昨年惜しくも世を去った怪獣造形界のレジェンド・村瀬継蔵さんのドキュメンタリー映画『怪獣と老人』が村瀬さんの一周忌となる10月13日東京の池袋HUMAXシネマズで特別公開されることが発表され、キーヴィジュアルと予告編が解禁されました。
1935年生まれの村瀬継蔵さんは、1958年に東宝に入社し『大怪獣バラン』(1958年/本多猪四郎監督・円谷英二特技監督)に参加したのを皮切りに『ゴジラ』シリーズなど東宝の特撮映画に造形スタッフとして携わり、その後も大映の『大怪獣ガメラ』(1965年/湯浅憲明監督)や「大魔神」シリーズの造形を担当。1970年代には東映の「仮面ライダー」(1971年)や円谷プロ「ウルトラマンA」(1972年)などのテレビ作品に参加して返信ブームを支え、さらに海外の作品に招かれて参加。その後も永年にわたり日本の特殊造形美術の第一人者として活躍し、その功績から2024年に第47回日本アカデミー賞協会特別賞を受賞しました。
2024年には、永年あたためてきた構想を実現させた初の総監督作品『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』が公開され、89歳にして新たな一歩を刻みましたが、惜しくも映画公開間もない10月14日に病気のより世を去られました。
このほど公開される『怪獣と老人』は、フリーディレクターとして「情熱大陸」などのドキュメンタリー番組やバラエティ番組の演出を担当してきた中野伸郎監督が、村瀬継蔵さんに密着したドキュメンタリー映画。
中野監督はテレビ番組をきっかけに村瀬さんと交流を持ち、村瀬さんから『カミノフデ』の原案となった「神筆」のプロットを見せられたことをきっかけに8年に及ぶ密着取材を開始し、ドキュメンタリー『怪獣と老人』を完成させました。
ナレーションはテレビドラマ「はぐれ刑事純情派」シリーズの今井刑事役などで知られる若林哲行(わかばやし・てっこう)さんが担当。
東京を拠点に活動するバンド・ペリカンオーバードライブのボーカル&ギターの増岡謙一郎が主題歌を担当しています。
解禁された予告編映像は、カメラに向かって怪獣のようなポーズをとっておどける村瀬さんの姿で幕を開け、自身のプロットを映画化しようと奮闘する村瀬さんの姿や、自ら造形作業をおこない撮影現場で指示を出す村瀬さんの精力的な姿が映し出され、80歳を越えて歩みを止めない村瀬さんの姿が観客にメッセージを伝える映像。
同時に解禁されたキーヴィジュアルも、予告編冒頭の村瀬さんの写真に「踊り出せ!オレの怪獣よ 決めつけるな!高齢者を」というコピーが添えられ、作品が伝えるものを象徴するデザインとなっています。
レジェンドの青春を描くドキュメンタリー『怪獣と老人』は、祝日である10月13日月曜日に東京の池袋HUMAXシネマズで特別公開されます。