「ぶんちゃん」の愛称でSNSで人気の女優・西堀文さんが初の映画主演をつとめる小池匠監督の短編『いってきます。』が、11月21日よりシモキタ - エキマエ - シネマ『K2』で公開されることが発表され、ポスターと予告編などが解禁されました。
『いってきます。』は、東京・世田谷の一角にある小さな一軒家を舞台に、久々に戻った実家が間もなく取り壊されると知って戸惑う主人公・沙織と、その両親とのやり取りを通して「家族」が過ごす時間を描いていく短編作品。
CMやミュージックビデオなどを手がけるムービーカメラマンであり、第16回札幌国際短編映画祭最優秀国内作品賞受賞作『雨のまにまに』(2020年/金澤勇貴監督)など、ショートフィルムのプロデュースも精力的におこなっている西岡空良(にしおか・そら)さんがプロデュースと撮影監督をつとめており、企画のもととなったのは西岡さん自身の実家の取り壊しの体験。
短編『消しかすの花』(2020年)が第1回TOKYO青春映画祭グランプリなど各地の映画祭で12冠を獲得し、2025年には中編『アイチェルカーレ』(2025年)が各地で上映中の小池匠監督が、両親と娘が過ごした家を舞台に「家族」の思いが交錯する脚本を執筆し、メガホンをとっています。
主人公の東堂沙織役には、SNSに投稿された「あるあるネタ」の一人芝居動画が人気となり2025年9月時点で42万人以上のフォロワーを持つ「ぶんちゃん」こと西堀文(にしぼり・あや)さんを起用。全国公開作『うぉっしゅ』(2023年/岡崎育之介監督)出演など活躍中の若手女優が映画初主演をつとめます。
共演は、沙織の父・正紀を小池匠監督作品には欠かせない俳優の山口森広さん、沙織の母・ゆかりを『本を綴る』(2024年/篠原哲雄監督)などの本橋佳代子さん、沙織の彼氏・岡本弘樹をインディーズ映画を中心に活躍する岡崎森馬さん、幼少期の沙織を子役の田村優芽さん。
そして、挿入歌「思い出とハンバーグと私」を福岡を拠点に活動するあかたろさん、主題歌「風とおる道」を動画サイトで15万人以上のフォロワーを持つ音楽ユニオン「名古屋ギター女子部」の一員として活躍した伊藤汐梨さんと、注目のシンガーソングライターが書き下ろしで楽曲を提供し、映画を優しく彩っています。
『いってきます。』場面写真。西堀文さんが演じる主人公・東堂沙織
先ごろ開催されたアジア最大級の国際短編映画祭・ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2025のコンペティション部門で正式上映され、最も観客に鑑賞されたMost Viewed Awardに輝いた『いってきます。』が、11月21日より劇場公開。
公開発表にあたり解禁されたポスターヴィジュアルは、主人公の沙織が両親と、そして幼いころの自分とともに笑う、「家族」の過去と現在、未来の姿を象徴するような写真を使ったデザイン。
両親が撮影した幼い沙織の動画で幕を開ける予告編は、実家の取り壊しを巡っての沙織と両親のすれ違いなど、登場人物たちが小さな家で繰り広げるドラマを予感させていきますう。
また、主演の西堀文さんと、企画・プロデュース・撮影監督をつとめた西岡空良さん、小池匠監督がコメントを発表しています。
企画・プロデューサー・撮影監督:西岡空良さんコメント
映画を撮影する立場の技術者として、これまでさまざまな感性に触れてきました。時間や匂い、その時だけ感じる空気の色や音、その瞬間その時代にしか感じ得ない想いたちをカメラでどう切り取るか。それはレンズを越しても越さずとも普遍的なものであり、その”どう感じたか”を多くの人たちへ伝えるにはどうすれば良いか、日々試行錯誤を続けています。親から子へ移り行く時代と、それにより受取される思いや感情 という難しいテーマを映画としてどう描くか、今回は腹を決めて挑みました。主演の西堀さんはじめ、この作品に関わった全ての方々が、次のステップを踏み、未来へ「いってきます。」と大きく手を振れますように。
主演(東堂沙織役):西堀文さんコメント
今作は私にとって門出です。私事ではありますが初短編映画・初主演でした。俳優としても主演としても頼りない私をキャストスタッフ全員が後押ししてくださったことで座長にしてもらった作品です。あの撮影期間を思い出すと幻のようにぼやーっとしていて、本当にあの家には家族が存在していました。幻だけど幻じゃない、紛れもなく事実に近い思い出が心に染みついています。この作品が初めて誰かの目に触れたときからこの作品は歩き出しています。今思えば「いってきます。」と全員であの家をでて、これから素敵な景色をみるため飛び出したのだと思います。そんな家族のような座組がおりなす今作をどうか温かく見守っていただけたらと思います。
小池匠監督コメント
普段はカメラマンとして過去作でもお世話になっている西岡空良さんから、お声がけいただき本作の監督をいたしました。
本作は「家」を題材として「家族」というものを描きました。一言で家族と言っても様々な形があると思っています。それを描くことの難しさや、製作過程での思いなどを詰め込んで作品を作りました。観た人が家族のことを思い出したり、懐かしんだり、どこかにありそうな日常を切り取れていたらと思っています。
沢山の方の目に触れて、それぞれの思い出に寄り添える、心に残ってもらえたら良いなと思っています。
『いってきます。』は、11月21日金曜日より12月4日木曜日まで、東京・下北沢のシモキタ - エキマエ - シネマ『K2』で公開。初日には舞台あいさつの実施も予定されています。