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「幸福な装置- 田中晴菜監督特集上映 -」5月にシネマ・ロサで開催 最新作を含む5作品を上映

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「幸福な装置- 田中晴菜監督特集上映 -」ポスター ©2024「田中晴菜監督特集上映」(※クリックで拡大します)

 国内外の映画祭で高い評価を得ている田中晴菜監督の特集上映「幸福な装置- 田中晴菜監督特集上映 -」の開催が決定。最新作『幸福な装置』を含む5作品が5月18日より24日まで東京の池袋シネマ・ロサで1週間レイトショー上映されます。

 田中晴菜監督は会社員として働きつつ多くの映画人を輩出するニューシネマワークショップ・クリエイターコースで映画制作を学び、同校修了後も会社員を続けながら短編・中編作品を制作しています。

 伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2016で審査員奨励賞を受賞したシナリオを自らメガホンをとって映画化した、人形師と不治の病に冒された娘の物語『いきうつし』(2018年)は、愛知で開催されたあいち国際女性映画祭2018短編フィルム部門でグランプリにあたる金のカキツバタ賞を、和歌山で開催されたKisssh-Kissssssh(きしゅ~きしゅ~)映画祭短編映画部門グランプリを、それぞれ受賞し、2019年にはドイツで開催されたハンブルグ日本映画祭で上映。
 傘を通じて人々の記憶が交わる様を描いた『ぬけがら』(2020年)は、2020年にイタリアで開催された第38回トリノ映画祭国際短編コンペティション部門に公式招待されました。

 「人々の記憶・心・世界を拾い集める」ことに真摯に向き合うような作品づくりを続け、2021年には特集上映もおこなわれた田中監督の新たな作品も加えた特集上映開催が決定しました。

 今回の特集上映では『いきうつし』『ぬけがら』に加え、前回の特集上映後の作品で、いずれもワンシーンワンカットの手法で制作された『Shall we love you?』(2022年)『甘露』(2023年)、そして最新作の『幸福な装置』(2024年)の5作品を上映。
 特集上映のタイトルともなっている最新作『幸福な装置』は、広く知られているオスカー・ワイルドの童話「幸福な王子」に着想を得た作品。「幸福な王子」は、高校演劇部を舞台とした『Shall we love you?』でも劇中に登場する台本として扱われており、同じ童話に関連する2作品を一度に鑑賞できるのも今回の特集上映ならではです。

 特集上映開催にあたり制作された予告編は、上映される5作品の映像が組み合わされ、それぞれが特色ある作品でありながら、どこかに一貫する田中監督の作品世界をかんじさせるものになっています。

【「幸福な装置- 田中晴菜監督特集上映 -」予告編】

 特集上映のポスターに書かれているのは「石ころのような幸せも 宝石のような不幸せも その映画監督は拾い続ける」というコピー。
 このフレーズが象徴するような、田中監督の眼差しから生まれた5作品は、5月18日土曜日より24日金曜日まで、東京の池袋シネマ・ロサにてレイトショー上映されます。

場面写真

いきうつし

  • 出演:岡慶悟 笠原千尋
  • 監督・脚本:田中晴菜
  • 撮影・照明:岡田翔
  • 助監督:望月亜実
  • 衣装・ヘアメイク:竹本磨理子(Anita Hair Make Office)

  • 2018年/カラー/30分

『いきうつし』あらすじ

仏師として立ち行かず、見世物小屋の生人形制作で糊口をしのぐ亀八。興行で立ち寄った土地の名士から、不治の病におかされた娘を美しいまま写した人形制作を依頼される。一度も家の外に出たことのない椿と、興行で土地を転々とする亀八、二人は次第に惹かれ合うが、人形の完成が近づくにつれ、椿の身体は動かなくなっていく。
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ぬけがら

  • 出演:長谷川葉生 田中一平 岡慶悟 中島颯一朗
  • 監督・脚本:田中晴菜
  • 撮影:岡田翔
  • 照明:田中銀蔵
  • 録音:岩瀬航
  • 助監督:望月亜実
  • 美術・小道具:吉岡晶
  • 撮影照明助手:野中慎二/貝田祐介

  • 2020年/カラー/15分

『ぬけがら』あらすじ

何かの気配を感じて目覚めた朝、ひばりは庭で蛇のぬけがらを見つける。ひばりの時間はある日から止まったまま、戻りゆく日常を受け入れられずにいた。夫が玄関先に置いて行った弁当を持って家を出るひばり、やがて雨が降り出す。煙草屋の軒先で雨宿りをしていた太一は、ひばりに借りた黄色い傘を媒介に、白昼夢を見る。
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  • Shall we love you?
  • 監督・脚本:田中晴菜
  • 出演:森川錦 今城沙耶 西田奈未
  • 撮影・録音・整音:中島浩一
  • カラリスト・スチール:曽根真弘
  • 音楽:蓑地理一
  • 撮影協力:栃木県立佐野東高等学校

  • 2022年/カラー/7分

『Shall we love you?』あらすじ

放課後、高校の体育館の隅に集まる演劇部の真琴、悠、芽依は、オスカー・ワイルド作「The Happy Prince(幸福な王子)」を翻訳、舞台化しようとしている。3人は各々翻訳してきた台本の読み合わせをしながら、幸せとは何か考える。
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甘露

  • 出演:岡慶悟 田中一平
  • 監督・脚本:田中晴菜
  • 撮影・録音・整音:中島浩一
  • カラリスト:曽根真弘
  • 音楽:蓑地理一

  • 2023年/カラー/11分

『甘露』あらすじ

亡くなった祖父が営んでいた駄菓子屋兼住居を取り壊すことになり、遺品整理をしている秋元大吾のもとに、滅多に実家にも帰って来ない弟の秋元蒼馬が帰ってくる。緊急事態宣言期間中に行われた祖父の葬儀にも蒼馬は参列せず、二人の間には隔たりがあった。蒼馬が幼い頃、店の売り物のカンロを勝手に食べた際、代金が払えない代わりに祖父に渡した「何か」を探している最中、東京にいる蒼馬から電話がかかってくる。
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幸福な装置

  • 出演:星能豊 岡慶悟 清水みさと
  • 監督・脚本:田中晴菜
  • 撮影・録音・整音:中島浩一
  • 音楽:MUSIC for ISOLATION

  • 2024年/カラー/25分

『幸福な装置』あらすじ

生きものが丸切りいなくなって、千年ほど経った星に残された一体のAI。人の心の恐れや痛みを和らげ、祈るために神の似姿として作られた彼は、渡りの途中に立ち寄ったつばめ(スパイ用に作られた長距離高速移動型AI)に出会ったことで、初めて自らの心の輪郭を感じ始める。つばめが去った後、身体を失い、思考回路のある心臓部だけの「小石」のような見た目になっても、彼は過去の記録を反芻し思考し稼働を続けていた。ある日その傍らに、生きている何者かが内包された、生命維持装置カプセル「棺桶」が落ちてくる。
ポスター

幸福な装置- 田中晴菜監督特集上映 -

2024年5月18日(土)より24日(金)まで池袋シネマ・ロサにてレイトショー

  • 『いきうつし』(2018年)
  • 『ぬけがら』(2020年)
  • 『Shall we love you?』(2022年)
  • 『甘露』(2023年)『幸福な装置』(2024年)

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