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平安の悲恋を怪談として描く栗栖直也監督の短編3DCGアニメ『後朝の花雪』10月劇場公開

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解禁された『後朝の花雪』ポスターヴィジュアル ©Hand to Mouse.栗栖直也(※クリックで拡大します)

 「今昔物語」の一編をモチーフに平安の悲恋を怪談として描いた栗栖直也監督の3DCG短編アニメ『後朝の花雪』(きぬぎぬのはなゆき)が10月17日に東京のシネ・リーブル池袋ほか全国順次公開されることが発表され、ポスターヴィジュアルと予告編や場面写真、監督ステートメントと応援コメントが解禁されました。

 作画作業をほぼひとりでおこない7年をかけて完成させた自主制作3DCGアニメ『ねむれ思い子、空のしとねに』(2014年)が海外映画祭での上映などを経て2016年に国内劇場公開され話題となった栗栖直也監督。
 近年はヴァーチャルシンガー・初音ミクのコンサート映像制作、東京国立博物館ミュージアムシアターや京都御苑閑院宮邸跡内シアターでのVRによる歴史資料再現など、3DCGアーティストとして高い評価を受けている栗栖監督の9年ぶりの劇場公開作が『後朝の花雪』です。
 SF作品であった前作『ねむれ思い子、空のしとねに』から一転、「今昔物語」の一編をもとに、平安時代の京都での下級貴族の恋を怪談というかたちで映像化。
 前作同様、作画作業のほぼすべてを栗栖監督がひとりでおこなうスタイルで制作され、徹底した時代考証により、いまだかつてない平安絵巻を3DCGで実現させました。
 監督のこだわりから、現代語版の公開後に平安の言葉による古語版の発表も予定されています。

 声の出演は、主人公の時正役に多彩なメディアで展開する「ヒプノシスマイク」や劇場アニメ『映画大好きポンポさん』(2020年/平尾隆之監督)などの木島隆一さん、時正の恋の相手・小浜役にVOCALOID結月ゆかりのボイス担当で知られ『ねむれ思い子、空のしとねに』に続いての栗栖監督作品出演となる石黒千尋さんと、人気声優が揃いました。

 公開決定にあたり、ポスターヴィジュアルと予告編、場面写真が解禁。
 また、栗栖監督がステートメントを発表。また人気アニメ「名探偵コナン」の初代プロデューサーをつとめるなど数多くの作品に携わるアニメプロデューサーの諏訪道彦さんがコメントを寄せています。

【『後朝の花雪』予告編】

アニメプロデューサー:諏訪道彦さんコメント

訳あって女を捨てた男の行く末と、捨てられた女の純粋すぎる心。
そうなんだ、そのどちらも今の時代に見ないものなんだ。
ダークに見えてまさにピュアな現代の御伽草子。
作画や音響はその時代を微に入り細に入り映し取っていて見事。
その上で見るものに伝えたいエネルギーをかぶせてる。
大切にしたい作品ですね。

栗栖直也監督ステートメント

おそらく学校で習うこともあるのでしょう、一般に平安時代と言えば『源氏物語』に代表される王朝文学を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。もちろん源氏物語が素晴らしい作品であることに異論はありませんが、庶民から徴収した税で安穏と生活しつつ、女性を口説く事ばかりに執心する上流貴族達の日々が、当時の代表的イメージであることに常々違和感も感じておりました。
そんな思いもあり、私の初作品『文使』では白拍子と牛飼童という「貴族でない男女」の恋を奇譚として描き、ありがたいことに多くの方に楽しんでいただけました。
その後はもう一つの私の柱であるSF作品(『ねむれ思い子 空のしとねに』)を形にしたのですが、その制作中もずっと「次はまた時代物を作りたいな」という思いが強く、今回初作品から二十年ぶりの平安短編『後朝の花雪』という形で結実いたしました。
古典文学の中でも庶民が多く登場する『今昔物語』の一編を脚色し、下級貴族の恋模様を怪談という形で描いた本作が、また平安時代の違った一面を皆様に感じていただける機会になれば本当に嬉しいです。

 劇場公開にあたっては、前作『ねむれ思い子、空のしとねに』を高解像度化・新音響によって作品本来のポテンシャルを引き出したデジタルリマスターバージョンで同時上映。SFと時代物という、栗栖監督のふたつの志向を1度に堪能できる機会となっています。

 短編『後朝の花雪』と中編『ねむれ思い子、空のしとねに』デジタルリマスターバージョンは、10月17日金曜日より、東京のシネ・リーブル池袋、大阪のテアトル梅田、京都のアップリンク京都ほか、全国順次公開されます。

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解禁された『後朝の花雪』場面写真

『後朝の花雪』物語

千年前の京都。かつて捨てた女の家をふと尋ねた時正は、その館の中で朽ちずに残っている女の骸と、当たりを漂う不気味な光を目撃する。自分を恨んで死んだ女の祟りを恐れ、時正は陰陽師・賀茂忠行の元を訪れるが...
ポスター

後朝の花雪

  • 声の出演:木島隆一 石黒千尋 武虎 福島おりね

  • 監督・脚本:栗栖直也
  • 音楽:Kawagen
  • 製作:Hand to Mouse.
  • プロデューサー:森田一人/西村よしたか
  • 音響監督:鍛冶谷功
  • 音響エンジニア:堀田英二
  • 音響効果:高梨絵美
  • 配給:インターフィルム

  • 2025年/カラー/16:9/5.1ch/15分|PG12

2025年10月17日(金) シネ・リーブル池袋、テアトル梅田、アップリンク京都 ほか全国順次公開
同時上映『ねむれ思い子、空のしとねに』デジタルリマスターバージョン

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