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西田宣善監督「監督としてここに立てるのは嬉しい」 『また逢いましょう』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった梶原阿貴さん、田川恵美子さん、中島ひろ子さん、大西礼芳さん、伊藤洋三郎さん、神村美月さん、西田宣善監督(左より)
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 介護施設の人間模様をあたたかく描く『また逢いましょう』が7月19日に新宿K's cinemaで東京公開初日を迎え、主演の大西礼芳さんと共演の中島ひろ子さん、伊藤洋三郎さんら出演者と脚本の梶原阿貴さん、西田宣善監督が舞台あいさつをおこないました。

 『また逢いましょう』は、父親の付き添いで介護施設に通う主人公・夏川優希と、介護施設の職員や利用者との交流をユーモアを交えて描く中で、人間の「生と死」を深く、あたたかに描いていく、京都が舞台のヒューマンストーリー。

 主人公の夏川優希を演じた大西礼芳さんは「撮影したのはちょうど1年くらい前なんですけど、こんなに早くたくさんの方に観ていただいて、ほんとに感無量です」と東京公開初日を迎えた心境を述べ、大勢のキャスト・スタッフが集った舞台あいさつに「今日はちょっと賑やかな舞台あいさつになると思うんですけど、よろしくお願いします(笑)」と笑顔であいさつ

 これまで映画の企画・プロデュースや配給・宣伝などで多くの作品に携わり、初の商業作品監督をつとめた西田宣善監督は「還暦新人監督」と自己紹介し「このK's cinemaさんはずっとお世話になりっぱなしで、監督としてここに立てるのは、ほんとに嬉しいです」と初監督作公開に喜びを見せました。

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主人公のマンガ家・夏川優希を演じた大西礼芳さん

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脚本・アソシエイトプロデューサーの梶原阿貴さん

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初めて商業作品のメガホンをとった西田宣善監督

 「17歳のときから映画監督志望だったんですが、運悪くなかなか監督になれなくて、いつか監督をしたいと思っていました」という西田監督は、もともとプロデューサーとして『また逢いましょう』に携わり梶原阿貴さんと脚本の打ち合わせを重ねる中で「すごくいい脚本があがってしまって、監督できるかなって思ったんですね」監督デビューの経緯を語り、脚本に加えアソシエイトプロデューサーもつとめた梶原さんは「西田さんが監督をされたいということで、それはとても心配だと。だったら私がアソシエイトプロデューサーになって現場を支えなければ」と話して場内の笑いを誘いました。

 また、梶原さんは「大西礼芳さんが最初に決まっていらしたので、彼女の素晴らしい才能をなるべく活かせるような脚本を書かなければ」と考えて脚本を書いたとコメント。
 優希がマンガ家という設定や、劇中で歌ったりピアノを演奏するのも、大西さんの特技に合わせて脚本に加えられたそうで、大西さんは「私が好きなことを全部(脚本に)組み込んでくださって、その仕事の早さに驚かされました」と話し「介護の話ですけど、暗くなることもなく、面白く明るく書き上げてくださって、ありがとうございます」と梶原さんに感謝の言葉を贈りました。

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介護施設職員・向田洋子を演じた中島ひろ子さん

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優希の父親・夏川宏司を演じた伊藤洋三郎さん

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トーク中の大西礼芳さんと伊藤洋三郎さん

 介護施設のベテラン職員・向田洋子を演じた中島ひろ子さんは、介護職員という役を演じて「大変な仕事だなというのは、まず感じましたね」と話すとともに「(介護施設の)利用者さんを通して、人の生き様と言うんでしょうか、みんなそれぞれ生き方が違っていて、その生き方がいいんだよ、というようなメッセージをすごく貰えたような」と、役を通して得たものを話し、完成した作品からも「みんな違っていいんだよね、自分の人生を生きようって、すごく力を貰いました」と、感想を述べました。

 優希の父親で事故で半身不随となる夏川宏司を演じた伊藤洋三郎さんは「衣裳合わせで大西さんにお会いしたときに、こういう人のお父さんなんだなってイメージできたので、役作りをするというか、自然に引っぱられました」と役について話し、この言葉に大西さんは「嬉しい」。
 大西さんはさらに「私も、伊藤さんのちょっとピリッとした雰囲気に」自然に娘と父の絶妙な距離感が出せていたと話し「でも(父親のことが)好きだっていうような思いを持ちながら、ずっとお芝居をさせていただきました」と振り返り、伊藤さんは「こんな話、1回もしたことなかったね(笑)」と、照れくさそうな様子を見せました。

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向田洋子の娘・向田ルイを演じた神村美月さん

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介護施設利用者・加納ゆかりを演じた田川恵美子さん

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大西礼芳さんの言葉通りたびたび笑いも起こる賑やかな舞台あいさつとなりました

 向田洋子の娘・向田ルイを演じた神村美月さんは、当初の予定では髪を染めて言葉遣いも乱暴なキャラクターだったルイが、準備が進む中で思春期で親に反抗中のより自然なキャラクダーへと変わったため「切り替えは大変でした」とコメント。初の映画出演で緊張もありつつ、母親役の中島ひろ子さんが「本当のお母さんみたいで、安心して撮影できました」と話しました。

 施設の利用者・加納ゆかりを演じた田川恵美子さんは、ユニークな役どころに「すごくやりたいと思う反面」つねに車椅子を利用しているという役柄に難しさも感じたそうですが、脚本の梶原さんとともに梶原さんの知人で車椅子利用者の方を訪れ「介助者の方と、人と人とのつながりで生きていらっしゃる」様子に触れて、脚本に書かれたゆかりの感情が理解できたと話し「そこですごく納得ができて、ほんとに阿貴さんのおかげ」と話しました。

 最後に大西さんは「こんな賑やかな人たちと一緒に“人はいつか死ぬんだよ”ってことを再確認できたことがすごく幸せです。もし、この映画を気に入っていただけたら、ご家族、お知り合いの方にお伝えお願いします。介護職の方にも観ていただきたいなと思っていて、お知り合いの方がいらしたらどうぞよろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました」とあいさつ。
 舞台あいさつは、登壇者の「また逢いましょう」という言葉で締めくくられました。

 京都で介護施設を運営する伊藤芳宏さんの著書を原案に、京都から多くの作品を送り出してきた西田宣善監督が初のメガホンをとり、京都の大学で学んだ大西礼芳さんが主演、撮影の多くを京都でおこなった新たな京都発映画である『また逢いましょう』は、舞台あいさつ登壇者のほか、カトウシンスケさん、梅沢昌代さん、田中要次さん、田山涼成さん、筒井真理子さんらが出演。7月18日金曜日よりアップリンク京都と大阪のシネ・ヌーヴォで、19日より新宿K's cinemaでそれぞれ公開のほか、全国順次公開。K's cinemaでは、公開期間中に西田監督とキャストやゲストによるトークショーもおこなわれます。

ポスター

また逢いましょう

  • 大西礼芳 中島ひろ子  カトウシンスケ 伊藤洋三郎 / 加茂美穂子 田川恵美子 神村美月 / 梅沢昌代
    田中要次 田山涼成 筒井真理子

  • 製作・監督:西田宣善
  • 脚本・アソシエイトプロデューサー:梶原阿貴
  • 原案:伊藤芳宏「生の希望 死の輝き 人間の在り方をひも解く」(幻冬舎刊)
  • 音楽:鈴木治行
  • 撮影監督:藍河兼一
  • 美術:竹内公一/竹内悦子
  • 録音:廣木邦人/荒木祥貴
  • 編集:藤田和延
  • 監督補:鈴木農史
  • 製作:ジュリア/オムロ
  • 配給:渋谷プロダクション
  • 宣伝:MAP

  • 2025年/カラー/91分

2025年7月18日(金)よりアップリンク京都、シネ・ヌーヴォ、7月19日(土)より新宿K's cinema ほか全国順次公開

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