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『スプリング☆デイズ』立花未樹さんインタビュー

立花未樹さん写真 高校1年生の千春は、映画作りを目指して放送研究会に入部。注目を集めるために学校に内緒でテレビ放送をおこない、クラスメイトたちからは好評を得たものの、それが先生たちにばれて研究会も退部することに。落ち込む千春だったが、周囲の励ましに、クラスメイトと一緒に映画作りに立ち上がる。果たして、彼女たちの映画は完成するのか?
 『スプリング☆デイズ』は、失敗や困難に突き当たりながらも夢に向かって進む女子高生の姿を、ガールズ・ムービーに往年のアイドル映画のテイストも加えて描く青春グラフィティ。
 この作品で主人公・千春役に抜擢され、瑞々しい演技を見せているのは、これが映画初出演となる立花未樹さん。現在、高校1年生。撮影時にはまだ中学生だった立花さんのフレッシュな魅力に迫ります。

立花未樹(たちばな・みき)さんプロフィール

1991年北海道生まれ。13歳のときから芸能活動を開始。2005年にアメリカンファミリー生命保険のCM「浦島太郎編」に出演。『スプリング☆デイズ』が初の映画出演となる。ほかの出演作にDVDドラマ「true tears 〜pure album〜」(2006年/畑澤和也監督)がある。現在、ネットテレビ番組「アイドルcheck!」でMCをつとめる。

最初は演じるということにも実感がなかった

―― 初めての映画主演が決まったときは、どんな気持ちでした?

立花:すごくビックリしました。撮影が去年のゴールデンウィークのころで、その前にオーディションがあったんですけど、私はそのときにあまりうまくできなかったんです。たとえば、携帯電話で誰かと話をしているという演技をやったんですけど、私はやっているうちに「いったい誰と話しているんだろう?」みたいになっちゃって(笑)。だから、絶対ダメだろうなって思っていたときにお話をいただいたので、驚きました。

―― 映画の内容についてはどう思われましたか?

立花:いまどきこんなベタベタなアイドル映画があるのかと思いましたね(笑)。今の時代の映画っていうと、恋愛映画とかホラーとかだと思っていたんですけど、こういうアイドルものっていうのはあんまり観たことがなかったので、面白いなって思いました。

―― そういう作品を自分が演じるということについては?

立花:最初は演じるっていうことにも実感がなかったんですけど、私の演じた千春という役がすごく自分に似ていて、感情移入しやすいかなって思ったんです。なので、けっこう思ったよりもすんなりと入っていけました。

―― 今回の映画までは、お芝居の経験はなかったんですよね?

立花未樹さん写真

立花:まったくなかったです。ドラマも含めてこれが初めてだったので、すごく緊張しました。初めてやることばっかりだから、演技だけじゃなくて、撮影というものをどういうふうにやるのかも全然わからなかったので、そこは監督とか、スタッフの方たちにすごく助けていただいて、ありがたかったです。

―― 初めてのお芝居で、難しかった部分はありましたか?

立花:映画を撮り始める前に、監督とリハーサルをしたんですね。そのときに「そこはそういう演技じゃなくて、こうしたほうがいいよ」というように、いろいろ指導していただきました。たとえば、千春がお酒を飲んじゃって酔っ払うシーンがあるんですけど、私は最初はただフラフラになっているっていうだけだったんです。でも、監督から「酔っ払ったらもっとテンションもハイになるんだよ」とか、そういうことを指導していただきました。

―― さきほど、千春は立花さんと似ているというお話がありましたけど、似ている部分と違う部分ってありますか?

立花:共通点といえば、周りを見なくて、すごくマイペースなんですね。だから周りの意見とかはあまり気にしなくて、ひたすら突き進んでいくって感じです。違うところは、私は脚本を読んだときに、たぶん千春は血液型がB型だと思ったんですね。それで監督ともお話をして「千春はB型だ」ってことになったんですけど、あたし自身はA型なんですよ。だから、映画の中で千春が落ち込むところがありますけど、どっちかっていうとあれが私の素に近いんです。私は根本的にネガティブなところがあって、落ち込むときはほんとに落ち込んだりするので、そこは千春と違うかなと思います。

―― そういう、落ち込んだりする部分があることで、より千春というキャラクターがリアルになっていたと思います。

立花:そう見えていると嬉しいです。ありがとうございます。

リハーサルのときから集まるのが楽しくて、学校みたいな感じ

―― 今回は出演者も年齢の近い方々が多かったと思いますけど、現場はどんな感じでした?

立花:もう、友達とかクラスメイトみたいな感じでした。撮影前のリハーサルのときから集まるのが楽しくて、ほんとに学校に来ているみたいな感じで、すごく楽しかったです。監督は先生みたいでしたし、周りの共演者の方もいろいろ教えてくださって、先生とか先輩みたいでした。

―― ご自分が出演していないところもありますよね、そういうときに撮影の様子を見ていて印象に残ったことはありますか?

立花:自分が演技するほうじゃないと、客観的に見られるんですね。それで「ここの演技はこうすればいいんだな」って、教えられるところもありました。

―― 撮影中に面白いエピソードみたいなものはありましたか?

立花:学校のシーンの撮影は廃校になった学校を使ったんですけど、使ったのはひとつの教室だけで、あとの教室は空いていたんですね。それで撮影の休憩時間とかにみんなで空いている教室に集まって「ここは良く声が響くからカラオケ大会だ!」って、みんなで歌ったりしたのを覚えています。スタッフのみなさんは撮影の準備をしているので、目を盗んでっていう感じで(笑)。(取材に同席していた製作スタッフより「うるさかったです(笑)」との声あり)すいませ〜ん(笑)。

―― 『スプリング☆デイズ』は、文化祭に向けてみんなで映画を作るという話ですけど、立花さんは学校とかで同じような経験をしたことはありますか?

作品スチール

『スプリング☆デイズ』より。立花未樹さん演じる千春(右から2人目)たちが映画撮影に挑む。

立花:こういう経験はないですね。私は部活も本格的には高校になって初めて入ったような感じなので、映画の中で文化祭みたいな体験をしたっていう感じです。高校では部活に入っています。科学部なんですよ(笑)。

―― ずいぶんと渋い部活に入っていますね(笑)。

立花:昔はずっと体育系で、部活も体育系にしようと思っていたんです。でも、やっぱり体育系の部活は人気があるので、文化系にしようと思ったんです。今の科学部は先輩がいないんですよ(笑)。説明のときに先生が「今、部員がゼロで誰も入ってくれなければ廃部になっちゃうので、ぜひ入ってください」っていうアピールをしていたんです。もし部員ゼロだったら私ひとりだったとしても気楽にやれるだろうなって思って入ったら、1年生ばかり7人か8人集まったという感じです(笑)。

―― 科学部に入ってから、なにか面白い出来事はありましたか?

立花:まだそんなに何回も集まっていないので、1回みんなでレポートを作ったくらいで、あんまり大々的なことはやっていないですね。これから文化祭に向けて模型を作るとか、そういう感じです。

―― 1年生ばかりで文化祭に向けて活動するのって『スプリング☆デイズ』の内容と似ていますね。

立花:似てますよねえ(笑)。それに、名前だけなんですけど私が部長なので、そこも映画と似ていて面白いなあと思っています(笑)。

映画を中心に、いろいろなことに挑戦したい

―― 完成した作品をご覧になったときはどう思いました?

立花:最初は恥ずかしくて観てられなかったんですけど、だんだん映っているのが私なんだけど私じゃないような気がしてきたんです。それで「ああ、この子は弾けてるなあ」とか、すごく客観的に観られました。私は今は実際に高校1年ですけど、もともとそんなに弾けているほうじゃないので、もし千春の立場になってもあそこまで思い切った行動はできないだろうって思うんです。あれは私が中3だったからこそ、あそこまで弾けてできたんだろうなっていう面はあります。

―― そして今度は劇場公開になって、大きなスクリーンに立花さんの顔がドーンって映し出されたりするわけですけど(笑)。

立花:たぶん、最初に観たらすごく照れくさいと思いますね(笑)。でも、2回か3回か観たらだんだん慣れてきて、ドーンと出てくるのが当たり前なのかなと思い始めると思います。今は、怖いような、でも早く公開されて欲しいような、不思議な気持ちです。

―― これからも映画のお仕事は続けていかれるのでしょうか?

立花:はい、映画を中心に活動していきたいと思います。でも、いろいろな方面にも行きたいので、雑誌のモデルもやってみたいですし、音楽もやってみたいなと思います。

―― 今後はどんな作品や役をやってみたいですか?

立花未樹さん写真

立花:恋愛ものをやってみたいです。私は『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年/行定勲監督)がすごく好きなので、ああいう映画にヒロイン役で出られたらいいなって(笑)。それから小説だとファンタジーも好きなんですけど、推理ものが大好きで、赤川次郎さんや宮部みゆきさんの作品がすごく好きなんです。だから、そういう作品を原作にした映画とかドラマに出られたら、すごく嬉しいです。

―― 目標にしている方はいらっしゃいますか?

立花:女優さんでは池脇千鶴さんのお芝居がすごく好きです。歌とかも含めた全体的に言うと、山口百恵さんが大好きで、ああいうふうになれたらいいなと思います。

―― 立花さんの年齢だと、山口百恵さんが活動していたころには、まだ生まれてませんよね?

立花:生まれてないです(笑)。お母さんが山口百恵さんの音楽を聴いていたので私も聴くようになって、DVDで「赤いシリーズ」を観たり、ミュージックビデオを観たりしたんです。歌だと「冬の色」が好きですね。同じ年の人たちだと知らない方が多いですよ(笑)。

―― じゃあ、今回の昔のアイドル映画っぽい作品というのは馴染みやすかったのでは?

立花:すごく馴染みやすかったです(笑)。こういう映画に出られるっていうのは嬉しかったです。山口百恵さんが好きだという話は監督には全然していなかったので、不思議で、面白いですね。

―― それはきっと、監督にとっても幸運な出会いだったですね。では、最後に映画の見所と、立花さんの今後の抱負をお願いします。

立花:具体的なシーンで言うと、私はクライマックスのシーンが好きなので、その緊迫した雰囲気の場面を観て欲しいです。映画の全体で言うと、観たら必ず明るくなる、元気をもらえる映画なので、『スプリング☆デイズ』を観て笑っていただけるとすごく嬉しいです。私自身は、これからもっと勉強して、演技もうまくなりたいし、いろいろなことに挑戦して、人間的にも立派な女優になりたいです。

(2007年7月18日収録)

作品スチール

スプリング☆デイズ

  • 監督:越坂康史
  • 出演:立花未樹 鈴木梨乃 上月あや 関谷愛里紗 ほか

2007年8月18日(土)より、池袋シネマ・ロサにてレイトショー

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