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大宮浩一監督新作ドキュメンタリー『そして、アイヌ』3月公開 特報と出演者メッセージなど解禁

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『そして、アイヌ』メインヴィジュアル ©大宮映像製作所 (※クリックで拡大します)

 東京・大久保にあるアイヌ料理店「ハルコロ」(※)店主でアイヌ文化アドバイザーである宇佐照代さんの姿から受け継がれる文化や想いを描いていく大宮浩一監督の新作ドキュメンタリー『そして、アイヌ』が2025年3月15日に東京のポレポレ東中野で公開されることが決定し、特報予告編と、宇佐照代さん、大宮監督、出演者である美術作家・奈良美智さんらのメッセージが解禁されました。
※店名「ハルコロ」の「ロ」は、正しくはほかの文字より小さな文字となりますが、表示の制約上、本記事では大きな文字で表記しています。

 介護の現場での人と人の関わりを描いた『ただいま それぞれの居場所』(2010年)や27歳でがんを患った女性の日々を記録した『ケアを紡いで』(2022年)など、日本社会の多様なコミュニティのあり方に目を向けたドキュメンタリーを送り出してきた大宮浩一監督。その最新作となるのが『そして、アイヌ』です。

 アイヌ文化アドバイザーとして若い世代に舞踏や楽器演奏などの伝承活動もおこなう宇佐照代さんが店主をつとめる大久保のアイヌ料理店・ハルコロ。賑わいを見せ、多様なルーツを持つ人々が訪れ、つながりを生む場となっているハルコロは、関東在住のアイヌの居場所づくりに奔走してきた照代さんの祖母や母の想いが込められた場所でもあります。

 映画は、照代さんの曾祖母から子に至るまでの家族の歴史を紐解きながら、美術作家の奈良美智さん、評論家の太田昌国さん、写真家の宇井眞紀子さん、朝鮮・韓国民謡奏者の黄秀彦(ファン・スオン)さん、カムイノミ祭司で縄文造形作家の平田篤史さんら、アイヌと出会った人々の活動を手がかりに、文化の継承とアイデンティティ、開発と多様性、植民地主義と人権といった問いに向き合っていきます。

 2025年3月15日より東京のポレポレ東中野で公開されるのに向け、特報予告編が解禁。
 さらに、宇佐照代さん、大宮浩一監督、出演者である奈良美智さん、太田昌国さん、黄秀彦さん、平田篤史さんが以下のようにメッセージを発表しています。

【『そして、アイヌ』特報予告編】

大宮浩一監督のメッセージ

宇佐照代さんのお話や活動を通してたくさんの事を学ばせてもらいました。また、奈良美智さんや太田昌国さんはじめ、照代さんの友人の方々にもグイグイ惹き込まれました。それは、大文字の情報で解ったつもりでいたアイヌや在日コリアン、民族やアイデンティティ、マイノリティについて具体的に個人史として語ってもらえたからだと思います。 本作をご覧頂き、ますます“多民族国家ニッポン”になるであろう近い将来へ向けて希望のヒントを探って頂ければ本望です。

アイヌ文化アドバイザー・ハルコロ店主:宇佐照代さんのメッセージ

北海道(故郷)を離れた祖母、母、同胞。様々な理由、苦しい日常から逃れたかった、離れたのに、落ち着かない自分も居る。でもいつか戻りたい、あの大好きな空気、水、匂い。祖母が言った「誇りを持て」。誇りを持ち母の眠る故郷に私も......。そんな想いと祖母や母達の願いとともに、故郷を離れた同胞達が安心して集える場所にしたい、とハルコロを続けています。
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『そして、アイヌ』場面写真。アイヌ文化アドバイザー・ハルコロ店主:宇佐照代さん

美術作家:奈良美智さんのメッセージ

人は人のどこに惹かれるのか? なぜ関わりを持とうとするのか? その答えは映画の中に登場する魅力的な人々がおしえてくれるでしょう...自分も出てるんだけど(笑)

評論家:太田昌国さんのメッセージ

1994年、東京初のアイヌ料理店「レラ・チセ」が開店した。若き日の照代ちゃんはフロアで立ち働いていた。それから30年、彼女はいまアイヌ文化の発信者であり、第2のアイヌ料理店「ハルコロ」の店主だ。その間に育くまれた、重層的で、豊かな諸関係をこの映画は描ききった。
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『そして、アイヌ』場面写真。美術作家:奈良美智さん

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『そして、アイヌ』場面写真。評論家:太田昌国さん

朝鮮/韓国民謡奏者:黄秀彦さんのメッセージ

今も悶々としたり悩んだり 一歩踏み出せないでいる人達に是非このドキュメント映画を観て欲しいです
子どもの頃僕は差別、偏見に押し潰された 心がくじけ明日に希望が持てなかった
めげずに立ち上がる人達に一条の灯りを見た 救われた 今は真似をしています

カムイノミ祭司/縄文造形作家:平田篤史さんのメッセージ

狩猟採集を中心に1万数千年つづいた縄文文化は、形を変えながらアイヌ民族に受け継がれました。アイヌ民族イコール大自然と思われがちですが、大都会東京の真中で、その伝統はしっかりと受け継がれています。
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『そして、アイヌ』場面写真。朝鮮/韓国民謡奏者:黄秀彦さん

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『そして、アイヌ』場面写真。カムイノミ祭司/縄文造形作家:平田篤史さん

 店名・ハルコロ(HaruKor)はアイヌの言葉で「食べ物(穀物)」を意味する「ハル」と「持つ」を意味する「コロ」を組み合わせ「食べ物に困らないように」という願いを込められて命名された名前。
 この店を中心に、いまだ根強い様々な差別や、世代などを越えて受け継がれる想いや文化を照らし出し、より多様になっていくであろう「これからの私たち」のヒントを提示していく『そして、アイヌ』は、2025年3月15日土曜日よりポレポレ東中野他全国順次公開されます。

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『そして、アイヌ』場面写真

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『そして、アイヌ』場面写真

ポスター

そして、アイヌ

  • 宇佐照代 宇井眞紀子 黄秀彦 太田昌国 平田篤史 奈良美智 関根美子 表美智子 ルイノ HIRO

  • 企画・監督:大宮浩一
  • 撮影:常田高志/辻井潔/遠山慎二/田中圭/伊藤寛/伊東尚輝/北川帯寛/岩爪勝/大宮浩一
  • 編集:田中圭
  • 編集協力:遠山慎二
  • 整音:石垣哲
  • カラーコレクション:福井崇志
  • 製作:大宮映像製作所
  • 配給:東風

  • 2024年/DCP/96分

2025年3月15日(土) ポレポレ東中野 ほか全国順次公開

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