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自ら企画した作品の公開に新井秀幸さん「感謝の気持ちでここに」 『めためた』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった出演者と監督。後列左より、鈴木宏侑(すずき・こうすけ)監督、新井秀幸さん、柳谷一成さん、野呂健一さん。前列左より、橋本つむぎさん、錫木うりさん、金谷真由美さん、池内明世さん。新井さんは劇中と同じ衣裳で登壇
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 既存の映画製作の枠にとらわれない自由で実験的なスタイルで制作された長編映画『めためた』が11月25日に東京・渋谷のユーロスペースで初日を迎え、主演の新井秀幸さんら出演者と鈴木宏侑監督が舞台あいさつをおこないました。

 スタッフや俳優などとしても映画に携わってきた鈴木宏侑監督の長編デビュー作となる『めためた』は、スランプ中の作家とその元・彼女、いなくなった父を待つ女性とその妹・母、仲が良いが子どもができない夫婦、3つのエピソードを描いていく群像劇。
 鈴木監督と脚本も手がけた新井秀幸さんがふたりで企画した作品で、大まかな設定だけを決めた即興の演技を撮影し、追加撮影や編集などを経て1本の長編映画として完成させるという実験的な手法で制作されています。

 鈴木監督は、下北沢のファミリーレストランで出演者のオーディションするところから始まったと振り返り「それがこういうかたちでみなさんに観てもらえるということは、大変、嬉しいです」とあいさつ。作品について「どれだけ自分の枠の外側に行きながら映画を広げていくかということに挑戦した作品です。ぜひ観ていってください」と話しました。

 鈴木監督とともに企画を立ち上げ、作家の荒木を演じた新井さんは、この映画が「自分のやりたいことをとことん貫いて」作った作品だと話し「そのわがままに付き合ってくれた監督とキャスト、スタッフの方々とお客さんに感謝の気持ちでここに立っています。映画を楽しんでいただけたら嬉しいです」と、劇場公開を迎えた心境を述べました。

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これが長編デビュー作となる鈴木宏侑監督

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スランプ中の作家・荒木を演じた新井秀幸さん

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イラストレイターの鈴村を演じた錫木うりさん

 イラストレーターの鈴村を演じた錫木うりさんは、即興演技での撮影について「すごく挑戦的で実験的で、ほかの現場では味わえないことなのかなと思っています」と感想を述べ「いま、映画館離れで、サブスクとか配信サービスがある中で、まだまだ無名の俳優たちの映画にこれだけのお客さまが来ていただけているということに、すごく感動しています」と、来場の観客のみなさんに感謝。

 父を待つ女性・つくしを演じた橋本つむぎさんは、最初は俳優陣は即興による撮影とは知らず「みんなノコノコと参加しまして、えらいことになったと(笑)」と撮影当時の率直な気持ちも覗かせつつ「楽しくは撮りましたけど、こういうふうにユーロスペースというところで公開されるとは思っていなかったので、すごく光栄に思います。こういう実験的な映画が歴史のあるミニシアターで上映されるというのは、すごいことだと思うので、嬉しいです」とコメント。

 つくしの彼氏・柳家仁を演じた柳谷一成さんは「参加した時点では映画が上映されるとは思っていなくてですね、今日この日を迎えてほんと感激しております」と話すとともに「“ジャッキー・チェン”と“カクヤス”というワードが映画内に出出てきますので、楽しみにしておいてもらえたらと思います」と、出演シーンについて話しました。

 つくしの母親・ミツ子を演じた金谷真由美さんは、オーディションの場所がファミリーレストランで面接だけかと思っていたら「みんなハンバーグとか食べているのに“激しい芝居をしてください”と言われて、ドリンクバー飲みながらお芝居させていただいたのがすごい印象に残っております(笑)」というエピソードで場内の笑いを誘いつつ「そのときは正直、ここに来たのは失敗したなと思ったんですけど(笑)、ユーロまで連れてきていただいて、感謝しております」と、公開を迎えての心境を述べました。

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父を待つ女性・つくしを演じた橋本つむぎさん

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つくしの彼氏・柳家仁を演じた柳谷一成さん

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つくしの母・ミツ子を演じた金谷真由美さん

 つくしの妹・サチ子を演じた池内明世さんは「いつも映画とかドラマを観るとき“この登場人物は愛せるな”とか、けっこうあるんですけど、この映画を観て、初めてどの登場人物に対しても怒りじゃないけどなんか独特の感情を抱いて」と、作品の独特さを語り「その人の心理状況とかによってそれぞれ捉え方が変わってくる作品だなと。映画は大体そうだと思うんですけど、特に(『めためた』は)その日の自分の心理状態がわかる映画だなと思っています」と感想を。

 ミツ子が通うジムのトレーナー・野比健二を演じた野呂健一さんは「新井さんは脚本と言っていますけど、影の監督みたいな感じで、ふたり監督がいる感じで、いつもケンカしていて」と現場の様子を紹介。現場で「お父さんとお母さんがケンカしている子どもの気分」だったという野呂さんの言葉に、鈴木監督は笑いながら「ケンカしているというか、ぼくが怒られているんですよね、基本的には(笑)」と話し、野呂さんはさらに「それ(=監督と新井さんの現場でのやりとり)も演技なのかなとか思ったりもして」と、現場の空気を感じさせました。

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つくしの妹・サチ子を演じた池内明世さん

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トレーナーの野比健二を演じた野呂健一さん

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野呂健一さんのコメントに笑う鈴木宏侑監督と新井秀幸さん

 最後に鈴木監督は「ぼくたちはこの映画で終わりではなくて、またそれぞれにいろいろな活動を続けていくので、みなさんの忌憚なき意見を聞かせていただけたら、ぼくたちの創作の糧になるので、SNSやなにかで、いいことも悪いことも言っていただけたらありがたいです」と、舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、和座彩さん、鍛代良さん、久保田翔さんらが出演する『めためた』は、11月25日より渋谷のユーロスペースにて2週間にわたり上映。昨年開催の第23回TAMA NEW WAVEある視点部門で上映されたモノクロバージョンとは異なる、カラーの最新バージョンとなっています。
 また、上映期間中は、ゲストを迎えてのトークイベントも開催されます。

作品ポスター

めためた

  • 監督:鈴木宏侑
  • 脚本:新井秀幸
  • 出演:新井秀幸 和座彩 錫木うり 橋本つむぎ 柳谷一成 金谷真由美 池内明世 野呂健一 鍛代良 久保田翔 萩原正道 大城義弘 河北琴音 石田健太
  • 企画・製作・配給:マーブルダンス/新井秀幸/鈴木宏侑

2023年11月25日(土)より ユーロスペースにてレイトショー

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