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高円寺シアターバッカスで1月22日より『ホゾを咬む』ロングラン上映決定 髙橋栄一監督特集上映も

 2023年12月の封切り以降、全国順次公開が続いている髙橋栄一監督の初長編『ホゾを咬む』が、1月22日より東京の高円寺シアターバッカスで3ヶ月のロングラン上映されることが発表されました。合わせて髙橋監督の過去作品特集上映もおこなわれます。

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『ホゾを咬む』場面写真。ミネオショウさん演じる主人公・茂木ハジメ(右)と小沢まゆさん演じる妻・茂木ミツ

 インディーズ作品を中心に多彩な役を演じるミネオショウさんが主人公を演じ、近年はプロデューサーとしても活躍する女優・小沢まゆさんが主人公の妻を演じるとともにプロデュースをつとめた『ホゾを咬む』は、会社員の主人公が、見慣れない服装の妻を街で見かけたことをきっかけに妻に疑念を抱き、隠しカメラでの監視や尾行を始めるようになっていくストーリー。
 髙橋栄一監督がASD(=自閉スペクトラム症)グレーゾーンと診断され他人との接し方について考えた自身の経験に着想を得て、独特の切り口で「愛すること」を描いた作品で、モノクロームの映像や独特の間合いが観客を異世界へと誘う”新感覚の日本映画”となっています。

 2023年12月に東京の新宿K's cinemaで公開されたのを皮切りに全国順次公開中の『ホゾを咬む』が、2024年1月22日月曜日より高円寺のシアターバッカスで3ヶ月にわたり上映されます。
 また、ロングラン上映に合わせて髙橋栄一監督の過去作品を一挙上映する特集上映の開催も決定。詳細は未発表ながら、各地の映画祭で受賞・入選し注目を集めている気鋭の映像作家の『ホゾを咬む』に至るまでの「映像の試行」をたどり、髙橋監督の映画美学に触れられる機会となることは必至です。
 さらに、髙橋監督による演技ワークショップを開催し、実習作品として制作される受講者出演の短編作品を特集上映内で上映する企画も進行しています。

 異例のロングラン上映や、特集上映の開催にあたり、髙橋監督、プロデューサー・出演の小沢まゆさん、そしてシアターバッカス支配人の丸山大悟さん、配給協力の映画レーベル「Cinemago」代表の出町光識(でまち・みつのり)さんが、次のようにコメントを発表しています。

『ホゾを咬む』脚本・監督:髙橋栄一監督コメント

記事写真映画監督を目指し、カメラひとつで作品を作り始めたのが14年前。
自分の作家性を探るため、武者修行のように作品を作り続けていました。これまでに制作した監督作は40本以上。常に自分と向き合い、映画と格闘をする毎日でした。2023年、長編劇場デビュー作となった『ホゾを咬む』は、これまでの活動の結果であり、映画監督としての出発点となる作品です。今回の3ヶ月に及ぶ特集上映では、過去短篇作品の併映、カラー版『ホゾを咬む』の特別上映、そして2月に行うWSで制作する新作短篇作品の併映を企画しています。映画監督・髙橋栄一の活動「過去・現在・未来」を、是非観に来てもらいたいです。

『ホゾを咬む』プロデューサー・出演(茂木ミツ役):小沢まゆさんコメント

『ホゾを咬む』の製作過程において、髙橋栄一監督が映画と対峙しながら様々なチャレンジをしている姿を間近で見てきました。吉と出るか凶と出るか、ギリギリのラインで勝負していることもありました。その思考や感覚の先に、または根底に、いったい何があるのかを見てみたい。そう思わせてくれるのが作家・髙橋栄一です。
『ホゾを咬む』はどこにもない映画になりました。何が"どこにもない"のか、是非ご自身の目で確かめてください。
そして、シアターバッカスさん・Cinemagoさんとともに立ち上げた今回のロングラン上映&短編併映企画は、「作家」「映画」「映画館」の可能性を大きく広げる機会になるのではないかと、いち映画ファンとしても期待しております。
記事写真

『ホゾを咬む』場面写真。小沢まゆさん演じるヒロイン・茂木ミツ(左)と、ミネオショウさん演じる茂木ハジメ

高円寺シアターバッカス支配人:丸山大悟さんコメント

シアターバッカス1日の最高動員、186名様。6回上映全ての回でフルハウス。
数多くの短編作品が集まった企画で、大いに活躍したクリエイターたちの中に、髙橋監督の姿がありました。バッカス最大の特徴である「クリエイターとオーディエンスが直接向き合う」という事を本気で目指した企画なので「動員はできたが、ディスカッションの時間が少なくなってしまった」と反省しきりの髙橋監督が印象的でありました。多分髙橋監督は考え続けているのだと思います。スクリーンのこちら側と向こう側、視線のこちら側と向こう側、その両跨ぎの世界をいかに映画としてフィックスするのか、を。表現と経済を包含した「映画」として生まれた『ホゾを咬む』は、その最新の成果物、だと思うのです。

映画レーベル「Cinemago」ディストリビューター:出町光識さんコメント

インディーズ作家と対峙する際、映画監督になる前夜の原石を「如何様に磨きをかけるのか?」というのがディストリビューターとしての仕事。
同志である『ホゾを咬む』の小沢まゆプロデューサーが唯一無二として見出した、髙橋栄一という“才能の原石”を「制作×劇場×配給」という3つの視点から磨き上げ、「作品+1」としての「作家とは如何にあるべきか」における「1」を見立てることです。
3ヶ月という興行に挑む丸山支配人と、才能を見出した小沢プロデューサーが目指す、映画館という“映画が生まれる現場”を目撃して欲しい。

 短期間の上映が一般的な現在、3ヶ月という長期間を初めから決めての上映は極めて意欲的な試みで、新たな作品上映のあり方として注目です。
 また髙橋監督のコメントにあるように、当初はカラー作品を想定して撮影されていた『ホゾを咬む』のカラー版での上映も予定されており、作品を別の角度で鑑賞する機会ともなりそうです。

 高円寺シアターバッカスでのロングラン上映のほか『ホゾを咬む』は、神奈川の横浜シネマ・ジャック&ベティで1月20日土曜日より1週間、兵庫の元町映画館で1月27日土曜日より1週間、それぞれ上映されるなど、各地での上映もおこなわれます。

『ホゾを咬む』上映予定

髙橋栄一監督特集上映記念ワークショップ

  • 日程:2024年2月3日(土)より24日(土)まで、毎週土曜日全4回開催予定
  • 会場:東京・世田谷を予定
  • 詳細は募集ページ(https://cinepu.com/education/wz1EBUxYld_/)をご覧ください
【『ホゾを咬む』予告編】

『ホゾを咬む』あらすじ

不動産会社に勤める茂木ハジメは結婚して数年になる妻のミツと二人暮らしで子供はいない。
ある日ハジメは仕事中に普段とは全く違う格好のミツを街で見かける。帰宅後聞いてみるとミツは一日外出していないと言う。
ミツへの疑念や行動を掴めないことへの苛立ちから、ハジメは家に隠しカメラを設置する。
自分の欲望に真っ直ぐな同僚、職場に現れた風変わりな双子の客など、周囲の人たちによってハジメの心は掻き乱されながらも、自身の監視行動を肯定していく。
ある日、ミツの真相を確かめるべく尾行しようとすると、見知らぬ少年が現れてハジメに付いて来る。そしてついにミツらしき女性が誰かと会う様子を目撃したハジメは...。
ポスター

ホゾを咬む

  • ミネオショウ
    小沢まゆ
    木村知貴 河屋秀俊 福永煌 ミサ リサ 富士たくや
    森田舜 三木美加子 荒岡龍星 河野通晃 I.P.U 菅井玲

  • 脚本・監督・編集:髙橋栄一
  • プロデューサー:小沢まゆ
  • 撮影監督:⻄村博光(JSC)
  • 録音:寒川聖美
  • 美術:中込初音
  • スタイリスト:タカハシハルカ
  • ヘアメイク:草替哉夢
  • 助監督・制作:望月亮佑
  • 音楽:I.P.U
  • 整音・音響効果:小川武
  • 楽曲提供:小川洋
  • 劇中絵画:「生えている」HASE.
  • 宣伝デザイン:菊池仁 田中雅枝
  • 本編タイトルデザイン:山森亜沙美
  • 宣伝写真:moco
  • DCPマスタリング:曽根真弘
  • 製作・配給:second cocoon
  • 配給協力:Cinemago
  • 海外セールス:Third Window Films
  • 文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業

  • 2023年/4:3/モノクロ/DCP/5.1ch/108分

2024年1月22日(月)より高円寺シアターバッカスにてロングラン上映 ほか全国順次公開中

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