめています。

 映画版『天上の花』は片嶋監督率いるドッグシュガーが製作プロダクションとなり、11月1日に新潟県柏崎市でクランクインし、同月16日に最終ロケ地である群馬県安中市でクランクアップしており、今後ポストプロダクションなどを経て、2022年初冬に太秦の配給により公開が予定されています。

 タイトルである「天上の花」は、彼岸花の別名である曼殊沙華が仏教において天上の花とされることに由来しています。花の鮮やかな赤から「情熱」の花言葉を持ち、また有毒植物としても知られる曼殊沙華=彼岸花。映画『天上の花 三好達治抄 』も、情熱と毒を持った作品となることが期待されます。

 出演者や公開劇場は後日発表予定。今後の情報にも注目です。

『天上の花―三好達治抄―』ストーリー

萩原朔太郎を師と仰ぐ三好達治は朔太郎の美貌の末妹・慶子と結ばれることを望むが、貧乏書生と罵られ拒絶される。しかし、十数年後、慶子が夫と死別すると、三好は妻子と離縁して、慶子と結婚。時は太平洋戦争の真っ只中、越前三国に疎開した二人には、過酷な生活が待ち受けていた。三好は純粋な文学的志向と潔癖な人生観の持ち主であり、奔放な慶子に対して、一途な愛と憎しみが、いつの日か激情とともに、制御できなくなってゆく。

天上の花―三好達治抄―

  • 原作:萩原葉子
  • 脚本:五藤さや香・荒井晴彦
  • プロデューサー:寺脇研・小林三四郎
  • 監督:片嶋一貴
  • 製作プロダクション:ドッグシュガー
  • 配給:太秦

2022年初冬 公開予定

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