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松田凌さんら主演で江戸川乱歩作品が現代に蘇る「RAMPO WORLD」3作品が10月連続公開

 日本の推理小説・怪奇幻想小説の祖として知られる江戸川乱歩の没後60年を記念して、乱歩作品を現代を舞台に新たな解釈で映画化する「RAMPO WORLD」3作品『3つのグノシエンヌ』『蟲』『白昼夢』が10月3日より連続公開されることが発表され、各作品の監督と主演をつとめるウエダアツシ監督、平波亘監督、山城達郎監督と、松田凌さん、平埜生成さん、見津賢さんのコメントが解禁されました。

 大正から昭和にかけて多くの推理小説や怪奇・幻想小説を発表、名探偵・明智小五郎や少年探偵団、怪人二十面相といった誰もが知る名キャラクターを生み出し、映像化された作品も多い作家・江戸川乱歩。1965年7月28日に逝去した乱歩の没後ちょうど60年となる2025年7月28日、没後60周年記念作品となる「RAMPO WORLD」の公開が発表されました。
 「RAMPO WORLD」は、乱歩作品を原案に、舞台を現代へと置き換え、オリジナルの解釈を加えて映画化するもの。10月3日より、東京のシネマート新宿と池袋シネマ・ロサで『3つのグノシエンヌ』『蟲』『白昼夢』が連続公開されます。

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「RAMPO WORLD」タイトルロゴ ©2025「3つのグノシエンヌ」パートナーズ ©2025「蟲」パートナーズ ©2025「白昼夢」パートナーズ

 10月3日公開となるのは、変装して妻の反応を楽しむ男を主人公にした1925年発表の短編「一人二役」を原案とした『3つのグノシエンヌ』。
 脚本と監督は『リュウグウノツカイ』(2013年)『うみべの女の子』(2021年)などのウエダアツシ監督。
 主演をつとめるのは、舞台「刀剣乱舞」や「進撃の巨人 -the Musical-」など数々の人気舞台に出演するほか『追想ジャーニー リエナクト』(2024年/谷健二監督)など映像作品でも活躍する松田凌さん。
 『雨ニモマケズ』(2025年/飯塚冬酒監督)主演の安野澄(あんの・ゆら)さん、大河ドラマ「べらぼう」(2025年)などに出演し舞台衣装家・アパレルデザイナーとしての顔も持つ岩男海史(いわお・かいし)さん、『逃走』(2025年/足立正生監督)などに出演する前迫莉亜さんが共演します。

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『3つのグノシエンヌ』主演:松田凌さん

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『3つのグノシエンヌ』共演:安野澄さん

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『3つのグノシエンヌ』共演:岩男海史さん

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『3つのグノシエンヌ』共演:前迫莉亜さん

3つのグノシエンヌ

  • 松田凌 安野澄 岩男海史 前迫莉亜

  • 監督・脚本・編集:ウエダアツシ
  • 原案:江戸川乱歩「一人二役」

  • ©2025「3つのグノシエンヌ」パートナーズ

2025年10月3日(金) シネマート新宿、池袋シネマ・ロサ ほかロードショー

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 10月17日公開となるのは、内向的な主人公の初恋相手との再会が猟奇的な結末へと向かう1929年発表の同名中編を原案とする『蟲』。
 脚本・監督は『餓鬼が笑う』(2021年)『サーチライト-遊星散歩-』(2022年)などの監督作のほか、助監督として『ナミビアの砂漠』(2024年/山中瑶子監督)や今泉力哉監督作品などインディーズから商業映画まで多くの作品に参加する平波亘監督。
 主演は、舞台を中心に映画やドラマなど多くの話題作に出演し、今回が映画初主演となる平埜生成(ひらの・きなりさん)。
 ミスジャパン2021宮城ファイナリストで映画やドラマなど俳優としても活躍する佐藤里菜さん、『おんなのこきらい』(2014年/加藤綾佳監督)『クオリア』(2023年/牛丸亮監督)などの若手実力派・木口健太さん、Netflixの恋愛リアリティ番組「韓国ドラマな恋がしたい」(2023年)やアプリ配信ドラマ「いい妻やめました」(2025年)主演などの北原帆夏(きたはら・ほのか)さん、多くの映画監督から信頼される山田キヌヲさんが共演します。

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『蟲』主演:平埜生成さん

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『蟲』共演:佐藤里菜さん

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『蟲』共演:木口健太さん

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『蟲』共演:北原帆夏さん

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『蟲』共演:山田キヌヲさん

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  • 平埜生成 佐藤里菜 木口健太 北原帆夏 / 山田キヌヲ
    細川佳央 橋野純平 中山求一郎 

  • 監督・脚本:平波亘
  • 原案:江戸川乱歩「蟲」

  • ©2025「蟲」パートナーズ

2025年10月17日(金) シネマート新宿、池袋シネマ・ロサ ほかロードショー

 10月31日に公開されるのは、ひとりの男が妻を殺したと告白する1925年発表の短編「白昼夢」と覗きが趣味の男が殺人を目撃する1926年発表の長編「湖畔亭事件」の2作品を原案にひとつの作品として構成した『白昼夢』。
 監督は『ダラダラ』(2021年)で監督デビューし『心平』(2023年)で高い評価を得た山城達郎監督。脚本は「相棒」「特捜9」シリーズなどの人気シリーズの脚本を手がけ『ダラダラ』でも山城監督とタッグを組んでる川崎龍太さんが担当しています。
 主演をつとめるのは、映画『衝動』(2021年/土井笑生監督)『夜明けのすべて』(2024年/三宅唱監督)やテレビ小説「虎に翼」(2024年)などに出演し、今回が映画初主演となる見津賢(みつ・さとし)さん。
 共演には、テレビドラマ「ぽっかぽか」(1994年)で子役デビューし「3年B組金八先生」(第7シリーズ・2004年)など多くの作品に出演し近年は舞台でも活躍する上脇結友(かみわき・ゆう)さん、企画にも携わりダブル主演をつとめた『SUPER HAPPY FOREVER』(2024年/五十嵐耕平監督)や『STRANGER』(2023年/池田健太監督)などの宮田佳典さんが共演しています。

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『白昼夢』主演:見津賢さん

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『白昼夢』共演:上脇結友さん

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『白昼夢』共演:宮田佳典さん

白昼夢

  • 見津賢 上脇結友 宮田佳典 / ほたる 川瀬陽太
    佐々江天真 月石しのぶ 前田龍平 田川恵美子 小川沙羅 小野寛幸 大迫一平 

  • 監督:山城達郎
  • 脚本:川崎龍太
  • 原案:江戸川乱歩「白昼夢」「湖畔亭事件」

  • ©2025「白昼夢」パートナーズ

2025年10月31日(金) シネマート新宿、池袋シネマ・ロサ ほかロードショー

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 各作品のウエダアツシ監督、平波亘監督、山城達郎監督と、主演の松田凌さん、平埜生成さん、見津賢さんが、次のようにコメントを発表しています。

『3つのグノシエンヌ』主演:松田凌さんコメント

記事写真 違う誰かになりたい
誰しも一度は考えたことがあるように
江戸川乱歩の生み出した少し窪んだ世界はどこか知っている場所でもありました
近からず遠からず、すぐ隣にあることのようで食べ物は喉を通らなくて
まごついている自分を監督に導いていただいて
撮影スタッフの皆さんと共演者の皆さんと
この映像をつくりました
自分もその一人として参加させていただいて
撮り終えた時、もっと撮ってもらいたいと
より映画が好きになったのを鮮明に憶えています
屈折しえぐみのある時間が皆様の目と心にはどう映るんだろう
江戸川乱歩の世界をより知っていただけるきっかけの一つになれたら幸いです
頭を開いて
ゆっくりと

『3つのグノシエンヌ』ウエダアツシ監督コメント

<学生の頃に『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(石井輝男監督)をはじめ、『D坂の殺人事件』(実相寺昭雄監督)や『双生児-GEMINI-』(塚本晋也監督)など、乱歩原作の傑作映画には大きな影響を受けましたので、本企画に参加できたことは光栄な限りです。今回原案とした「一人二役」はちょうど100年前に書かれた短編小説です。この100年で社会は大きく変わりましたが、乱歩が描いた“人間の本質”は変わらない…というか、むしろその狂気性や欲望の類いは多様化とともに個人化が進む現代において、新たなリアリティを生み出しているようにさえ思えます。そんな乱歩の世界観を松田凌、安野澄、岩男海史、前迫莉亜という4名の素晴らしい個性をもつ俳優たちが見事に体現してくれました。とてもシリアスで、とても滑稽で、とてもイビツな“愛の奇談”をぜひ映画館でお愉しみください。

『蟲』主演:平埜生成さんコメント

記事写真 初めての主演映画で凄まじい作品と出会うことが出来ました。俳優として、これほど幸せなことはありません。この作品は、『蟲』というタイトルからは想像つかないほどの「愛(アイ)」が詰まっています。究極のラブ・ストーリーといってもいい。また、乱歩への愛、映画への愛、人間への愛にあふれています。なにより、平波監督の愛に満ちています!
のぼせるほどアツい撮影でした。必死でした。夢中でした。がむしゃらでした。キャスト・スタッフの烈しいエネルギーが凝縮されています。強烈です。毒々しいです。艶やかです。そして、やっぱり愛おしいです。
この「愛(AI)」の物語が、たくさんの方の胸をつき抜きますように!

『蟲』平波亘監督コメント

『蟲』という映画をつくりました。
このお話をいただいた時、小学校時代に図書館で初めて借りた書籍が江戸川乱歩だったことを、鮮明に思い出しました。
脚本化するにあたって、ひさびさに読んだ乱歩の世界は、そこに生きる人たちの倒錯的な愛や歪んだ欲望が、現代社会に棲む私たちの生態がそのまま映し出されているようでした。そうです。ようやく時代が乱歩に追いつきつつあるのです。
この映画は、理不尽な世界に翻弄されながら、叶わぬ愛を届けようとする愚かものたちの想いを、本当に素敵な役者とスタッフで可視化することを目指しました。結果、自分の想像を遥かに超えたとても可愛くてポップな映画になったと思います。ぜひ、劇場でお楽しみください!

『白昼夢』主演:見津賢さんコメント

記事写真 本作で主演を務めました見津賢です。
はじめて脚本を読ませていただいた時に、面白い題材で、観る人はどんな印象を抱くんだろうかと予想ができない危うさみたいなものを感じました。そこから主人公や作品について山城監督達と話し合いながらブラッシュアップをしていきました。実際に撮影を終えてもはっきりとした答えは出ないままでした。でもそれが乱歩の世界観に近いのかと気付かされたのです。乱歩二作品の題材を織り交ぜ現代に落とし込んだこの『白昼夢』で起こる化学反応のような何かを、観た皆さんがどう感じるのか、まるで非現実なることが起こる夢の中にいる感覚を味わっていただけるのではないでしょうか。

『白昼夢』山城達郎コメント

「あれは白昼の悪夢だったのか、それとも現実の出来事だったのか。」
江戸川乱歩の『白昼夢』は、この印象的な一文から始まります。わずか数ページの“掌握小説”でありながら、乱歩独特の妖しさと不穏さが凝縮された作品です。今回、映画化するにあたり、『白昼夢』の世界観に、長編小説『湖畔亭事件』の“覗くことに執着する男”という人物を組み合わせ、主人公の内面に深く踏み込みながら、現代を舞台に再構築しました。
乱歩が描いた人間の“性(さが)”は、100年経った今もなお強烈で、鋭く私たちの心に刺さります。見津賢さん、上脇結友さん、宮田佳典さんという魅力的な俳優陣と共に、“覗く男”と“覗かれる夫婦”という特殊な関係性の人物たちを丁寧に掘り下げていきました。
その先にある真実は果たして――「白昼の悪夢か、現実か」 ぜひ劇場でお確かめください。

 各作品のストーリーは今後発表される予定で、それぞれの原案がどうアレンジされているか期待されます。

 これまでに多くの監督や俳優たちによって映像化されてきた江戸川乱歩作品を、令和の時代に現代劇として蘇らせる「RAMPO WORLD」は、10月3日金曜日より、東京のシネマート新宿、池袋シネマ・ロサほか3作品連続公開されます。

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