新鋭・上坂龍之介監督の初長編作品で、偽りの関係から生まれる“絆”を描く『レンタル家族』が、12月6日より東京の新宿K's cinemaで1週間限定公開されます。
『レンタル家族』は、仕事で多忙な日々を送りつつ、高齢となった実家の両親を案じる会社員・洋子が、認知症となり洋子が離婚したことを忘れている母親を安心させるため、別れた夫と娘の代わりの「レンタル家族」を利用するというストーリー。
現実にも存在するレンタル家族サービスから着想し、偽りの関係を演じる中で生まれていく絆を、社会の問題を織り交ぜつつ描き、現代における孤独や家族のあり方を問いかける作品となっています。
会社では忙しく仕事をこなし周囲からの信頼も厚く、プライベートでは離婚を経験している主人公・沼田洋子を演じるのは、荻野友里さん。『ジェファソンの東』(2018年/深田晃司監督)や『にじいろトリップ~少女は虹を渡る~』(2020年/いまおかしんじ監督)など、映画やテレビドラマで活躍する実力派が長編映画初主演をつとめます。
そして、洋子の母親で認知症が進行しつつある千恵子を駒塚由衣さん、洋子の父親で妻を心配しつつふたりで暮らす忠勝を黒岩徹さん、家事手伝いなどをこなすレンタル夫サービスで働き洋子の夫を演じることになる松下豪を龍輝(たつき)さん、松下の知り合いで洋子の娘を演じる安田朱里を子役の中本りなさんが演じるほか、松林慎司さん、子役の中村芽生さん、田崎礼奈さん、田中壮太郎さん、鈴木浩文さん、小野孝弘さんらが出演しています。
『レンタル家族』場面写真。主人公の沼田洋子(後列中央・演:荻野友里)、レンタル夫の松下豪(後列左・演:龍輝)、洋子の娘を演じる安田朱里(前列左・演:中本りな)、洋子の父親・忠勝(後列右・演:黒岩徹)、洋子の母親・千恵子(前列右・演:駒塚由衣)
メガホンをとった上坂龍太郎(こうさか・りゅうたろう)監督は、幼いころから映画監督を目指し、自ら設立した制作会社でCMや番組制作などに携わってきた1995年生まれの新鋭。初の長編監督作となる『レンタル家族』は、現在第一線で活躍する多くの監督が過去に受賞してきた中之島映画祭で第23回(2025年開催)グランプリを受賞するなど初監督作ながら高い評価を得て、劇場公開を迎えます。
劇場公開に向けて公開されている予告編(30秒バージョン)は、母親の認知症に戸惑う洋子の姿で幕を開け、母親の誕生日を祝うために家族を演じる松下と朱里が洋子と新たな関係を築いていく過程が映し出されていきます。
また、予告編で流れている曲は、5人組バンド・不眠旅行(ねむらずトリップ)による映画主題歌「homes」。同バンドが映画主題歌を担当するのは初めてで、上坂監督の初監督、荻野さんの初主演とともに、初尽くしとなっています。
緻密に構成され、登場人物ひとりひとりを丁寧に描いていく脚本と演出、俳優陣の繊細な演技、ときに寄り添いときに俯瞰する視点を感じさせる映像により、現代を生きる人々が抱えるものや、人と人の間に生まれるものを丹念に描いていくヒューマンストーリー『レンタル家族』は、12月6日土曜日より東京の新宿K's cinemaで1週間限定公開されます。