埼玉県さいたま市の岩槻区で例年開催されている「岩槻映画祭」が、今年も2月8日と9日の2日間にわたり、さいたま市の市民会館いわつきで開催され、短編映画コンペティションのほか、瑚海みどり監督の特集上映や、岩槻で撮影された中泉裕矢監督の新作上映などもおこなわれます。
岩槻映画祭は、歴史と文化の町・岩槻で、地域に映画・映像文化を根付かせようという趣旨のもと、2014年に初開催。市民が運営に携わる市民映画祭として開催を重ね、一時の休止期間を経て今回で第9回を迎えます。
映画祭の中心となるのは、開催当初よりおこなわれている短編映画のコンペティション。『カメラを止めるな!』(2017年)で日本映画界に旋風を起こした上田慎一郎監督が2016年開催の第3回でグランプリを受賞しているほか、松本卓也監督、松本動(まつもと・ゆるぐ)監督、野本梢監督ら、現在活躍中の監督が過去に受賞しており、日本における短編映画の登竜門としてその地位を確立しつつあります。
今回は、多数の応募作品の中から11作品が入選作品として選ばれました。新作長編『ボールド アズ、君。』の公開を控えている岡本崇監督の『落日』など、気鋭の監督・映像作家の作品が揃っており、11作品が4つのプログラムに分けられて上映されます。
また、短編映画コンペティション以外にも、さいたま市や岩槻映画祭に縁のある作品が上映されます。
さいたま市北図書館が映像制作の専門家を講師に招き市内の中高生を対象におこなった短編映画制作ワークショップ「北図書館ショートフィルム制作プロジェクト」で2024年に制作された中高生による作品が、地域招待作品として上映。
また、過去の岩槻映画祭受賞監督の作品を上映する「岩槻映画祭レジェンド監督特集」として、第6回グランプリ受賞監督・瑚海みどり(さんごうみ・みどり)監督のグランプリ受賞作『橋の下で』(2021年)と『ヴィスコンティに会いたくて』(2021年)の2作品を上映するほか、監督と出演者によるトークショーを実施。
さらに、第2回岩槻映画祭最優秀監督賞受賞監督で、『カメラを止めるな!』で助監督をつとめ、『女家族』(2023年)『ゆりに首ったけ』(2023年)などの監督作がある中泉裕矢監督の新作で、オール岩槻ロケで撮影した『i-ドール』が、特別招待作品として本邦初上映されます。
開催に先立ち、映画祭の内容を動画で伝えるプロモーション映像も公開されています。
第9回岩槻映画祭は、2月8日土曜日と9日日曜日の2日間にわたり、さいたま市の市民会館いわつきで開催。
1日目の8日は、地域招待作品、レジェンド監督特集、特別招待作品の上映とトークなどがおこなわれ、2日目の9日は短編映画コンペティション入選作の上映と授賞式がおこなわれます。
入場料は2日間通しで1000円(中学生以下無料)。映画祭公式サイトでチケットのオンライン購入ができます。
古くから城下町として栄え歴史ある町並みが残る岩槻から、日本映画界を担う新たな才能を発信していく岩槻映画祭。今年はどの作品が受賞するのか注目です。