村口知巳監督が「死を想うこと」を題材に描いた初長編で各地の映画祭で上映・受賞している『HOLD UP MORNING』が、2026年春に新宿K's cinemaほかにて劇場公開されることが決定し、公開を支援するクラウドファンディングが実施されています。
『HOLD UP MORNING』は、不思議な女性・ツタを主人公にした物語。最愛の人を失った青年、妻を亡くしたラジオDJ、記憶障害と希死念慮を持つ女性、喪失を抱える3人が、ツタとの出会いをきっかけにそれぞれの人生と向き合っていく姿が描かれていきます。
主人公のツタを演じるのは、主演作『GLIDE』(2020年/鈴木トウサ監督)で第21回TAMA NEW WAVEベスト女優賞を獲得するなど映画や舞台で活躍するつかささん。
そして、最愛の人を失った二見役にはPFFアワード2020審査員特別賞受賞作『未亡人』(2020年)の監督で『平坦な戦場で』(2023年/遠上恵未監督)で主演をつとめた野村陽介さん、妻を亡くしたラジオDJ・雨宮役には『餓鬼が笑う』(2021年/平波亘監督)など多くの作品に出演し『クオリア』(2023年)で監督デビューを果たした牛丸亮さん、記憶障害と希死念慮を持つ女性・静奈役に『東京不穏詩』(2018年/アンシュル・チョウハン監督)で主演をつとめるなど映像作品で活躍する飯島珠奈さん、さらに田丸大輔さんや佐々木悠華さんら、インディーズ作品を中心に活躍する実力派俳優が出演しています。
脚本と監督は、伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2017グランプリを受賞したシナリオを自ら映画化した短編『あるいは、とても小さな戦争の音』(2018年)や『リインシデンス』(2021年)『ホノルル』(2024年)など、国内外の映画祭で受賞・ノミネートする短編作品を送り出してきた村口知巳監督。若き日に出会い影響を受けたアメリカの作家、カート・ヴォネガットの死生観やユーモアを再解釈し、初の長編作となる『HOLD UP MORNING』を生み出しました。
2024年に開催された第2回NAGOYA NEWクリエイター映像AWARDでグランプリに輝いたのをはじめ、第25回TAMA NEW WAVE「ある視点」部門出品、唐津国際映画祭2025フィルミネーション賞受賞、第17回日本映像グランプリ上映など、各地の映画祭での上映や受賞を重ねてきた『HOLD UP MORNING』が、いよいよ2026年春劇場公開。
公開決定にあたり、印象的なツタの横顔で幕を開け、二見、雨宮、静奈それぞれの抱える喪失とツタとの出会いを映し出し、本編への予感を高める予告編が公開されています。
また、公開に向けたクラウドファンディングが実施されています。
このクラウドファンディングは『HOLD UP MORNING』を全国へ、そして世界へとより広く届けるために実施されているもので、集まった資金は劇場公開や映画祭出品のための広告宣伝費として使われます。
リターンには、映画のオリジナルグッズなどのほか、日本国内限定で出張上映も用意されています。
文学的でエッジの効いた独自の世界を持つ『HOLD UP MORNING』は、2026年春、東京の新宿K's cinemaとシモキタ - エキマエ - シネマ『K2』で公開されます。
村口知巳監督コメント
若い頃、生きる意味を見失っていた自分に、アメリカ作家カート・ヴォネガットの死生観とユーモアは“痛みを抱えながらも生きていく”という静かな希望を教えてくれました。初めて長編映画に挑むにあたり、その感覚と、当時抱えていた 生きづらさを自分なりに形にしたいと思い、本作を制作しました。誰かの人生の片隅で、そっと寄り添うような物語になれば嬉しく思います。