オール鹿児島ロケ、オール地方在住俳優で「地方役者のリアル」を描く鹿児島産インディーズ映画『エイタロウ』が、10月4日より東京の池袋シネマ・ロサで公開されることが発表されました。
近年『カメラを止めるな!』(2017年/上田慎一郎監督)『侍タイムスリッパー』(2023年/安田淳一監督)と、インディーズ作品の大ヒットが続いている日本映画界。
両作品をいち早く上映した「インディーズ映画の聖地」池袋シネマ・ロサで上映される、新たな期待のインディーズ作品が『エイタロウ』です。
『エイタロウ』は、契約社員として働きながら生きがいである役者を続ける33歳のエイタロウを主人公にしたヒューマンコメディ。「このまま埋もれたくない」という焦燥を抱えるエイタロウの周囲で巻き起こるさまざまな出来事と、恩師の戯曲を上演しようと動き出すエイタロウの姿が描かれていきます。
主演をつとめるのは、鹿児島在住で実際にビール会社の契約営業マンとして働きながら役者をしている德田英太郎さん。名前もそのまま、設定も本人そのものという『エイタロウ』は德田さんの半生をもとにしたフィクションで、德田さんの家族も出演、演劇仲間もほぼ全員が実名で登場するという、ユニークな作品となっています。
『エイタロウ』場面写真。德田英太郎さんが演じる主人公・エイタロウ
監督をつとめたのは、鹿児島出身の久保理茎(くぼ・りけい)監督。助監督として『血と骨』(2004年/崔洋一監督)、プロデューサーとして『舞妓Haaan!!!』(2007年/水田伸生監督)『クライマーズ・ハイ(2008年/原田眞人監督)などに携わってきた久保監督は、熊本地震のドキュメンタリー映画『西原村』(2018年)を監督するほか、出身地の鹿児島で映画ワークショップを開催するなど地域に根ざした活動もおこなっており、映画の題材を探す中で德田英太郎さんと出会い、その半生の映画化をスタートさせました。
当初はスタッフ・キャストあわせて5人で始まった撮影は、1年にわたり撮影を重ねる中で徐々に広がりを見せ、ラストシーンとなる劇中劇の撮影には、なんと500人におよぶボランティアがエキストラとして参加。鹿児島最大規模のエキストラ動員での撮影が実現しました。
シネマ・ロサでの公開に向けて解禁された予告編は、地方役者・エイタロウの身に巻き起こるさまざまなトラブルと、エイタロウが託された大切な思いなどが映し出されていき、500人のエキストラが参加した劇中劇シーンの一端も観ることができます。
全員無名の地方在住キャストだけで完成した「この星すべての田舎で表現する者たちへ捧げる痛快悲喜劇!」『エイタロウ』は、10月4日土曜日より、池袋シネマ・ロサで公開されます。