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太田隆文監督が自身の闘病体験を窪塚俊介さん主演で映画化『もしも脳梗塞になったなら』12月公開

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解禁された『もしも脳梗塞になったなら』ポスターヴィジュアル ©シンクアンドウィル 青空映画舎(※クリックで拡大します)

 脳梗塞を経験した太田隆文監督が、窪塚俊介さん主演で自身の闘病体験を映画化した『もしも脳梗塞になったなら』が、12月20日新宿K's cinemaほか全国順次公開となることが発表され、ポスターヴィジュアルとメイキング写真、太田監督のコメントが解禁されました。

 『ストロベリーフィールズ』(2006年)で劇場監督デビュー以降『青い青い空』(2010年)や『朝日のあたる家』(2013年)『沖縄狂想曲』(2024年)など、ファンタジーから青春ストーリー、社会派ドラマ、ドキュメンタリーなど、幅広いジャンルで精力的に作品を送り出してきた太田隆文監督は、2023年に脳梗塞を発症。映画づくりを最優先にしてきた10数年間の無茶な生活がたたり、心肺機能の低下や両目の半失明などもあり監督業引退の危機に瀕しつつも、自分の経験が誰かの役に立てばという思いから自身の闘病生活の映画化を決意、ノンフィクション映画『もしも脳梗塞になったなら』を実現させました。
 発症から検査、治療、入院、手術、リハビリと、闘病の日々をリアルに再現するだけでなく、闘病中に寄せられた的はずれな助言や嫌がらせ、悪意のない無自覚な病人を踏みつける言動などの描写も交え、身近な家族や友人はどうすべきなのか、そして闘病を通じて気づく大切なことを、暗くなることなく、笑いと感動のストーリーとして描いています。

 太田監督の分身といえる主人公の映画監督・大滝隆太郎を演じるのは窪塚俊介さん。故・大林宣彦監督に師事し大林監督作『理由』(2004年)でメイキング監督をつとめた太田監督の役を、『花筐/HANAGATAMI』(2017年)で主演をつとめるなど後期大林作品の常連俳優であった窪塚さんが演じるという、大林監督との縁で結ばれたキャスティングとなっています。
 そして、隆太郎の妹に藤井武美さん、隆太郎の母親に田中美里さん、隆太郎を応援するネット仲間に藤田朋子さんら、過去の太田監督作品に出演経験のある俳優陣も出演。また、ネット仲間役で名優・佐野史郎さんが出演しています。

 9月1日より開催されるロサンゼルス日本映画祭2025(Japan Film Festival Los Angeles 2025)で9月6日にワールドプレミア上映が決定している『もしも脳梗塞になったなら』が、12月20日より劇場公開。
 公開決定にあたり、主人公の隆太郎と妹を中心に大勢の登場人物たちが取り巻き、ポップなタイトルロゴも印象的な、病気を題材としつつも明るいイメージのポスターヴィジュアルが解禁。
 撮影現場でエキストラに挨拶する太田監督、大滝監督役の窪塚俊介さんと太田監督本人が並んだツーショットの、メイキング写真2点と、太田監督のコメントも解禁されています。

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解禁された『もしも脳梗塞になったなら』メイキング写真。太田隆文監督自身がモデルである主人公の映画監督・大滝隆太郎に扮する窪塚俊介さん(左)と、太田隆文監督

太田隆文監督コメント

2年前のエイプリール・フールに脳梗塞になった。長年、無茶な仕事を続けたせいだ。映画監督歴17年。監督業だけでなく毎回、脚本、プロデューサー・・・と7人分の仕事。盆暮れ関係なしで働いた。両目ともに半分失明。脳の障害で文字の読み書きが一時的に出来なくなった。言葉も一時的にうまく話せなくなった。医者には、3回の手術をした後にリハビリを続ければ、どうにか映画監督業に復帰出来ると言われた。

「そうだ!この経験を映画にしよう!」と決めた。と言うのも、脳梗塞のことはよく聞いていたが、具体的にどんな症状か知らなかった。周りの友人たちも同様。心配するどころかギャグにまでされた。病気のことを知らないネット友達があれこれ的外れのアドバイス。嫌がらせも多かった。2年を超える闘病生活で、様々な経験をした。これを映画にすれば、もし、誰かが脳梗塞になった時、あるいは家族や友人が脳梗塞になった時に役に立つはずだ。

シナリオは何とか書けたが、当時は自分で読むことが出来なかった。撮影はまだ脳の具合が悪い頃で、心臓機能も低下中だった。だが、元気になってから撮影すると病気の辛さを忘れているだろうと思い、担当医には内緒でクランクイン!ただ、体力がないので、長期間の撮影は無理。時間と体力の戦いだった。本物の病人だからこそ、リアルな病人像を描ける。病気を経験したことで知った「人生に大切なこと」をこの映画で伝えたい。

 スタッフでは、撮影監督と編集に後期大林作品を支えたカメラマンで太田監督ともたびたびタッグを組んでいる三本木久城(さんぼんぎ・ひさき)さん、助監督に『君の笑顔に会いたくて』(2017年)などの監督作がある植田中(うえだ・なかば)さんら、経験豊富なスタッフが参加し、撮影時には万全の状態でなかった太田監督をサポートしています。

 笑いと涙で病気と医療を描き、英題の「It's a Wonderful Life」にも作品のメッセージが感じられる『もしも脳梗塞になったなら』は、12月20日土曜日より、東京の新宿K's cinemaほか、全国順次公開されます。

※記事初出時にスタッフのお名前を誤って記載した箇所がありました。お詫びして訂正します。(9月1日修正)

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解禁された『もしも脳梗塞になったなら』メイキング写真。エキストラにあいさつする太田隆文監督

『もしも脳梗塞になったなら』あらすじ

1人暮らしの映画監督・大滝隆太郎は突然、脳梗塞を発症。目がよく見えない。言葉もうまく出ない。心臓機能が20%まで低下、夏の猛暑で外出は危険。友人に電話しても「お前が病気?笑わせるなよー」と言われ、SNSに闘病状況を書いても、的外れな助言や誹謗中傷ばかり。「俺はこのまま孤独死?」と追い込まれるが、意外な人たちから救いの手が? 本人には悲劇、周りの人たちには喜劇?病気と医療を笑いと涙で描く社会派現代劇。
ポスター

もしも脳梗塞になったなら

  • 窪塚俊介 藤井武美
    水津亜子 久場寿幸 冨田佳輔 並樹史朗 酒井康行 嵯峨崇司 仁科貴 安部智凛
    奈佐健臣 川淳平 杉山久美子 田辺愛美 飯島大介 三輪和音 新宮里奈 宮本弘佑 鯛中蓮都
    藤田朋子 田中美里 佐野史郎

  • 監督・脚本:太田隆文
  • 製作:鯛中淳
  • プロデューサー:太田隆文
  • ラインプロデューサー:小林良二
  • 撮影監督:三本木久城
  • Bカメ:佐藤遊
  • 録音:西山秀明
  • 助監督:植田中
  • 制作担当:江尻健司
  • 衣裳:藤田賢美
  • ヘアメイク:道地智代
  • スチール:千葉朋昭
  • 編集:三本木久城
  • 提供:シンクアンドウィル
  • 制作:青空映画舎
  • 配給:渋谷プロダクション

  • 2025年/アメリカンビスタ/ステレオ/102分

2025年12月20日(土) 新宿K's cinema ほか全国順次公開

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