脚本家とその甥である少年の不思議なひと夏を描く『くまをまつ』が6月7日より東京のポレポレ東中野で公開されるのを前に、特報映像と場面写真が解禁されました。また、ロケ地となった石川県小松市での先行上映会開催が発表されています。
『くまをまつ』は、亡くなった祖父が暮らしていた古民家に滞在して祖父の日記を題材に新作を執筆している脚本家のややこと、夏休みの間ややこに預けられることになった8歳の少年・タカシが、夏を過ごす中で「土地の記憶」に触れてく物語。
石川県出身の滝野弘仁監督が、亡くなった祖父が暮らしていた同県小松市滝ヶ原町の古民家に滞在して脚本を執筆、その古民家や、かつて盛んに石の採掘がおこなわれた小松市にいまも残る石切場などでロケをおこなって作品が生み出されました。
濱口竜介監督『親密さ』(2012年)で主演をつとめた平野鈴(ひらの・れい)さんが脚本家のややこを演じ、テレビドラマなどに出演し今回が映画初出演となる子役の渋谷いる太さんが甥のタカシを演じています。
解禁された『くまをまつ』場面写真。平野鈴さん演じるややこ(右)と、渋谷いる太さん演じるタカシ
解禁された特報映像は、森の中を歩くタカシの後ろ姿と「森の中を歩く少年 」という脚本の一節らしき文章を読み上げる女性の声で幕を開け、さらに日記らしき文書を読むもうひとつの声が脚本の朗読に重なっていき、ふたつの声に乗せてややことタカシが古民家で過ごす日々などが映し出されていきます。声の主は誰なのか? 本編への期待が高まり、また山肌が大きく削り取られた石切場の風景も印象に残ります。
合わせて解禁された場面写真は、ややことタカシの姿や、特報でも印象に残った石切場の風景などのほか、『すべての夜を思いだす』(2022年/清原惟監督)などの大場みなみさんが演じる物語のキーパーソンでややこの元・恋人のとも、『雨の中の欲情』(2024年/片山慎三監督)など出演作が続く中村映里子さんが演じるタカシの母親ら、多彩な登場人物たちの出演場面も切り取られています。
そして東京公開に先駆け、作品を生んだ地でありロケ地にもなった石川県小松市での特別先行上映会が5月18日日曜日に開催されます。
当日は『くまをまつ』本編の上映に加え、平野鈴さんらキャストと滝野弘仁監督の舞台あいさつが予定されています。
滝野監督が、自身にゆかりの深い土地で映画と人生に向き合って生み出し、昨年開催の第37回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門でも注目を集めた『くまをまつ』は、6月7日土曜日より、東京のポレポレ東中野ほか全国順次公開されます。