魍魎の匣
監督：原田眞人
出演：堤真一 阿部寛 椎名桔平 宮迫博之 田中麗奈 黒木瞳 ほか
２００７年12月22日(土)より渋谷東急ほか松竹・東急系にて全国ロードショー
２００７年／カラー／ヴィスタサイズ／ドルビーデジタル／１３３分
１９９４年に出版された作家・京極夏彦のデビュー作「姑獲鳥の夏」は、発表直後から推理小説を越えた“超絶ミステリー”として絶賛を浴びた。妖怪にまつわる奇怪な事件の謎を解く“京極堂”を主人公にした作品はその後も執筆が続けられ、「百鬼夜行シリーズ」として累計５００万部を越える人気シリーズとなっている。２００５年に実相寺昭雄監督の手により映画化された『姑獲鳥の夏』に続き、日本推理作家協会賞作でシリーズ最高傑作との声も高い『魍魎の匣』が、待望の映画化を果たす。
戦後間もない東京。世間を騒がす連続美少女殺人事件、不幸を「ハコ」に閉じ込める教団、巨大なハコ型の建物――。さまざまな謎をめぐって京極堂の元に集まる人々。果たして京極堂はその謎を解き明かせるのか？
主人公の京極堂こと中禅寺秋彦には堤真一、探偵・榎木津に阿部寛、京極堂の妹・敦子に田中麗奈、刑事・木場に宮迫博之と、前作『姑獲鳥の夏』の強力キャストが再集結。さらに作家・関口に椎名桔平、ヒロインの元女優・陽子には黒木瞳を迎え、日本映画界を代表する俳優陣が顔を揃えた。また、事件の鍵を握る医学教授に柄本明、謎の新進作家に宮藤官九郎、さらに清水美砂、篠原涼子、マギー、堀部圭亮、荒川良々、笹野高史、寺島咲、谷村美月と、豪華にして個性的な面々が、唯一無二にして鮮やかな映像世界を彩っていく。
監督は社会派から徹底したエンターテイメントまで幅広い作風で知られる原田眞人。本作では脚本も自ら手掛け、原作者すら「驚いた」という斬新なアプローチを見せる。そして戦後間もない東京の風景を描き出すために上海撮影所でのロケを敢行。それに加えて大掛かりなセットやＶＦＸが駆使された映像は、いまだかつて見たことのない驚きをもたらす。
主題歌は熱狂的な京極堂ファンだという椎名林檎率いる東京事変。アルバム「娯楽」収録の「金魚の箱」がエンディングに華を添える。
ハコをめぐる謎が新たな謎を呼び、予測不可能な展開が猛烈なテンポで次々と押し寄せる、まったく新しい「超高速サスペンス」が、ここに誕生した。
１９５２年、戦後間もない東京では、連続少女殺人事件が世間を騒がせていた。探偵の榎木津礼二郎（阿部寛）は、人気絶頂で引退した元女優の柚木陽子（黒木瞳）から、失踪した娘の加菜子（寺島咲）の捜索を依頼される。
同じころ、作家の関口巽（椎名桔平）と雑誌記者の中禅寺敦子（田中麗奈）はカストリ雑誌「實録犯罪」記者の鳥口（マギー）から興味深い話を聞かされる。人の不幸をハコに封じるという新興宗教・深秘御筥教の信者の失踪が相次いでおり、連続殺人事件の被害者と思われる人物も含まれているという。関口と敦子、鳥口は事件の手がかりを求めて深秘御筥教の本部へと向かう。
一方、連続殺人事件を担当する刑事・青木（堀部圭亮）は、謹慎中の先輩刑事・木場（宮迫博之）に協力を要請するが、木場は興味を示さない。その夜、青木の乗る電車が駅のホームから落ちた加菜子をはねる。瀕死の重傷を負った加菜子は、陽子の希望で高名な医学教授・美馬坂（柄本明）の研究所へと移送される。美馬坂の研究所は、崖の上にそびえ立つ、巨大な“ハコ”のような異様な建物であった。
それから数日後、敦子の兄で古書店主にして陰陽師の“京極堂”こと中禅寺秋彦（堤真一）のもとを関口と榎木津たちが訪ねる。それぞれの関わる事件は複雑に絡まりあう。そして事件の陰に見え隠れする新進気鋭の作家・久保峻公（宮藤官九郎）とは何者か？ 果たして、京極堂は事件の謎を解くことができるのか？
