日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧1978年の映画少年を演じた上村侑さん、8ミリは「エモい」 『Single8』先行上映会舞台あいさつ

1978年の映画少年を演じた上村侑さん、8ミリは「エモい」 『Single8』先行上映会舞台あいさつ

記事メイン写真

舞台あいさつをおこなった小中和哉監督、上村侑さん、桑山隆太さん(WATWING)。(左より)
※画像をクリックすると大きく表示します

 SF・ファンタジー作品や平成ウルトラマンシリーズで知られる小中和哉監督の自伝的青春映画『Single8』(2023年3月18日公開)の先行上映会が12月21日に渋谷のユーロライブで開催され、主演の上村侑さん、ダンス&ボーカルグループ・WATWING(ワトウィン)のメンバーで共演の桑山隆太さん、小中監督が舞台あいさつをおこないました。

 『Single8』は、監督デビュー作『星空のむこうの国』(1985年)以降、数々のSF・ファンタジー作品を送り出し、テレビシリーズ「ウルトラマンダイナ」や劇場映画『ULTRAMAN』(2004年)など「平成ウルトラマンシリーズ」で監督をつとめてきた小中和哉監督が、自らの高校生時代をもとに脚本も手掛けたオリジナル作品。世界中を熱狂させた『スター・ウォーズ』が日本で公開された1978年を舞台に、映画好きの高校生・広志が『スター・ウォーズ』に影響されて友人たちとともに8ミリでの得撮映画制作に挑戦する青春グラフィティとなっています。

 誰もが気軽に動画撮影をできる現在と違って8ミリフィルムがアマチュアが映像を作るほぼ唯一の手段だった時代の高校生を演じてもらうにあたり「気持ちは一緒じゃないかなと思って」役作りはキャスト陣に任せた部分が多かったという小中監督。
 広志を演じた上村侑さんは、撮影前に小中監督が実際に高校時代に8ミリで撮った自主映画や学校行事の映像を見て「あまり高校生のノリみたいなものは変わっていないんじゃないかな」と感じたため、昔だということを意識しすぎないように役作りしたと振り返り、広志の映画作りを手伝う友人・佐々木を演じた桑山隆太さんは「変に意識することはなかったんですけど、時代背景みたいなちょっと意識しつつ」役作りをしたと話しました。
 また上村さんは、小中監督の高校時代の8ミリの映像を見た印象を「今風に言うと、むしろいまよりエモい。“8ミリ、エモい”みたいなところはありました」と表現しました。

コメント写真

自らの青春時代を映画化した小中和哉監督

コメント写真

主人公の高校3年生・広志を演じた上村侑さん

コメント写真

広志の友人・佐々木を演じた桑山隆太さん(WATWING)

 『Single8』では、広志たちが8ミリで制作する劇中映画のシーンは実際に8ミリフィルムで撮影されており、上村さんは「ぼくがここでひとつ言いたいのは、あの現場で一番はしゃいでいたのは監督です」と、監督はじめスタッフが8ミリでの撮影に興奮していたと現場の様子を紹介。
 「ぼくら置いていかれていました」という上村さんに桑山さんも「ついていけなかったです、あの熱量に(笑)」と同意し、小中監督自身も「ぼくらも40年ぶりくらいになるのかな。8ミリで撮って、繋いで、映写してってね、過去の再現なんで、そういう意味ではめちゃめちゃエモかったです」と、久々の8ミリ撮影を回想しました。

 さらに上村さんは「8ミリフィルムに触れたのも初めてでしたし、編集とかも、いまじゃ簡単にパンパンパンって切ってできますけど、やっぱり1コマ1コマ見て、ここがカットで編集点だってやって、それを全部まとめて見たときにちゃんと作品になっているというのが、ぼくの中ではいまのデジタルのものより感動する部分があったし」と初めての8ミリ体験を語るとともに、8ミリでの撮影では「一発で決めないとという緊張感は、いま(=現代の通常の作品の撮影)はないなって」と、普段の撮影では感じないフィルム撮影ならではの緊張があったと告白。
 小中監督は「いまは昔以上にフィルムがめちゃめちゃ高くなっているので、2回3回は撮りたくないという想いがスタッフ側にはものすごく熱くあって(笑)」と説明するとともに「でも、これはこの現場特有のものではなくて、フィルムで撮っていた時代は役者さんはみんな持っていたんですよ。それが再現できたというのは、ぼくらからするとちょっと面白い現場だった」と話しました。

記事メイン写真

トーク中の小中和哉監督、上村侑さん、桑山隆太さん(左より)

 広志と佐々木に、映画を手伝うもうひとりの友人で桑山さんと同じくWATWINGのメンバー・福澤希空(ふくざわ・のあ)さんが演じた喜男を加えた、男子3人それぞれのキャラクターも『Single8』の見どころのひとつ。
 桑山さんは、演じた佐々木が3人の中で一番映画に詳しいという設定のため「“ハイスピード撮影”とか“リバース撮影”とか、そういう単語があるじゃないですか。それを1個1個調べないとわからないから、それは大変でした」と、演じたキャラクターゆえの苦労もあったとコメント。
 小中監督が「みんな地で行っていた感は強かったなとぼくは思っている」と話すと、上村さんも、撮影自体が映画を作る過程のメイキングを撮るような感覚があったため「わりと素の部分もあったんじゃないかな」と答えました。

 また、劇中では風の音が強くて佐々木たちの呼び止める声が聞こえず喜男が歩いていってしまうシーンがあり、小中監督はそのシーンは喜男役の福澤さんが実際に声が聞こえず歩いていってしまったのをそのまま活かしたと話しましたが、ここで桑山さんが「あれ実は、あとあと聞くと“聞こえてた”って言うんですよ」と、実は福澤さんがほかのキャストのリアクションを引き出すのを狙って聞こえないふりをしていたという、監督たちも知らなかった事実を明かし、体調不良でこの日の舞台あいさつは欠席となった福澤さんの名優ぶりを紹介しました。
 小中監督は、現場のリアクションを活かしたそのシーンに代表されるように「段取りやっちゃうとリアルじゃないじゃない。段取りをやらずに自由にやってカメラもそれに合わせて撮るという、それがこの映画のスタイルだった」と話し、その撮影方法のルーツが、小中監督がセカンドユニット監督として参加した大林宣彦監督の『青春デンデケデケデケ』(1992年)にあると解説。大林監督が段取りなしの俳優の演技を3台の16ミリカメラで同時に撮影し膨大なフィルムを編集するという手法を使った同作品が「見たことないような臨場感の映画になったんです」と話し「それをぼくなりに再現したのがこの映画だったんです」と説明し、上村さんと桑山さんも撮影の仕方が「面白かった」と感想を述べました。

記事写真

『Single8』より。左より、福澤希空さん演じる喜男、上村侑さん演じる主人公・広志、桑山隆太さん演じる佐々木、髙石あかりさん演じる夏美

 上村さんは、撮影中に監督に8ミリフィルムに関して質問すると聞いていないようなことまで熱を持って説明してくれたと現場の様子を話し「ほんと監督が映画が好きなんだなっていうのは、マジでこの映画を観てもらえれば伝わるなと思います」とコメント。今回の撮影は「8ミリフィルムに初めて触れて面白かったというのと、監督たちおじさんたちの元気な姿が見られるいい現場だったなって(笑)」と、笑いも交えて振り返りました。
 桑山さんは、作品について「いまだとなかなか見られない映画というか、撮り方もそうですし、内容とかも、やっぱり昭和の時代の映画なので、懐かしみだったり親しみを持って観やすい作品だと思うので、これから広げて、もっとたくさんの人に届いたらいいなと思っています」とメッセージを。
 小中監督は「これはすごく個人的な企画だったので、ほんとに小さな規模から始めた作品なんですが、なるべく全国たくさんの劇場で公開させていただきたいと思って頑張っていきますので」と抱負を述べ「みなさんで広げて、育てていっていただきたい、一緒に歩んでいきたい映画ですので、ぜひ応援よろしくお願いします」と呼びかけて舞台あいさつを締めくくり、上村さんは「2023年のナンバーワンエモ映画決定です」と付け加えました。

 小中監督が「ぼくの高校時代にあったような実話をほぼ再現してもらいました」と語る『Single8』は、主演の上村侑さん、WATWINGの福澤希空さんと桑山隆太さん、ヒロイン・夏美を演じる髙石あかりさんという注目の若手俳優陣に加え、川久保拓司さん、北岡龍貴さん、ダンス&ボーカルグループ・lolの佐藤友祐さん、有森也実さんら小中監督作品にゆかりのあるキャストが出演。3月18日土曜日より、渋谷ユーロスペースほかにてロードショー。
 先行上映会は12月22日にも渋谷ユーロライブで開催され、当日券も発売されます。(22日の先行上映会では小中監督のみが上映後あいさつをおこないます)

ティザー画像

Single8

  • 上村侑 髙石あかり 福澤希空(WATWING) 桑山隆太(WATWING)
    川久保拓司 北岡龍貴 佐藤友祐(lol) 有森也実

  • 監督・脚本:小中和哉
  • 音楽:宮﨑道
  • 製作:小中明子(Bear Brothers)/山口幸彦(キングレコード)/関顕嗣(ふればり)
  • 撮影監督:藍河兼一
  • Bカメ・8ミリ協力:今関あきよし
  • 録音:臼井勝
  • 助監督:小原直樹
  • 編集:松木朗
  • 美術:小中和哉
  • 衣装:天野多恵
  • ヘアメイク:岩橋奈都子
  • 特殊視覚効果:泉谷修
  • 製作:「Single8」製作委員会
  • 配給・宣伝:マジックアワー

2023年3月18日(土) ユーロスペース ほかロードショー

スポンサーリンク