日本国内では未公開ながら海外の映画祭で高い評価を得てきた幻の新感覚ホラー『NEW RELIGION』が、7月18日より東京のシネマート新宿で公開されることが発表され、ポスターヴィジュアルと予告編、さらにKeishi Kondo監督と主演の瀬戸かほさんのコメント、海外映画関係者からの絶賛コメントが解禁されました。
『NEW RELIGION』は、幼い娘を失い現在はコールガールをしている女性・雅と、《背骨》のの写真を撮らせてほしいと望む奇妙な男との出会いをきっかけに、侵食される現実や崩壊していく世界を、極彩色のアーティスティックな映像と重厚なサウンドスケープで描いていく、既存のジャンルを超えた新感覚のアートハウスホラー。
主人公の雅を演じるのは『愛の小さな歴史-誰でもない恋人たちの風景vol.1-』(2019年/越川道夫監督)『クレマチスの窓辺』(2020年/永岡俊幸監督)『この日々が凪いだら』(2021年/常間知裕監督)と主演作が続く瀬戸かほさん。
そして、ウェブディレクター・映像ディレクターなどとしても活動する岡諭史さんが雅が出会う奇妙な男を演じるほか、ミュージシャンの西園寺流星群さんや、多岐にわたる活動を見せるナカムラルビイさんら、多彩なキャストが出演しています。
短編『盲目の魚-The Blind Fish-』(2017年)で第21回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門優秀賞を受賞し、これが初長編監督作となるKeishi Kondo監督が脚本・監督をつとめています。
『NEW RELIGION』場面写真。瀬戸かほさん演じる主人公・雅
2022年にイギリスで開催されたロントン・フライトフェスト映画祭でワールドプレミア上映後、20以上の映画祭に招待され、フランスの配給会社・REEL SUSPECTSの海外セールスによりアメリカ、イギリス、フランス、ポルトガル、ドイツなど世界中で配給され、Keishi Kondo監督にはハリウッドからオファーが届くなど、国際的に注目を集めている『NEW RELIGION』。
日本国内では2023年開催の第18回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門でアジア初上映されたのみでしたが、ついに劇場公開が決定。7月18日よりシネマート新宿で上映されるのを前に、ポスターヴィジュアルと予告編が解禁されました。
ポスターヴィジュアルは、数々の話題作のヴィジュアルを担当するアートディレクター・石井勇一さんによるもので、主人公・雅乃横顔と芸中で重要な役割を持つ蝶が組み合わされ、美しく、しかしどこか不穏さを感じるデザイン。
予告編は、雅の過去や奇妙な男との出会い、そして秩序を失っていく世界がアンビエント・ミュージックに乗せて映し出され、作品の持つ唯一無二の世界の一端に触れられる映像となっています。
また、国内公開決定にあたり、Keishi Kondo監督と瀬戸かほさんがコメントを発表。さらに、映画『アルカディア』(2017年・米)や配信シリーズ「デアデビル: ボーン・アゲイン」(2025年・米)などの監督であるアーロン・ムーアヘッドさん、アメリカのエンターテイメント業界紙「Variety」でアジア映画の評論を担当するマギー・リーさん、『FALL フォール』(2022年・米/スコット・マン監督)などを手がけた脚本家のジョナサン・フランクさんが絶賛コメントを寄せています。
監督・脚本・編集・プロデューサー:Keishi Kondo監督コメント
数えきれない国々を旅してきた私の初長編映画がついに日本でその旅の終わりを迎えます。この映画を完結に導くことができて、嬉しい気持ちでいっぱいです。ここまで私や映画を支えてくださったスタッフやキャスト、今回の公開に向けてご協力いただいた全ての方々に深い感謝を。そしてこの映画が観客の皆様と出会えるよう願っています。
主演:瀬戸かほさんコメント
オファーをいただいた時から上映に至るまで、この作品は私にとって初めてづくしでした。母親役、ホラー、約3ヶ月間かけて丁寧に行われた撮影、現実と撮影が混ざっていくような不思議な感覚、完成した本作の圧倒的な音と鮮烈な色味、国際映画祭での登壇など、あげたらキリがないくらい、初めてをたくさん与えてくれたとても大切な作品です。今回の上映を機に、本作が誰かのもとへ届くことを願っています。
映画監督:アーロン・ムーアヘッドさんコメント
『NEW RELIGION』は、見ているだけでオカルトの儀式に参加したような気分になる。純粋な恐怖と絶望が織り成す、美しく、呪われた、邪悪な映画だ。
私はこの映画の全貌をすべて掴んだわけではない。しかし、その催眠術のような技術的完成度と不穏なボディホラーの世界は私の心を蝕み飽きさせることはない。
Variety アジア映画チーフ評論家:マギー・リーさんコメント
超クールなプロダクション・デザインと不気味なほど魅惑的なサウンドスケープ。
黒沢清監督の名作『回路』や『キュア』、デヴィッド・クローネンバーグ監督の実存的ボディ・ホラーのようなゾクゾクするような心理描写を蘇らせたこの作品は、人間の孤独とデジタル化された世界がもたらす感情麻痺の影響について、カフカのようなヴィジョンを描き出している。
脚本家:ジョナサン・フランクさんコメント
恐ろしくて胸が張り裂けそうな悪夢だ。
大胆な色彩、はっきりしたイメージ、そして耳障りな音から一瞬にして完全な沈黙に至るインダストリアルサウンドデザインは、耐えがたい恐怖に包まれている。そして、瀬戸かほの繊細で痛々しい演技がこの映画の根底に拷問のような悲しみを与えた。Kondoはシュールで、メランコリックで、心理的な"ヘッドファック"映画を作り上げたのだ。この映画はあなたの心を乱し、あなたの心を壊す。
個人の体験が世界の崩壊とリンクしていくさまを独特の映像・音響美で表現していく『NEW RELIGION』は、7月18日金曜日より、東京のシネマート新宿ほか全国順次公開されます。
『NEW RELIGION』場面写真。瀬戸かほさん演じる主人公・雅