2024年のTAMA NEW WAVEでグランプリとベスト男優賞をダブル受賞した石田忍道監督『ライブ・イズ・ビューティフル・オッケー』が10月に東京のユーロスペースで公開されることが発表され、ポスターヴィジュアルが解禁されました。
『ライフ・イズ・ビューティフル・オッケー』は、木下家が営む中華料理店で店主をつとめる男・牧村が主人公。働かずパソコンに向かう木下家の長子・美和にまかないを作り店の厨房に立つ牧村の日常があるきっかけで変化していく、異色のヒューマンドラマ。
日本語と日本手話による多言語構成で、全シーンに日本語字幕を付けた演出により、独自の没入感を生む作品となっています。
監督・脚本は、初長編監督作『リバーシブル/リバーシブル』(2023年)がPFFアワード2023審査員特別賞を受賞した石田忍道(いしだ・しのみち)監督。障がい福祉施設の仕事に従事する中で高校生たちと映画を撮ったことをきっかけに映画監督を志したという異色の経歴を持つ監督が、独自におこなった「引きこもり」への取材と、実際に見た定食屋でひとり働く店主の姿から得た着想により、オリジナル脚本を執筆し、長編第2作を完成させました。
主人公の中華料理店店主・牧村和章を演じるのは、石田監督の前作『リバーシブル/リバーシブル』でも主演をつとめた田丸大輔さん。オムニバス映画『孤独な夜が明けるまで』の一編『激情』(2025年/松隆祐也監督)などに出演し、次世代のバイプレイヤーとして期待される今後のブレイク必至の俳優が、独特でありながらどこか親しみやすい主人公をユーモラスに演じます。
木下家の長子でひたすら物語を執筆する木下美和役にはミスiD2021でアメイジングミスiDに選出され、出演作『12月の雨の日』(川上さわ監督)の完成・公開を控える田中祐理子さん。
そのほか、文筆家の伊藤亜和さんや、斎藤千晃さん、小松遼太さんらが出演しています。
『ライフ・イズ・ビューティフル・オッケー』場面写真
新人監督の登竜門として定評のある第25回TAMA NEW WAVE(2024年開催)でグランプリに輝くとともに、主演の田丸大輔さんがベスト男優賞を受賞、ダブル受賞となった『ライフ・イズ・ビューティフル・オッケー』が、いよいよ劇場公開。
公開決定にあたり解禁されたポスターヴィジュアルは、アーティスト・イラストレイターの我喜屋位瑳務(がきや・いさむ)さんと、コラージュアーティストのMIDORIさんのコラボレーションによるもので、イラスト化された木下美和と牧村和章が配された、ポップな印象のものになっています。
また、石田監督と主演の田丸さんは、次のようにコメントを発表しています。
脚本・監督:石田忍道監督コメント
「異例規模の引きこもり実態調査結果を発表しました」
僕は何気なくそのニュースを目にし、衝動的に引きこもりについて取材を始めていました。
その時にたまたま入った定食屋で主人がひとり忙しなく働く姿から着想を得て「ライフ・イズ・ビューティフル・オッケー」とういう物語がスタートし、新奇に富んだキャストやスタッフ、ロケーション、様々な人の可能性が交差しながら劇場公開に至っています。
脚本製作時のメモにこんなことが綴ってありました。
障がい、人種、その他、全て関係ない。
配慮は必要だが優遇、特別扱いともまた違う。
「そこにいていい」世界を。
非認知で生きろ
「ライフイズビューティフルオッケー」
それぞれの速度で「今」を自由闊達に生きていくのはどんなことでも素晴らしいことだと思っています。ぜひご鑑賞ください。
主演(牧村和章役):田丸大輔さんコメント
立川談志さんの「落語は業の肯定」という言葉があります。
「ライフ・イズ・ビューティフル・オッケー」
この言葉は主人公牧原と牧原に絡む登場人物全ての人生に象徴するもので、まさに「業の肯定」に通じます。肩肘を張らずに他人の人生をちょっと覗く感じで見てくださると幸いです。
『ライフ・イズ・ビューティフル・オッケー』場面写真
国立市フィルムコミッションの全面協力のもと、中華料理店や帽子店など、東京都国立市での全面ロケにより撮影された『ライフ・イズ・ビューティフル・オッケー』は、10月4日土曜日より、東京・渋谷のユーロスペースでロードショー公開されます。