日本特撮の伝統を未来につなぐという想いを込めて石井良和監督が製作した『特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦』のアメリカ・カンザスでのワールドプレミア上映と12月９日日本公開が決定、日本公開版ポスターヴィジュアルが解禁されました。

　『特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦』のメガホンをとる石井良和監督は、『トラック野郎』シリーズなどで知られる娯楽映画の巨匠・鈴木則文監督に師事してさまざまな作品に助監督として参加、さらに特撮作品にも携わりテレビシリーズ「ウルトラマンギンガ」（２０１３年）「ウルトラマンギンガＳ」（２０１４年）で監督をつとめた、娯楽と特撮の現場で活躍し続ける監督。

　これまでも自主制作による『ゲームマスター』（２０１６年）やワークショップから生まれた『アタック・オブ・ザ・ジャイアントティーチャー』（２０１９年）などインディペンデントでの映画制作をおこなったきた石井監督が、コロナ禍の中で「混迷の時代にこそ、喜劇と特撮を絡めた娯楽映画で楽しんでもらいたい」「日本特撮の《怪獣着ぐるみ》の伝統を後世に伝えたい」という想いから制作したのが『特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦』です。

　主人公はコロナ禍でリストラされた自称エリートの大木勇造。再就職先のクレイジーな環境で奮闘しながらも恋人に振られ失意の勇造が、世界を揺るがす大事件を前に立ち上がる姿が描かれていきます。

　主演をつとめるのは、自主映画制作ユニット・ルネシネマのメンバーで、ルネシネマ最新作である出演作『とおいらいめい』（大橋隆行監督）も好評公開中の藤田健彦さん。『ゲームマスター』『アタック・オブ・ザ・ジャイアントティーチャー』にも出演してきた藤田さんが、本作で初の主演をつとめます。
　また、ヒロインの玲子役には、アイドルグループ・ＨＫＴ48の元メンバーでグループ卒業後は舞台を中心に女優として活躍し今回が初の映画出演となる草場愛（くさば・まなみ）さん。
　さらに、子役時代に『大巨獣ガッパ』（１９６７年／野口晴康監督）で島の少年・サキを演じたのをはじめ「ウルトラセブン」（１９６７年）などに出演、成長してからも「ウルトラマンティガ」（１９９６年）などに出演する“特撮界のレジェンド”町田政則さんら、個性豊かなキャストが出演しています。

　怪獣に加え、ギャグ、アクション、ミュージカルなど、石井監督の映画人生と映画観が色濃く反映され、特撮ファンはもちろん国や年齢・性別を問わず誰もが楽しめるエンターテイメント作品となっている『特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦』が、９月にアメリカ・カンザス州で開催されるカンザスシティ・アンダーグランド映画祭（The Kansas City Underground film festival）の「くっ○最高！　クールムービーコレクション（"F*ck Yeah" - A collection of cool movies）」でワールドプレミア上映されることが決定（英題『Yuzo the Biggest Battle in Tokyo』）。
　同映画祭のウィリー・エヴァンスディレクターは、ワールドプレミア上映を記念し“『大木勇造』は、当映画祭へ世界中から寄せられきた映画の中でも飛び抜けてクリエイティブな一本です。底抜けにエネルギッシュで、奇想天外な展開に終始爆笑が絶えません!?”と、作品にコメントを贈っています。

　そして、日本国内では、２０２２年12月９日金曜日より池袋HUMAXシネマズで劇場公開されることが決定しました。

　解禁された日本公開版ポスタービジュアルは、巨大怪獣をバックにブルース・リーを思わせるトラックスーツに身を包んだ大木勇造がポーズを決め、作品タイトルが往年の日本映画のタイトル風書体で書かれた、作品への期待を高めるものになっています。

　いまの時代に必要なものをエンターテイメントのかたちで届ける『特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦』。公開に向け、今後の情報にも注目です。

『特撮喜劇 大木勇造 人生最大の決戦』ストーリー

2020年、世界は新型コロナウイルスの脅威に晒された。その影響は人々の健康のみならず経済へも波及し、リモート生活を満喫していた自称エリートの大木勇造はリストラされてしまう。
慌てて再就職したものの、勇造を待っていたのは銭ゲバ社長を筆頭に、ブルース・リー信者のフィットネス講師や廃品回収とは名ばかりの粗大ゴミ泥棒、ギャンブル狂の営業担当や着ぐるみの中に引きこもる男など、社会の底辺に限りなく近い場所を這いずるクレイジーな面々ばかり。
そんな職場にもめげずにがんばる勇造だったが、身勝手な彼らに振り回されたあげく、最愛の恋人・玲子にもフラれてしまいヤケを起こす。
ところが、突如として出現した巨大怪獣によって街は大混乱に陥ってしまう……！
失意のどん底に叩き落とされていた勇造が今、立ち上がる。