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作品スチール

東南角部屋二階の女

監督:池田千尋
出演:西島秀俊 加瀬亮 竹花梓 塩見三省 高橋昌也 香川京子 ほか

2008年9月20日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開

2008年/35mm/スタンダード/DTS−SR/104分

イントロダクション

 父親の作った借金を背負った青年。仕事の理不尽さに突発的に会社を辞めてしまったその後輩。フリーで仕事をする不安を結婚で解消しようとする女性。3人の若者は、なにかに導かれるように取り壊し寸前の古アパートに集まってきた――。
 真剣に生きることを避けている若者たちが、表舞台を退き日常を丹念に生きている人々たちと、同じ場所、同じ時間を共有することで、やがて同じ想いを胸に抱いていくまでの、緩やかで心揺さぶられる日々を描いた映画『東南角部屋二階の女』が誕生した。
 主人公の野上孝を演じるのは、『Dolls ドールズ』『好きだ、』など話題作に次々と出演する西島秀俊。野上の後輩の三崎哲には『それでもボクはやってない』『グーグーだって猫である』の加瀬亮。若手実力派男優として、いまや日本映画界に欠かせない存在となったふたりが、初めて映画共演を果たす。あるきっかけから野上と関わる豊島涼子には、『ゆれる』などの映画のほか、モデルとしても活躍する竹花梓が独特の存在感を発揮している。
 そして、若者たちの心に変化を与えていく“人生の先輩”たちには、ベテラン俳優陣が顔を揃えた。心のうちを語ろうとしない孝の祖父・友次郎には高橋昌也。アフリカ放浪の経験のある畳屋の清六には塩見三省。大切なものをそっと見守ってきたアパートのオーナー・藤子には、成瀬巳喜男、小津安二郎、溝口健二、黒澤明など、名だたる巨匠たちの作品に出演してきた名女優・香川京子が扮し、映画に風格を与えている。
 監督は、現在27歳の新鋭・池田千尋。黒沢清、北野武が教授をつとめる東京藝術大学大学院映像研究科の一期生で、学生作品のコンペであるカンヌ映画祭シネフォンダシオンへの出品経験もある、期待の才能である。
 『東南角部屋二階の女』は、若き女性監督が日本映画の歴史を象徴する俳優陣、スタッフと作り上げた“想いがつながる”物語だ。

ストーリー

 父親が遺した莫大な借金を背負った野上孝(西島秀俊)は、祖父・友次郎(高橋昌也)が所有する土地を売却し、返済に充てることを思いつく。その土地には誰も住まない古アパートが建っているだけで、なんの障害もないように思えた。人生をやり直すきっかけほ掴もうとする野上は会社もやめてしまう。しかし、友次郎は首を縦に振らず、なにも語らない。
 野上の会社の後輩・三崎哲(加瀬亮)は、クレーム処理の仕事に疲れ果てていた。そんなときに野上が会社を辞めると聞き、突発的に会社を辞めてしまい、恋人のアヤ(大谷英子)も失う羽目になってしまう。
 フリーのフードコーディネイターである豊島涼子(竹花梓)は、仕事も人生もうまくいかず、お金もない。このままではいま暮らしているアパートの更新料も払えない。もう結婚に逃げ込むしかないと登録した相談所で紹介されたのは、借金を抱えた野上だった。
 さまざまな事情と想いを抱えた3人は、友次郎の土地に建つ古アパートに住むことになる。野上は、隣の母屋に住む祖父を説得し土地を売るために。三崎は、アヤから追い出されて住む場所を失いやむなく。涼子は、更新料の払えない前のアパートを引き払うために。
 建物の持ち主は、居酒屋“ふみと”の女将・夏見藤子(香川京子)。3人は開かずの部屋“201号室”を気にしつつ、それぞれの人生を過ごしていく。
 そして、明日の行方もわからずに過ごす3人にも、寡黙に生きる友次郎を通して、藤子の揺るぎない人生を通して、人生の可能性が明かりとなって見えはじめてくる……。

キャスト

  • 西島秀俊
  • 加瀬亮
  • 竹花梓

  • 大谷英子
  • 赤堀雅秋
  • 浜田晃
  • 利重剛

  • 塩見三省
  • 高橋昌也
  • 香川京子

スタッフ

  • 監督:池田千尋

  • 脚本:大石三知子

  • プロデューサー:石毛栄典/磯見俊裕
  • 企画協力:北條誠人
  • ラインプロデューサー:金森保

  • 撮影:たむらまさき
  • 照明:平井元
  • 録音:南徳昭
  • 編集:大重裕二
  • 美術:三ツ松けいこ
  • 助監督:近藤有希
  • キャスティング:城戸史朗

  • 音楽:長嶌寛幸

  • 製作:トランスフォーマー
  • 配給:トランスフォーマー+ユーロスペース
  • 支援:文化庁

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