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「残酷な悲劇でバカバカしいコメディ」海外映画祭で受賞の辻野正樹監督『北浦兄弟』4月公開

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解禁された『北浦兄弟』メインヴィジュアル ©「北浦兄弟」製作委員会(※クリックで拡大します)

 タリン・ブラックナイト映画祭で最優秀作品賞を受賞した辻野正樹監督作『北浦兄弟』が4月12日より東京・渋谷のユーロスペースで公開となることが発表され、メインヴィジュアルと場面写真、主演の中野マサアキさんと大塚ヒロタさん、辻野監督のコメントが解禁されました。

 『北浦兄弟』は、高齢の父親の世話になりながら自堕落な生活を送る45歳の中年男・北浦ソウタが口論のはずみで父親を殺してしまい、どうしていいかわからず疎遠だった弟・アキラに連絡するが、順調な人生を送っているに見えたアキラもセクハラ告発で仕事も家庭も失っており、ともに人生に行き詰まった中年の兄弟ふたりが、父親の死体遺棄のため反発しながら珍道中を繰り広げるというストーリー。

 ミュージシャン活動や舞台の作・演出、映像作品の脚本家などを経て、50歳を過ぎて『河童の女』(2020年)で長編監督デビューするという異色の経歴を持つ辻野正樹監督が、80歳を越えた高齢者が50代のひきこもりの子どもを養うという現代の日本が抱える「8050問題」をヒントに、ブラックでありつつペーソスにあふれ人間の哀しみをユーモアを持って描く、ダークなロードムービーを作り上げました。

 実家暮らしで父親の世話になりつつデリヘルを呼ぶなど怠惰な生活を送る兄・北浦ソウタを演じるのは、映画『雨ニモマケズ』(2025年/飯塚冬酒監督)『びっぱらん!!』(2024年/崔哲浩監督)や連続テレビ小説「虎に翼」(2024年)など精力的に活動する中野マサアキさん。中野さんは辻野監督の『河童の女』に出演してリ、その縁から辻野監督とともに『北浦兄弟』を企画、監督とともに製作費調達もおこない、自ら主演をつとめます。

 そして、理想的な家庭を築き生活していたはずがセクハラ告発で仕事を失い妻から離縁を言い渡されている弟・北浦アキラを演じるのは、大塚ヒロタさん。イタリアで演劇を学びイタリア古典仮面喜劇と現代演劇を融合させた「テアトロ コメディア・デラルテ」を主宰し活動をおこなうとともに映画『おーい!どんちゃん』(2022年/沖田修一監督)『茜色に焼かれる』(2021年/石井裕也監督)や配信ドラマ「ガンニバル」(2023年)など映像作品や舞台で多彩な活躍を見せる実力派が、中野さんとともに主演。

 そのほか、兄弟の父役にたかお鷹さん、父の恋人役に山下容莉枝さん、兄弟の叔父役に加藤満さんら、ベテラン勢が顔を揃えています。

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解禁された『北浦兄弟』場面写真。中野マサアキさん演じる北浦ソウタ(左)と、大塚ヒロタさん演じる北浦アキラ

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解禁された『北浦兄弟』場面写真。中野マサアキさん演じる北浦ソウタ(左)と、たかお鷹さん演じる父親

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解禁された『北浦兄弟』場面写真。中野マサアキさん演じる北浦ソウタ(左)と、大塚ヒロタさん演じる北浦アキラ

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解禁された『北浦兄弟』場面写真。中野マサアキさん演じる北浦ソウタ

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解禁された『北浦兄弟』場面写真。たかお鷹さん演じる兄弟の父親

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解禁された『北浦兄弟』場面写真。山下容莉枝さん演じる父親の恋人

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解禁された『北浦兄弟』場面写真

 昨年11月にエストニアの首都・タリンで開催された第28回タリン・ブラックナイト映画祭(28th Tallinn Black Nights Film Festival)に出品され、同映画祭のキュレーターをつとめるニコライ・ニキーチン(Nikolaj Nikitin)さんより「ジークムント・フロイトは、父親殺しをテーマにしたこのダークで愉快な日本のコメディを気に入っただろう。」と称賛され、クリティック・ピックス・コンペ部門で最優秀作品賞に輝いた『北浦兄弟』が、劇場公開決定。
 公開決定に合わせ、弟・アキラの背中を見つめる兄・ソウタの姿に「俺たち、遠くまで来ちまったな。」というコピーが添えられたメインヴィジュウアルが解禁されました。
 部屋で過ごすソウタの姿や父と食事するソウタ、ソウタとアキラ兄弟の姿のほか、父や父の恋人など兄弟を取り巻く人々を捉えた場面写真も解禁されています。

 さらに、主演の中野マサアキさん・大塚ヒロタさんと辻野正樹監督がコメントを発表しています。

主演(北浦ソウタ役):中野マサアキさんコメント

記事写真 大きな過ちをしでかしてしまった北浦ソウタという人間に幸運なんて訪れるわけはなく、どんどんドツボにハマっていく。当然の報いです。
それでもソウタという人間は根本は良いやつなんです。
そんなバカでどうしようもない不器用な彼を、僕くらいはどうにか救ってあげたいと思ってずっと演じていました。
多くの方にこの映画が届くことを楽しみにしております。

主演(北浦アキラ役):大塚ヒロタさんコメント

記事写真 「こんなはずじゃなかった」
振り返ればそんな事ばかり繰り返している自分に気づく。すぐスターになれると思っていたし、必死に舞台公演を打ち、お客様にも喜んでもらえたのに赤字だったり、定食屋のお米がべちょべちょだったり...
でもそれは人間なら皆等しく経験する事なのかも知れない。それでも「北浦兄弟」みたいなのは絶対にゴメンだ。
こんな「こんなはずじゃなかった」は...
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辻野正樹監督コメント

とても面白い映画が出来たと思っています。全くもって好感のもてない二人の主人公が、愚かな行動を繰り返す物語です。でも、それこそが自分の描きたかった物語です。とても残酷な悲劇でありながら、バカバカしいコメディです。殺戮が描かれた映画ですが、なぜかちょっとだけホノボノする。そういう映画になったと思います。
この映画は、自分にとって特別な映画であるというだけでなく、多くの映画ファンにとって、特別な映画になり得る力を持っていると確信しています。

 ともに「ダメ人間」な中年兄弟を主人公にした、現代日本への痛烈な皮肉があふれる〈ダーク〉エンターテイメント『北浦兄弟』は、4月12日土曜日より、東京・渋谷のユーロスペースで公開されます。

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解禁された『北浦兄弟』場面写真。中野マサアキさん演じる北浦ソウタ(左)と、大塚ヒロタさん演じる北浦アキラ

『北浦兄弟』ストーリー

美術教師だった父親(たかお鷹)の世話になりながら引きこもり気味の怠惰な生活を送っているソウタ(中野マサアキ)。ふとしたきっかけで父親を殺害してしまう。疎遠だった弟アキラ(大塚ヒロタ)とともに反発をしあいながらも父親の死を隠そうと事態を収拾すべく奮闘する。叔父(加藤満)や父親の恋人(山下容莉枝)を巻き込みながら、事態はどんどんと悪い方へと進んでいくのだが...。
ポスター

北浦兄弟

  • 出演:中野マサアキ 大塚ヒロタ たかお鷹 山下容莉枝 加藤満 関口アナン 芦原健介 西山咲子 如月まりな 手塚みのる 高橋好史

  • 監督:辻野正樹

  • 宣伝:ブライトホース・フィルム
  • 配給:GACHINKO Film

  • 2024年/アメリカン・ビスタ/5.1ch/94分

2025年4月12日(土)より 渋谷ユーロスペースにてロードショー

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