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怪我をした女子高生ふたりの青春を描く日高虎太郎監督『2人のギブス』8月公開 予告編など解禁

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解禁された『2人のギブス』ポスターヴィジュアル ©小さな映画(※クリックで拡大します)

 怪我をきっかけに心を通わせるふたりの女子高校生を描いた日高虎太郎監督による青春ストーリー『2人のギブス』が8月30日より東京の新宿K's cinemaで公開されることが発表され、ポスターヴィジュアルと予告編などが解禁されました。

 『2人のギブス』は、インターハイを前に練習中の衝突でギプスと松葉杖生活を送ることになった女子バスケットボール部のふたり、エースの愛花(まなか)と補欠の詩織が心を通わせていく姿を、男子バスケットボール部の昌樹との関係なども交えて描いていく青春映画。

 監督は、助監督として『ちひろさん』(2023年/今泉力哉監督)などに参加しつつ自らの監督作を自主制作する日高虎太郎(ひだか・こたろう)監督。夏のある日に駅でギプスと松葉杖の女子高校生ふたりを見かけたという実際の体験から『2人のギブス』のストーリーを発想し、自主映画制作グループ「小さな映画」の作品として『2人のギブス』を完成させました。

 ギプス生活を送るバスケット部のエース・池浦愛花を演じるのは、モデルなどとして活動し映画『キムソジュン』(2025年/小川北人監督)に出演する古見陽香里(ふるみ・ひかり)さん。
 同じくギプス生活を送るバスケットボール部補欠の伊坂詩織を演じるのは、ミスiD2018で大森靖子賞を受賞し(睡(すい)名義)アイドルグループ活動を経て『正しいアイコラの作り方』(2024年/神谷正智監督)『ナマズのいた夏』(2024年/中川究矢監督)などに出演する古林南(こばやし・みなみ)さん。
 男子部員の中谷昌樹を、さまざまな作品に出演し短編『知る辺』(2024年)では自ら監督もつとめた田村明石(たむら・あかし)さんが演じています。

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『2人のギブス』場面写真。古見陽香里さんが演じる愛花(右)と、古林南さんが演じる詩織

 2024年には新人映画監督の登竜門として定評のある第25回TAMA NEW WAVE「ある視点」で上映され高い評価を得た『2人のギブス』がいよいよ劇場公開決定。
 公開決定にあたり、並んで座る愛花と詩織の姿が印象的なポスターヴィジュアルが解禁されました。
 予告編は「早く取れないかな、ギブス」「愛花、ギブスって言ってる。『ギブス』じゃなくて『ギプス』だよ。濁点じゃない」という愛花と詩織の会話で幕を開け、愛花と詩織、昌樹、そして望月ゆうかさんが演じるマネージャー・島崎綾との関係を感じさせる映像が、夏らしさの中で映し出されていきます。

【『2人のギブス』予告編】

 「ギプス」ではなく「ギブス」となっているタイトルの意味も気になる『2人のギブス』は、8月30日土曜日より、東京の新宿K's cinemaにて公開されます。

池浦愛花役:古見陽香里さんコメント

池浦愛花を演じております古見陽香里です。 今回、愛花役として本作品に出演させて頂けた事、沢山の方々に感謝致します。
高校時代の記憶を思い返しながら、照らし合わせながら、大切に撮影に挑ませて頂きました。数年ぶりに"⻘春"が帰ってきた様な気がしてとても幸せな撮影期間でした!
最後に。私1人だけではなくキャストやスタッフの皆様、監督と創り上げた"愛花"を温かく見守って頂けたら嬉しいです!

伊坂詩織役:古林南さんコメント

初めて脚本に目を通したとき、卒業アルバムを開くような懐かしい気持ちになりました。
人に対して抱く感情の中には、「好き」「嫌い」みたいにはっきりと断言できないことばかりです。そんな人と人の間にある“何か”を真っ直ぐに見つめた物語です。
不器用で不完全な等身大の⻘春の中で、誰かが誰かを想う視線を追うように《詩 織》を演じました。

中谷昌樹役:田村明石さんコメント

僕の第一印象として、初めて脚本を拝読させて頂いた時に、登場人物たち全員に共感の気持ちが溢れ出たのを覚えています。僕が今作において務めさせて頂く、中谷昌樹という男は”今”を繊細に生きる高校生です。自尊心を傷つけられたり、目の前で起きている出来事に好奇心と探究心から、理性と本能の狭間で安心を求めてみたり、強烈な嫉妬心を抱いて心配事が尽きない毎日。無心になりたくてそれを払拭するかの様に一心不乱に部活動に打ち込んでみたり。
そんなありふれた日常を、不器用で不安定な心を持った男が一生懸命に生きます。とっても情けない奴なんですけど、素直でいい奴なんです。笑
そんな中谷昌樹を、素敵で叙情的なこの物語の中で、僕なりに優しく丁寧に紡いでいけるよう精一杯、頑張りました。

日高虎太郎監督コメント

2年前の夏、下北沢の駅近くでギプスを嵌め、松葉杖をついた女子高生2人組を目撃した私の経験からこの作品は出発した。

 互いに同時的に怪我をした2人(愛花と詩織)が、その怪我をきっかけにバスケットボール部員として不能になり、それまでの部内での地位、当人の実力が2人の間では無効となる。この映画は接触事故が起きた瞬間、ましてや、それ以前の愛花、詩織の女子高生として、バスケットボール部員としての生活に対してキャメラが捉えることなく、怪我をしてから、更に時間が経過した2人から物語は始まる。

 そして、このキャメラで捉えなかった2人の怪我の原因となった衝突を愛花と詩織が映画内で再現しようとする様を出来る限りの誠実さを持ってキャメラで捉えることによって生み出されるものに私は強く希求したいと思った。

 松葉杖での生活を送るきっかけとなったあの衝突、愛花が作中で形容する『爆発』は一回性のもので、その再現の不可能性というものを描き、決して対等にはなれない2人。それ故に別個人として互いを発見していく過程を写せたらという想いで作品の製作に着手した。
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『2人のギブス』場面写真

ポスター

2人のギブス

  • 古見陽香里 古林南 田村明石
    望月ゆうか 横山唯 ミノリ 中島優菜

  • 監督・脚本・編集:日高虎太郎
  • プロデューサー:小川信一朗
  • 音楽:青山涼
  • 撮影監督:吉田芙羽
  • 照明:河村優
  • 録音:加藤大空
  • カラーグレーディング:杉元文香
  • 整音・効果:鈴木規弘
  • 助監督:杉山卓/諏訪拓磨/小林史弥
  • 制作:小川晟輝
  • スチール:鈴木花連
  • 振付・指導:AKANE NAKANO
  • 宣伝デザイン:佐藤大真(FLIXTAGE)
  • 主題歌: Sundae May Club「夜を延ばして」
  • 協力:埼玉県立三郷工業技術高等学校/日本映画大学
  • 製作・配給:小さな映画

  • 2025年/DCP/60分

2025年8月30日(土)より 新宿K's cinemaにて公開

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