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作品スチール

不惑のアダージョ

監督:井上都紀
出演:柴草玲 千葉ペイトン 渋谷拓生 橘るみ 西島千博 ほか

2011年11月26日(土)よりユーロスペースほかにて全国順次ロードショー

2009年/カラー/HD/70分

イントロダクション

 女性が直面せざるを得ない現実と、音楽が人に与える力。それを描いた『不惑のアダージョ』は“女性と音楽”の映画だ。
 監督の井上都紀(いのうえ・つき)は、女性ドラム奏者・GRACEを主演に迎えた短編『大地を叩く女』で2008年ゆうばり国際映画祭オフシアター部門グランプリを獲得。同映画祭の支援により初の長編となる本作『不惑のアダージョ』を製作した。
 『不惑のアダージョ』は、教会の修道女・真梨子を主人公にしている。40歳を迎えた真梨子の身体には、いままで経験したことのない変調が訪れていた。そして、ひとりのバレエダンサーとの出会いが、真梨子に大きな一歩を踏み出させる――。
 真梨子を演じるのは、Coccoが歌った「強く儚い者たち」などヒット曲の作曲者としても知られるミュージシャンの柴草玲。『大地を叩く女』に続いての井上監督作品出演で、ひとりの女性の内面を巧みに表現してみせた。また、音楽も柴草自身が担当し、劇中でもピアノ、オルガンをはじめさまざまな楽器の演奏を披露している。
 そして、真梨子に大きな影響を与えるバレエダンサー役で、日本を代表するバレエダンサーの西島千博が特別出演。東京シティ・バレエ団の橘るみとふたりで踊る、映画オリジナルのダンスシーンは圧巻だ。
 そのほか、千葉ペイトン、渋谷拓生の男優陣が真梨子を取巻く男性役で出演し、味わい深い演技を見せている。
 『不惑のアダージョ』の赤裸々な描写は、主人公と同世代の女性たちには特に共感をもって受け止められるに違いない。そして独特のタッチで描かれた“音楽の力”の表現は、この作品をほかに類を見ないユニークなものとしている。2009年の完成以来、世界各国の映画祭で上映され好評を得てきた作品が、いよいよ一般公開を迎える。

ストーリー

 教会に響きわたる、人々が歌う賛美歌の声。その伴奏のオルガンを弾いているのは、修道女の真梨子(柴草玲)だ。
 真梨子は、神父から村岡(渋谷拓生)という男宛ての手紙を託される。それは、入院している村岡の母親が書いたものだったが、事情があって村岡に直接届けなければならないのだ。真梨子は仕事中の村岡を訪ねるが、村岡はまるで真梨子の声さえ耳に届いていないような態度をとり、手紙を受け取ろうとはしない。
 真梨子を悩ませるのは村岡の件だけではない。このところ体の不調が続いており、教会にやってくる婦人たちが交わす会話に出てくる「更年期」の言葉が気にかかる。おまけに、最近教会に通うようになった男・立本(千葉ペイトン)は、教会の外でも真梨子の行動を追っているようだ……。
 ある日、真梨子は教会に通う婦人のひとりから、婦人の姪が通うバレエ教室のレッスンピアニストを頼まれる。募集をかけてもなかなか引き受け手が見つからないのだという。即答はできないい真梨子だったが、見学に行ったスタジオで見たバレエダンサー(西島千博)の姿に圧倒されるかのように、レッスンピアニストを引き受ける。
 自分がレッスンピアニストとしての役割を果たせているか不安がる真梨子に、あのダンサーはもっと気持ちを入れて弾いてほしいと告げる。どう弾けばよいかわからない真梨子に、ダンサーはこう言葉を続ける。「簡単です。あなたも一緒に踊っていると想像してくれればいいんです」。
 これまでになく音楽に満ちた生活を送るようになった真梨子。彼女にいま、変化が起きていた……。

キャスト

  • 真梨子:柴草玲

  • 立本:千葉ペイトン
  • 村岡:渋谷拓生
  • 女性バレエダンサー:橘るみ

  • バレエダンサー:西島千博(特別出演)

スタッフ

  • 監督・脚本・編集:井上都紀

  • 撮影:大森洋介
  • 照明:林万里江
  • 録音:宋晋瑞
  • ヘアメイク:森田めぐみ
  • 美術・衣裳:増田佳恵

  • 音楽:柴草玲

  • 支援:スカパーJSAT株式会社/ゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会
  • 配給:ゴーシネマ

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