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新人・清水友翔監督が岐阜を舞台に描く初長編『僕の中に咲く花火』で安部伊織さんが映画初主演

 アメリカで映画を学んだ新人・清水友翔監督の初長編で俳優・安部伊織さんが映画初主演をつとめる『僕の中に咲く花火』の制作が発表されました。加藤雅也さん、葵うたのさん、角心菜さん、佐藤菜奈子さんらが共演し、2024年夏の公開を目指してオール岐阜ロケで撮影がおこなわれます。

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 『僕の中に咲く花火』は“「自殺」に悩む人をひとりでも救いたい”という願いが込められた作品で、岐阜に住む18歳の少年・大倉稔が主人公。周囲に心を閉ざしていた稔がある事件をきっかけに心を開きはじめ、有限な時間に生きる理不尽さや彼を取り囲む自然さえいつかは消え去るという儚さを知ることで、死への恐怖を受け入れいまを生きることを決意する姿を描く青春映画となっています。

 キャストには、オーディションで選ばれた期待の若手俳優陣が揃いました。
 主人公・大倉稔を演じるのは、映画『バイオレンスアクション』(2022年/瑠東東一郎監督)ドラマ「サブスク彼女」や数々の有名アーティストのミュージックビデオなどに出演し、これが映画初主演となる安部伊織(あべ・いおり)さん。
 ヒロインの水石朱里(みずいし・じゅり)役には、ミスマガジン2020ファイナリストでドラマ「ガールガンレディ」や映画『レッドブリッジ』『レッドブリッジ ビギニング』(2022年/山嵜晋平監督)などに出演する葵うたのさん。
 稔の妹・鈴(すず)役に゙、モデル・女優として活躍し、初主演作『ブルーを笑えるその日まで』(2022年/武田かりん監督)の公開も控える角心菜(すみ・ここな)さん。
 稔の後輩・大川ナツハ役には、子役から活躍し、Netflix配信ドラマ「君に届け」などドラマや舞台、CMとマルチに活動する佐藤菜奈子さん。

 さらに、日本のみならず海外の作品にも多数出演し、出演作『カムイのうた』(菅原浩志監督)も控える名優・加藤雅也さんが、監督のオファーに応えて主人公・稔の父親・剛(つよし)役で出演、若いキャストを支えます。

 メガホンをとるのは、映画の舞台である岐阜出身の清水友翔(しみず・ゆうと)監督。高校を中退し17歳でアメリカ・ロサンゼルスに渡って映画学を学び、20歳で監督した短編ホラー『The Soloist』(邦題『独奏霊』・2021年)がJapan Film Festival Los Angeles 2022のBest J.Horror Awardを獲得。ハリウッドで受賞経験を持つ日本人最年少監督となり、今後ハリウッドと日本の架け橋になるであろう次世代監督です。
 初長編作となる本作『僕の中に咲く花火』では、出身地である岐阜を舞台に、自身の経験をもとにしたオリジナル脚本を執筆。優しさや気遣いのために自分を犠牲にしようとする人たちの心に寄り添えるような作品をという想いを込めた物語を生み出しました。

 そして、清水監督と同じくアメリカで映画を学んだ経験を持ち、長編『太秦ライムライト』(2013年)や短編『ストレンジ』(2022年)などの監督作を送り出してきた映画監督・落合賢さんがプロデューサーをつとめています。

 制作決定にあたり、主演の安部さんはじめ出演者5人と清水監督、落合プロデューサーは次のようにコメントを発表しています。

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主人公・大倉稔役:安部伊織さんコメント

主演を務めます 安部伊織と申します。
今作では 田舎の男子高校生「大倉稔」を演じます。
稔はとても繊細でかつ突拍子もないような大胆な一面も持ち合わせる子です。
18歳特有のやさしさや、危うい雰囲気を表現したいと思います。
母親の死が原因で歪み始めた家族に思い悩む稔の物語と、一夏を通して変化していく彼の死生観 を描いた作品です。
最終オーディションを受ける際 初めて脚本を読みました。とてもリアルで繊細で、そして清水監督の強い思いが込められているのを感じました。 大切な人の死を受け入れる。そして“生きていくしかない”ということことに気づく。その苦悩を感じたことのある全ての方にとって深く刺さる作品になると確信しています。必ず素敵な作品にして皆さんにお届けします。
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主人公・稔の父・大倉剛役:加藤雅也さんコメント

清水監督とは友人のパーティーで出会いました。 アメリカで映画作りの勉強をしていることを伺い、映画の話題でとても盛り上がりました。 監督がアメリカに帰る前にもう一度会い、映画の話題を中心にたくさん話しをしました。 話しの随所に映画への愛と情熱を強く感じました。 「日本に戻ってきた時には会いましょう!」と約束をして別れたのですが、しばらくして監督から近く日本に行くと連絡がありました。 そして嬉しい報告を受けました。
「日本で映画を撮る」というのです。
そして僕に「主人公の父親を演じてほしい」と。 映画について語り合い、監督の情熱を感じている僕の気持ちは“YES”でした。 パーティーで近くの席に座ったことから始まったこのご縁に感謝し、監督の初長編映画に貢献できるように頑張ります。
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ヒロイン・水石朱里役:葵うたのさんコメント

底知れぬ孤独と絶望に精一杯寄り添い、生きる為に身についた、強さと弱さ、厳しさと優しさ。 彼女の持つ、裏と表を繊細に演じれたらと思います。
街の景色や匂い、人々、感情との出会いをしっかり感じたいです。 携わっている人々がもたらす、映画制作へのパワーを、すでにひしひしと感じています。
エモーショナルなロケーションも、とても楽しみです。わくわくしています。
是非、お楽しみに。
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主人公・稔の妹・大倉鈴役: 角心菜さんコメント

大倉鈴役を演じさせていただきます角 心菜です。 鈴は母を亡くしてからいつも寂しそうで誰にも甘えることができなくなってしまった女の子です。
今まで演じたことのない難しい役柄なので少し不安もありますが、新たな自分に出会えること、 チャレンジできることがとても楽しみです。監督とたくさん話し合って大切に演じたいと思います。
生と死はかけ離れているようで、実は壁一枚を隔てただけのすぐ隣にあるものなのかも知れないと私自身とても考えさせられました。
他人事ではなく身近な問題として、この作品が沢山の方に届き、愛の輪が広がっていくことを願っています。
応援よろしくお願い致します。
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主人公・稔の後輩・大川ナツハ役:佐藤菜奈子さんコメント

大川ナツハを演じさせていただく佐藤菜奈子です。
誰でも大切な人の死を経験することがあると思いますが、どう向き合うか、その先の人生をどう生きるかは、人それぞれ自由でいいと思っています。
ですが、家族や友人には話せないことも、たまたま居合わせた見知らぬ人になら話せる時があるように、この作品が、今なにか、わだかまりを感じている人にとって、ちらっと本音を吐き出せるような存在になってくれたら嬉しいです。私もナツハとしてその一部になれるよう頑張ります!

監督・脚本:清水友翔監督コメント

記事写真 今作で描くものは「自殺」です。
自殺というものは言い換えると「自己犠牲」という一つの優しさであり、社会や環境への気遣いから、自分を犠牲にするという一つの尊い決断です。僕はそういった人たちの心に寄り添いつつも、そっと視野を広くさせ、彼らの環境を映画の中で作りたいと心から思っております。そして、彼らは本気で生きているからこそ、死と向き合っているのです。
そんな純粋無垢で心優しい彼らの気持ちを汲みとり、彼らがこの映画を「お守り」として残りの人生で生きる糧として思っていただけるような作品を撮ります。僕が温かい環境に出会いない人々に「映画」というツールで寄り添います。
僕自身もまた、22歳になった今でも死の概念を受け入れられません。いつか自分がこの世界から消えてしまうという恐怖、死後私たちはどこへいくのかという最大の疑問と、今どう生きなければいけないのかという課題があります。私たちの私生活には常に死が身近にあり、意外とあっさり身の周りの大切な人を失ってしまうことでしょう。そして、それに対して長期に渡り心に深い傷を負う人もいることでしょう。僕はそんな死に対して苦しみを患うすべての人にこの作品を届けます。

落合賢プロデューサーコメント

記事写真 清水監督はハリウッドで映画作りを学ぶ中で、自分の半生を描いた私小説のような脚本「僕の中に咲く花火」を書き、SNSを通して私にアプローチが届きました。
私も高校を卒業して映画を学ぶために渡米したので、彼に自分を重ねている部分があるのかもしれません。
まだ荒削りだけど、繊細で初々しいストーリーに強く惹かれました。清水監督と会い、彼の純粋で真摯な姿勢にも好印象を感じました。何より「伝えたいメッセージを強く持ち、それを形にするために人を集め、お金を集め、日夜一生懸命になれる23歳が今の日本にどれだけいるのか」と、私は心を強く揺さぶられ、将来日本を代表する映画監督になるであろう清水友翔の第一歩を支えたい、とプロデュースすることを決意しました。

 約100分の作品となる予定の『僕の中に咲く花火』は、8月にクランクイン。約半月にわたり撮影をおこない、2024年夏ごろにインディペンデント映画としての劇場公開を目指すとともに、国内外の映画祭への出品も予定されています。

 また、制作発表に合わせて制作を支援するクラウドファンディングがスタート。支援者へのリターンには、劇場公開に先駆けて本編を鑑賞できる権利や、キャストのサイン入り台本、オリジナルブロマイドなどのほか、飛騨高山の伝統工芸品であるさるの赤ちゃんをかたどった人形「さるぼぼ」の特別版 「『僕の中に咲く花火』オリジナルさるぼぼ」という、ロケ地であり舞台である岐阜にちなんだものも用意されています。
 クラウドファンディングは、豊富な実績を持つプラットフォーム・CAMPFIRE内で、9月30日まで実施されます。
プロジェクトページ

 そして各種SNSもスタートしており、作品の新たな情報を発信していきます。

『僕の中に咲く花火』公式SNSアカウント

 若き新たな才能がフレッシュなキャストたちとともに送る『僕の中で咲く花火』の、今後の情報も楽しみです。

『僕の中に咲く花火』あらすじ

舞台は、美しい自然に囲まれた岐阜。小学校の頃に母親を病気で亡くしている大倉稔(18)は、家族に向き合わない父親と、不登校で引きこもりの妹に頭を悩ませていた。
亡くなった母を十年経った今でも忘れられない稔は、岐阜に訪れていた死者と交流ができると話題の霊媒師と出会い、死後の世界への好奇心から徐々に非行へと走っていく。
周りの温かい人々に支えられながら、いつかは大切なものがすべて消えてしまう恐怖を受け入れ、大切なものと今を生きていくことを学ぶ少年の一夏の物語。

僕の中に咲く花火

  • 安部伊織 加藤雅也 葵うたの 角心菜 佐藤菜奈子 ほか

  • 監督・脚本:清水友翔
  • 監督補:鐘江稔
  • 撮影監督:有近るい
  • カメラオペレーター:山崎裕典
  • 照明:山口峰寛
  • 録音:飴田秀彦
  • 美術監督:山下修侍
  • 衣装:宮本まさ江
  • 現場衣装:加藤愛美
  • ヘア・メイク:奈央
  • 制作担当:中西克之
  • 助監督:石原壮一郎
  • キャスティング:髙野力哉/高橋るり子
  • インティマシーコーディネーター:浅田智穂
  • エグゼクティブプロデューサー:竹内力也
  • プロデューサー:落合賢
  • コープロデューサー:真田静波
  • アソシエイトプロデューサー:佐藤綾佳/公門慧心
  • 制作:ファイアワークスLLP
  • 製作:映画「僕の中に咲く花火」製作委員会(ファイアワークスLLPほか)

  • 上映時間100分予定

2023年8月クランクイン

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