数々の名盤を生み出してきたレコーディングスタジオ・音響ハウスにスポットを当てた音楽ドキュメンタリー『音響ハウス Melody-Go-Round』（相原裕美監督）が、同スタジオの設立50周年を記念して９月16日より１週間にわたり東京・渋谷のユーロスペースでアンコール上映されます。

　映画『音響ハウス Melody-Go-Round』は、東京・銀座に１９７４年に設立された音楽スタジオ・音響ハウスでレコーディングしてきた著名なミュージシャンたちのコメントを通して同スタジオの歴史と魅力をたどるとともに、日本を代表するギタリストでサウンドプロデューサーの佐橋佳幸さんとエンジニアの飯尾芳史さんを中心に映画のためのオリジナル新曲「Melody-Go-Round」が制作される過程を追った音楽ドキュメンタリー。
　自身もレコーディングエンジニア出身である相原裕美（あいはら・ひろみ）監督が自ら企画しメガホンをとっており、音楽が生まれる場の空気を自然に映像に収めています。

　２０２０年10月に公開されロングランを記録し、音楽ファンのみならず映画ファンからも高い支持を集めた『音響ハウス Melody-Go-Round』が、音響ハウスの創立50周年を記念して、公開から３年を経ての再上映が決定しました。

　劇中では、音響ハウスで試行錯誤を繰り返してきた坂本龍一さんが同スタジオでのレコーディングの日々を語っており、また主題歌「Melody-Go-Round」の制作には高橋幸宏さんがドラムで参加。久々となる『音響ハウス Melody-Go-Round』劇場上映は、今年２０２３年に相次いで旅立った偉大な音楽家のコメントや演奏をスクリーンで鑑賞できる機会ともなっています。

　映画の中で音響ハウスについて貴重な証言をしているのはほかに、松任谷由実さん、松任谷正隆さん、佐野元春さん、綾戸智恵さん、矢野顕子さん、鈴木慶一さん、ヴァン・ヘイレンのデイヴィッド・リー・ロスさんら、まさにポップ音楽の歴史に名を刻むミュージシャンたち。
　また、映画主題歌「Melody-Go-Round」には、作詞も担当した大貫妙子さん、葉加瀬太郎さん、井上鑑さん、村上陽一さんら、日本を代表するプレイヤーたちが参加し、ボーカルには制作当時13歳の女性シンガー・HANAさんが起用されています。

　今回のアンコール上映では、音響ハウス50周年を記念し、過去の上映時に一部の劇場で特別映像として上映された、佐橋佳幸さんのギターとHANAさんの歌だけによる「Melody-Go-Round」アコースティック・バージョンも再上映されます。

　長年にわたり魅力的な音楽を生み出してきた音響ハウス。そこでの経験や思い出を語る音楽家たちの証言・談話や、ひとつの楽曲が制作される過程を通して、音楽を作る「場」の力と音楽家ひとりひとりの音楽観が浮かび上がっていく『音響ハウス Melody-Go-Round』は、９月16日土曜日より１週間、渋谷ユーロスペースでアンコール上映されます。