短編企画が長編として完成した足立紳監督の新作『Good Luck』が12月に東京のシアター・イメージフォーラムほかにて公開されることが発表され、ティザーヴィジュアルと場面写真、主演の佐野弘樹さんと天野はなさん、足立監督のコメントが解禁されました。
『Good Luck』は、大分県豊後大野を舞台に、作品を酷評され意気消沈の自称・映画監督と、彼の映画を観ていた不思議な女性の小さな旅を描くロードムービー。
脚本と監督をつとめたのは、監督作『雑魚どもよ、大志を抱け!』(2022年)『劇場版 それでも俺は、妻としたい』(2025年)や、連続テレビ小説「ブギウギ」(2023年)第39回日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞作『百円の恋』(2014年/武正晴監督)などの脚本で知られる足立紳監督。
自称・映画監督の吉山太郎役には映画『SUPER HAPPY FOREVER』(2024年/五十嵐耕平監督)や連続テレビ小説「舞いあがれ!」(2022年)などに出演する佐野弘樹さん、太郎が出会う不思議な女性・砂原未希役には『Chime』(2024年/黒沢清監督)『バジーノイズ』(2024年/風間太樹監督)などの天野はなさんと、ともにオーディションで選ばれたふたりが、旅をするふたりをユーモラスに演じています。
そのほか、加藤紗希さん、篠田諒さんが出演。さらに、剛力彩芽さん、板谷由夏さんがユニークな役柄で出演しています。
もともとは、大分県別府市周辺を舞台に同市のミニシアター・別府ブルーバード劇場のみで上映する短編を制作する「別府短編映画プロジェクト」第8弾の短編企画としてスタートしましたが、ロケ地となる豊後大野の風景とキャストの魅力に足立監督が夢中となり、104分の長編映画として完成するという、一風変わった経緯によって誕生した作品です。
今年3月には第20回大阪アジアン映画祭インディー・フォーラム部門で、4月にはイタリアで開催された第27回ウディネ・ファーイースト映画祭(Far East Film Festival )で上映されたほか、6月12日より開催の第27回上海国際映画祭アジアナウ部門への出品も決定し、すでに大分から世界へと飛び出している『Good Luck』が、12月より劇場公開を迎えます。
劇場公開発表にあわせて解禁されたティザーヴィジュアルは、豊後大野の名所であるアーチ橋・轟橋をバックに太郎と未希が笑う、舞台となる豊後大野の魅力も感じさせるデザイン。
場面写真は、太郎と未希の姿に加え、作品制作のきっかけとなり劇中にも登場する別府ブルーバード劇場の前を歩く太郎の姿を捉えたカットも。
解禁された『Good Luck』場面写真。佐野弘樹さん演じる吉山太郎(右)と、天野はなさん演じる砂原未希
そして、太郎役の佐野弘樹さん、未希役の天野はなさん、足立紳監督のコメントも解禁。
佐野さんは、短編だと思っていた作品が長編として完成したことへの率直な心境も語りつつ「完成した映画が脚本以上の力を持った作品になっていたことに胸が熱くなりました」と感想を述べ、天野さんは「まるで学生時代の映画サークルのようにはしゃぎながら、毎日クタクタになるまで撮影した日々が昨日のように思い出せます。」と撮影を回想。
足立監督は「観ていただければ、きっとお客様も僕と同じ気持ちになっていただけると思っております。」と、監督が感じた佐野さんと天野さん、豊後大野の風景の魅力が伝わる作品になっていることに自信を覗かせています。
吉山太郎役:佐野弘樹さんコメント
別府短編映画祭の企画から始まった本作。いただいた脚本を読んだ時、98シーンもあることに驚き、本当に短編として撮りきれるのか半信半疑でした。ところが、完成した作品を観ると104分の長編に仕上がっていて…。足立さんは「これでも頑張って短くしたんだよ」と言っていて、最初から長編を作る気だったのかなと、思わず笑ってしまいました。
しかし、そんなことよりも、完成した映画が脚本以上の力を持った作品になっていたことに胸が熱くなりました。あらゆる意味で想像を超えてきたこの作品が、一人でも多くの方の目に届くことを願っています。どうぞよろしくお願いします。
砂原未希役:天野はなさんコメント
大好きな映画が出来ました!
足立監督をはじめ、スタッフ、キャスト、地元の皆様と
まるで学生時代の映画サークルのようにはしゃぎながら、
毎日クタクタになるまで撮影した日々が昨日のように思い出せます。
大分・豊後大野を舞台に、思わず力の抜ける、幸せで楽しい映画になったと思います。
是非劇場で観て頂けたら嬉しいです!
脚本・監督:足立紳監督コメント
別府短編映画プロジェクトとして始まった企画でしたが、
脚本を書いてみるとこれは中編くらいになってしまうかも……という不安感を少々抱きつつ、
撮影しているうちにどんどん延びていってしまい104分という普通の尺の映画になってしまいました。それは豊後大野の豊かでどこか可笑しみのある風景と、
その中をフラフラと歩き回る佐野弘樹さんと天野はなさんがとても魅力的で、
いつまでもこの地を歩き回る二人を観ていていたいなあと思ってしまったからです。
ラッシュを見て、切らなくてもいいと言ってくださった別府短編プロジェクトの皆さまには感謝してもしきれません。ですが映画を観ていただければ、きっとお客様も僕と同じ気持ちになっていただけると思っております。
豊後大野の風景の中で、人生迷走中の男女ふたりの、ゆるっとしたあてどないアンブリン=ぶらぶら歩きを独特の空気感とユニークな演出で描くいままでにないロードムービー『Good Luck』は、2025年12月より東京・渋谷のシアター・イメージフォーラム他全国順次公開されます。
『Good Luck』ストーリー
30歳間際だが、一緒に暮らす女性に食べさせてもらっている自称・映画監督の吉山太郎。大分県で行われる映画祭に入選を果たし意気揚々と現地に向かうも、上映会で主催の女性から映画を厳しく批判されてしまい意気消沈。翌日フラフラと隣町の豊後大野へ向かうと、そこで太郎の映画を観ていた砂原未希という不思議な女性と出会い、一泊二日だけの小さな旅をすることに。正体不明ではあるが、明け透けな性格の未希に映画づくりに自信を持てない自分をさらけだし、ほのかな恋心も抱き始める太郎だったが…
人生迷子の二人がたどり着く、旅の結末は?