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『女の穴』市橋直歩さん・石川優実さん・吉田浩太監督インタビュー

インタビュー写真 とある高校。“穴”のような目をした生徒・幸子は、自分は異星人だと名乗って若き教師・福田に“子作り”を持ちかける。地味で真面目な優等生・小鳩は、中年の古典教師・村田のある秘密を握り、彼を“豚”のようにイジメ抜いていく……。
 幸子役の市橋直歩さん、小鳩役の石川優実さんと、ともにグラビアを中心に活躍するふたりが初の映画主演をつとめる『女の穴』は、地方の高校を舞台にしたちょっと変わったラブストーリー。“性”にまつわる人間模様をフェティシュかつどこかユーモラスに描き出す吉田浩太監督がメガホンをとり、幸子が主人公の「女の穴」と小鳩が主人公の「女の豚」の2話構成で、ふた組の“女子生徒と教師”の奇妙な関係がエロティックな描写も交えつつ描かれていきます。
 各方面から注目を集めるマンガ家・ふみふみこさんの同名短編集を原作とした『女の穴』は、原作の独特の世界を巧みに映像化し“人を好きになる”ことの意味を考えさせる作品となっています。
 ふたりの主演女優と監督は『女の穴』になにを見たのか? 市橋さんと石川さん、吉田監督3人揃ってのインタビューでお話をうかがいました。

(写真左より:石川優実さん、市橋直歩さん、吉田浩太監督)

市橋直歩(いちはし・なおほ)さんプロフィール

1992年生まれ、岐阜県出身。高校在学中に名古屋でモデルとして芸能活動を開始。その後、東京に活動の拠点を移し、グラビアアイドルとして雑誌グラビアやイメージDVDなどを中心に活躍。さらに演技にも活動の場を広げ、舞台やミュージックビデオ、映画に出演している。出演作にDVDオリジナル作品「戦慄ショートショート コワバナ スタジオの恐い話」(主演:2012年/横山一洋監督)短編映画『マイ・ツイート・メモリー』(2013年/松本卓也監督)『サンブンノイチ』(2014年/品川ヒロシ監督)など

石川優実(いしかわ・ゆみ)さんプロフィール

1987年生まれ、岐阜県出身。高校時代にスカウトされデビューし、グラビアアイドルとして活躍。雑誌「クリーム」の「クリームガール総選挙」で1位を獲得するなど高い人気を誇り、現在までに30作以上のイメージDVDをリリース。パチンコ動画サイト「P-martTV」に出演するP-martメンバーとしても活躍中。また「ミッドナイトフラワートレイン」(2008年)「赤いノートと緑のケータイ」(2009年)「旅立ち~足寄より~」(2012年)など舞台を中心に演技でも活躍する。『女の穴』で映画初出演

吉田浩太(よしだ・こうた)監督プロフィール

1978年生まれ、東京都出身。大学在学中にENBUゼミナールで篠原哲雄監督、豊島圭介監督に師事。大学卒業後フリーの助監督を経て映像制作会社・シャイカーに入社。2006年製作の『お姉ちゃん、弟といく』が国内外の映画祭で注目を集める。2008年に若年性脳梗塞に倒れるが療養とリハビリを経て復帰、復帰後初の劇場用長編映画『ユリ子のアロマ』(2010年)は海外の多くの映画祭でも上映された。そのほかの劇場公開作に『ソーローなんてくだらない』(2011年)『オチキ』(2012年)『うそつきパラドクス』(2013年)など。『ちょっとかわいいアイアンメイデン』が2014年7月19日公開

「やっぱり、経験に勝るだけの想像はなかなかできないなと(笑)」(市橋)

―― 市橋さんと石川さんは今回が映画初主演ですね。出演が決まったときのお気持ちを聞かせてください。

市橋:主演というお話だったので、ほんとにすごく嬉しかったですね。素直に「あ、嬉しい」みたいなことを思っていました(笑)。

石川:私はオーディションで受かったんです。オーディションで受かったのも初めてのことだったので、すごく嬉しかったです。

—— 吉田監督は、おふたりについてどんな印象をお持ちでした?

吉田:市橋さんは、彼女がやったイメージビデオの映像を以前に観たことがあって、その雰囲気がすごくよかったんです。そういうのって普通は笑ったりするんでしょうけど、全然笑ってなくて。

市橋:フフフ(笑)。

吉田:それはたぶんそういう演出だったんだと思うんですけど(笑)、その表情とか感じがアイドルっぽくないというか、ちょっと映画的な顔だなと思っていたので、今回「この役は市橋さんがいいんじゃないか」という話をしたんです。それで決まったので、すごくよかったと思っていました。
 石川さんは、最初に小鳩のイメージを考えたときに少しロリ系と言ったらアレかもしれないんですけど、ルックも含めてかわいい系の感じがいいなあと思っていたんです。それで、実は石川さんは前から知っていて、ぼくの別の作品のときにヒロイン役でオファーしたんだけど、断られちゃったんですよ(笑)。

石川:スイマセン(笑)。

吉田:そのときは脱ぐ役だったんで「私はまだ脱ぎません」って言われて(笑)。でも、今回再会をして「脱ぐ」ということも含めていろいろ話をして、もちろん不安なところもあるような気はしたんですけど、度胸ある子だなと思ったんです。小鳩はやっぱり大変な役で度胸がないとできないと思っていましたし、石川さんがやってくれてよかったな思っています。

―― 市橋さんが演じた幸子も、石川さんが演じた小鳩も、ちょっと変わった女の子ですよね。演じるのに難しい部分もあったのではないかと思うのですが、どのように役作りをされたのでしょうか?

市橋:そうですね、幸子は変わっているんですけど……なんて言うんですかね、激情型ではないと思うんです。作品ができあがってからみなさんに「変わっている役ですね」って言われると「たしかにすごく変わっていたな」と思うんですけど……。うまく言えないんですけど、難しい部分とか、やっているときはそんなに思わなかったんです。

石川:私は、オーディションで監督とお話をしたときに、たしか「ドSですかドMですか?」みたいな質問をされたんです。

吉田:したっけそんな質問?(笑) 覚えてないな、俺(笑) 。

石川:たしか、オーディションのときにいたどなたかにはされたんですよ(笑)。

吉田:たぶん俺じゃないと思う(笑)。

石川:(笑)。そのときちょっとウソついて「私はどっちもいけます」みたいなことを言ったんですけど、ほんとは自分の中にはドS要素って全然なかったので、実際に決まったとき「ヤバい、ドSの気持ちがわからない!」って最初に思って、わたしの周りで自分を「ドSだ」って言っている人に「なんで楽しいの?」とか聞いたりしましたね(笑)。

―― たとえば幸子だったらやはり“目”だったり、小鳩なら二面性みたいなものが表れるところだったり、顔の表情がすごく印象に残ったのですが、その部分で意識されていたことがあれば教えてください。

『女の穴』スチール

『女の穴』より。市橋直歩さん演じる幸子は「異星からの指令」で教師の福田と子作りを!?

市橋:目はカラコンを入れているのでそれで不思議な感じが出ている部分もあると思うんですけど、瞬きをしないようにというのは意識していました。あと、最初のほうは表情を出さないようにしようと思っていたんですけど、普段とは喋り方も違うし声の出し方とかも違っていたので、それが“切り替えるためのいいスイッチ”ではないですけど、やっている間は特に意識せずに表情とかはできたかなと思います。

石川:私は、村田先生への気持ちですね。撮影に入る前に吉田監督に「本気で」って言われていたんですよ。「ほんとうに心からそう思ってください」と言われていたので、それをちゃんと思いながらやりました。

―― おふたりそれぞれ、演じられた役に共感する部分とか、逆に演じたけど「ここだけはどうしてもわからなかった」みたいなところはありますか?

市橋:うーん、どうですかね(笑)。幸子って謎な子で見ていてわかりにくいと思うんですけど、ある意味ではマイペースなのかなと思っているんです。自分のやることというか目的に対してまっすぐな感じとか、そういうところはちょっと似ているのかなという気はします。自分のペースで生きている感じというか。あとは、理解できなかったというわけではないんですけど、やっぱり「異星から来た」とかは自分が経験したことがないことなので(笑)、そこは難しかったと思います。経験に勝るだけの想像はなかなかできないなと(笑)。

石川:私は、小鳩の想いが強すぎて暴走しちゃうってことに関しては「わかるなあ」って思うんですけど、やっぱり相手をイジメたりとか、好きじゃない人に初めての体験を捧げてしまうとか、そういうところは共感はできないかなあと思いますね。

―― 監督はおふたりのそういうお話を聞いていかがでしょう?

吉田:そうですね、まず幸子に関しては、わかんなくて当たり前じゃないかって気がするんですよ。

市橋・石川:アハハ(笑)。

吉田:ぼくも根本的にわかっていないので(笑)。幸子は“わからない”ということが彼女の大きなキャラクターなんですよね。なのでわからなくて当然だし、その部分が魅力的に映ってくれればいいなと思っていたので、そこの中で市橋さんがうまく演じてくれたなって気がしています。「このシーンではどの程度の感情があるか」とかを市橋さんと話し合ったんですよ。それで、ここではこういう表情として出してくるみたいなところを市橋さんが見せてくれたんで、そこは見ていて面白かったですね。
 小鳩に関しては、さっき石川さんが話していた村田先生への気持ちというのは彼女の中できちんと実行していてくれたような気はします。そこがウソになってしまうと映画としてウソになってしまうんですよね。たしかに好きな人じゃないに捧げる気持ちとかはぼくもよくわからないんだけど、そういうところも本気の気持ちがあれば本当のものになるだろうと思っていたので、そこは石川さんが一生懸命にしっかりやってくれたと思っています。

「何回もテイクをやらせてもらってやっと出てきた感情とかがあったと思う」(石川)

―― 吉田監督の作品は女優さんにハードな要求をするところもあると思うのですが、現場での監督について印象に残っていることがあれば教えてください。いまだから言える苦情とか(笑)。

吉田:こういうときは苦情のほうが面白いと思うんだけど(笑)。

市橋:どうですかね(笑)……。でも、ずっと不思議な人だと思っていました。なんて言うんですか、表情とかがすごくわかりやすいタイプの人ではないと勝手に思うので。なので監督がどう考えているのかわからなくて「どうなのかなあ」と思った部分はありますけど、苦情とかはないですね(笑)。

石川:私も苦情はないですよ、全然(笑)。あんまり喋ってないっていうか、喋ってないこともないのかな?(笑) 始まる前には「たぶん、小鳩は追い込まないとできない役だと思うから、現場に入ったらけっこう言うこともあるかもしれないけど」と言われていて、濡れ場のシーンとかはけっこう何回もやらせていただいて、10テイクくらいはやらせていただきました。

―― 現場での吉田監督は、こうして取材を受けているときとテンションが違ったりするんですか?(笑)

市橋:そんなに変わらないじゃないんですかね(笑)。

石川:変わらないですね(笑)。

吉田:そうなんですかね(笑)。でも『女の穴』はそんなに女優さんを追い込む機会が少なかったというか。

市橋:そうだったんだ(笑)。

石川:フフ(笑)。

吉田:物語としてもコメディですし、熾烈なシーンもあるんですけど作品全体としてはそんなに熾烈なものではないので、女優さんを追い込まなければいけない場面というのが少なかったと思うんですよ。市橋さんに関してはそんなになかったと思うし、石川さんに関してはあったかもしれないですけど、ぼくのいままでの作品に比べると、女優さんからのクレームはおそらく出づらい感じじゃないかなと(笑)。

市橋:そうですね、そんなにハードな要求を受けた覚えもないですし(笑)。

石川:うんうん(笑)。

―― では、おふたりともラブシーンもそんなに緊張することなく演じられたのでしょうか?

市橋:たぶん、幸子という役が特殊だったのでラブシーンも事務的な作業といいますか(笑)、淡々と過ぎていく感じだったので、抵抗的なものは全然なかったですね、私は。

『女の穴』スチール

『女の穴』より。石川優実さん演じる小鳩は古典教師の村田の秘密を握り……。

石川:私はほんとに10テイクくらいやらせてもらって、すごく難しかったですね。でも、何回もやらせてもらってやっと出てきた感情とかがあったなあといま思い返しても思うので、やらせてもらってよかったと思います。

―― 今回の作品は2話構成になっているので、市橋さんと石川さんは撮影中は一緒のシーンはあまりないんですよね。

市橋:そうですね。

石川:ないですね、ほとんど。

―― では、完成した作品でお互いのお芝居を観ての感想はいかがでしょうか?

吉田:本音はどうなのかってところをこの機会に(笑)。

市橋:フフ(笑)。私はどちらかと言うと激しい役が面白いなと思っていて、原作は読んでいたので、小鳩の激情的な部分を石川さんがどうやってやるんだろうって思ったんです。石川さんの見た目のイメージとして小鳩ちゃんの優等生だったり真面目だったりする表の部分のイメージはすごくしたんですけど、激しい部分をどんなふうにやっているのか楽しみにしてたんです。実際に観たら、なんて言うか、私の「女の穴」のほうが恋の始まりみたいな甘酸っぱい感じだとしたら「女の豚」のほうはもっとコアの部分というかフェチというかそういうのが激しくって、対照的だからこそよけいに激しく思えて、すごい面白いと思いました。

石川:私はたしかマンガを読んだあとに「幸子さんは市橋ちゃんっていう子がやるんだよ」って言われて、市橋ちゃんの名前でググって写真を見て(笑)、すごくイメージ通りだと思ったんです。そのあと実際に会ってもやっぱりイメージ通りで、あと映画の中ではマンガの幸子さんよりちょっと人間らしいなって思ったんです。感情がすごくわかるというか。だったのですごく面白く観させていただきました。私はいままで2回観ているんですけど、2回とも市橋ちゃんの同じシーンで泣いてしまうところがあって、そのシーンがすごく好きなんです。もう、ウルっときちゃいます。

―― おふたりともグラビアのお仕事をたくさんやられていますよね。グラビアでも「恋人と遊んでいる雰囲気で」みたいな設定があって、その設定にあわせて演じるという面もあると思うのですが、グラビアと映画やお芝居で大きく違うところはどんなところでしょう?

市橋:うーん……。私の認識としては、グラビアは設定的なものがあってもあくまで私を見せるというか、私のそういうバージョンなんですよ。

石川:うんうん。

市橋:たとえば「もし好きな人と一緒にいたら、そのときの私はこんな感じです」みたいなものだと思うんですけど、映画では自分とは全然違う感情が芽生えるんですね。気持ちは1個なんですけど、自分が意図していない気持ちとかも芽生えてくるので「自分じゃないんだな」ってすごく思いました。

石川:私も同じ感じなんですけど、映画とかお芝居とかの場合は、自分がやる役について「この子はどういう子なのか?」とかいろいろ事前に考えたりとかするんです。グラビアの場合は演じるとはいってもそれはしないと思いますし、やっぱりグラビアは「自分として」という感じなんですね。

「物語の核にある部分をしっかり見つけて、そこをいかに映像化するか」(吉田)

―― この映画はちょっと変わったお話で激しいお話でもあるけれど、純愛物語でもあると思うんですね。おふたりは、この映画みたいな恋愛はどう思われますか?

市橋:なんかこう、まっすぐなんだけど、ちょっとまっすぐな方向を間違えちゃったというか「そっちにまっすぐになっちゃったか!」みたいな(笑)。そういう感じがすると思うんですけど、それほどまっすぐ強くなにかを想うみたいな気持ちを持つというのはうらやましいというか、私自身は普段あんまりなにかを強く想うことがないので「そういうのっていいなあ」と思いますね。

石川:小鳩も、たぶん純粋すぎてここまでやっちゃっているんだろうなと思うので、私もうらやましいというか「そういうふうに純粋に想えるのは、大人になってからはないなあ」みたいな感じですね(笑)。高校生ならではかなって思うんです、こういうふうなのって。

―― 福田先生、村田先生という、映画に出てくるふたりの男性についてはどんな印象でしょう?

市橋:村田先生はかわいくってしょうがなかったですね(笑)。できあがったものを観ていても村田先生にキュンキュンするっていうか「わあ、かわいい~」って思っていました。福田先生は、客観的に見るとすごいだらしない先生だなと思うんですね、男としても。でも、なんかそういう不完全な感じが魅力なのかなと思いますね。幸子がいるのに元カノと会っちゃうとか、ちょっとそこで流されちゃうとか(笑)、そういうのも、なんか人間味があるというか、生々しい感じがいいのかなと思います。

石川:村田先生は、映画の中でイジメたりとかするとほんとにすごくかわいい反応をされるので、そのお陰でちょっとドSの人の気持ちがわかったかもしれないです。

―― 目覚めちゃいましたか?(笑)

石川:目覚めちゃいました……かも(笑)。ほんとにかわいかったです、村田先生は。福田先生は、(市橋さんに)福田先生みたいなだらしない感じの人ってなんかモテるよね、なんでだろうね?(笑) ほっとけないみたいなのがあるんですかね、女から見ると。いいと思います(笑)。

―― 監督は、この映画で男性をどういうふうに描こうとしていたのでしょうか?

インタビュー写真

吉田:やっぱり、ぼくもさっきのお話のとおり純愛だと思っていて、片想いの話だと思ったんですよね。全部片想いの話になっていて、それが交わらないというのが大事だと思っていたので、村田先生の想いであったり福田先生の想いであったりとかはとにかく一方通行であり続けるというか、そういうふうに描いたつもりでしたかね。あと、ふたりがいま言っていた福田先生のだらしなさみたいなところは、たぶん原作のイメージもあったと思いますね。原作もああいう感じなんですよね。

―― 吉田監督は『うそつきパラドクス』『女の穴』『ちょっとかわいいアイアンメイデン』とコミック原作の映画化が続いていますが、今回の『女の穴』を映画化するにあたって特に意識された点はありますか?

吉田:今回に限らずかもしれないんですけど、やっぱりマンガってすごく具体的じゃないですか。絵があるし、人によってはセリフまで誰かが喋っているのを自分の中でイメージして読んでいると思うんですよね。なので読んでいる人にとってはかなりイメージが固定しているものだと思うんですけど、映画でそれを追いかけてしまうとダメだというふうに思っているんです。これは映画のとき役者さんに言うことなんですけど「自分が持っているイメージみたいなものを1回捨てて自分自身でやろう」と。そういうところで一から作っていかないとダメだなと思いますし、特にマンガは小説とか以上に役者さんに自分の言葉となるようにしてもらうということは、すごく心がけていますね。あと、今回はもちろん原作は大好きで何度も読んでいるんですけど、絵に関しては撮影するにあたってあまり参考にしないようにしました。やっぱり、絵に対しても影響されてしまうと映画としてのオリジナリティがなくなってしまうので、絵を参考にするのではなくて、物語の核にある部分をしっかり見つけて、そこをいかに映像化するかということに集中していたかという感じでしたかね。

―― では最後になりますが、公開を前にしての心境と「こういうところを観てほしい」という見どころをお願いします。

市橋:そうですね、いよいよ公開するなと思っていて、たくさんの人に観ていただいてどう思ってもらえるのか、すごく楽しみだなと思っています。見どころとしては、幸子は最初はなにを考えているのかわからないような無機質的な女の子だと思うんですけど、デートだったり先生と会ったりするごとにちょっとずつ見えてくるものがあったり、感情が見え隠れする、その変化をかわいく撮ってもらっているので、その辺を楽しく観ていただけたらなと思います。

石川:公開が近づいていてもちろん楽しみではあるんですけど、やっぱり私は楽しみと不安が両方あって、初めて脱ぐというのもあるので不安なこともあるんですけど、見どころとしては、R15+作品ということでさまざまな濡れ場が出てきますので、やっぱりエロというものもひとつのすごく大きなテーマだと思うので、そこも注目して観てもらいたいなと思います。

吉田:「さまざまな濡れ場」って言い方はすごいよね(笑)。

市橋・石川:(笑)

―― (笑)。監督もお願いします。

吉田:やっぱり、いちばん観てほしいのは役者さんだというふうにもちろん思っています。市橋さんだったり石川さんだったり、酒井(敏也=村田先生役)さんだったり小林ユウキチ(福田先生役)くんだったり、短期間の中ですごくいい芝居をしてくれて、そのアンサンブルみたいなものはしっかり出てると思いますので、そこを観てほしいなと思います。あとは少しわかりづらいかもしれないんですけど、原作も視点の話だと思ったんですよね。“視点が交錯しない”ということがすごく大きなテーマになっていて、それを映画としてどういうふうに表現するかということを考えて自分なりに表現したので、観ているときに「視点の話だ」ということをちょっと理解してもらえたりすると嬉しいなと思います。

―― もうひとつだけ、ラストはご覧になった方がみなさん驚かれるんじゃないかと思うんですけど、なんであそこまで行ってしまったんでしょうか?(笑)

吉田:まあ、なんでですかねえ(笑)。すごいこじつけかもしれないんですけど、いま言った“視点”と同じように“視野”ということがあると思っていたんですよね。たとえば小鳩は先生に対しての視野がすごく狭いじゃないですか。高校時代ってみんなそうで、青春ってすごく視野が狭いと思うんですよ。それが最終的に無限大にまで広がっていくということであのラストにしたんです。そういう気持ちを込めてるんですけど、正直それはわからなくていいです(笑)。

インタビュー

映画の中とは違った雰囲気の石川優実さん(左)と市橋直歩さん(右)

※クリックすると拡大表示されます。

(2014年6月4日/バップにて収録)

作品スチール

女の穴

  • 監督:吉田浩太
  • 原作:ふみふみこ
  • 出演:市橋直歩 石川優実 小林ユウキチ 布施紀行 青木佳音 酒井敏也 ほか

2014年7月2日(水)全メディア(劇場、ビデオオンデマンド、テレビ、DVD・BDセル&レンタル)同時公開 6月28日(土)よりユーロスペースほか全国先行ロードショー


  • 6月28日(土) ユーロスペース(渋谷)、シネマ・ジャック&ベティ(横浜)
    6月29日(日) シネマスコーレ(名古屋) にて舞台あいさつ開催
  • ※市橋直歩さん・石川優実さんは3劇場すべてで登壇 詳細は『女の穴』公式サイトにて

『女の穴』の詳しい作品情報はこちら!

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