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待望の日本公開に「日本で着地したかった」:『不惑のアダージョ』特別試写会

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舞台あいさつをおこなった橘るみさん、西島千博さん、井上都紀監督(左より)

 海外の映画祭で上映され高い評価を受けてきた『不惑のアダージョ』(11月26日公開)の、国内での一般向けとしては初となる試写会が11月14日にオーディトリウム渋谷で開催され、井上都紀(いのうえ・つき)監督と特別出演しているバレエダンサーの西島千博(にしじま・かずひろ)さん、橘るみさんが舞台あいさつをおこないました。
 ミュージシャンの柴草玲さんが主演をつとめる『不惑のアダージョ』は、40歳となり身体の変調を感じる修道女が、いくつかの経験の中で新たな一歩を踏み出していくストーリー。西島さんと橘さんは、主人公の修道女に大きな影響を与えるバレエダンサーの役で出演しています。
 バレエを習っていた経験があり「日本でバレエを描ける監督は周防(正行)監督がいらっしゃるんですけど、自分がやっていた分“誰よりバレエをきれいに描ける監督になろう”と勝手に意識をして、映画の中に組み込みたいと思いました」という井上監督。
 そんな監督の想いの詰まったオファーに応えて映画に初出演した西島さんは「映画でバレエダンサーの役をやりたかったので(話があったとき)“ホラ来た!”と思いました」と笑顔で語り「海外ではレッスン風景とか舞台裏とかを見せるバレエの映画があって、いつかは自分もそういう映画に携わるチャンスがあるのかなと思っていました。今回はバレエが主体の映画ではないんですけど、バレエシーンが大切に撮られているので、すごく興味がわきました。言葉がない分、身体で表現することが一番伝わることがあるんですね。(出演したシーンは)印象に残るシーンで、それが映画に反映されていくのかなと、撮影をしながら思っていました」と、撮影を振り返りました。

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ミュージシャンやバレエダンサーの方々をキャストに起用していることについて「本物の人たちに生業にしているものを(映画の中で)表現してもらうのは、それ以上の説得力はないと思ったんですね」という井上都紀監督

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西島千博さんも完成した作品を観るのはこの日が初めて。「舞台は本番を自分で観ることができないんですけど、映像は自分で観ることができるという楽しみがあります。今日はほんとに楽しみに参りました」とあいさつ

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西島さんとともに華麗なバレエを披露している橘るみさんは「普段の自分の生活と同じバレエだったので、楽しんでやらせていただきました」とあいさつ。「純粋に、バレエをすごくきれいに撮ってくださったと思います」

 橘るみさんは「この映画は女性だけではなく男性にも共感してもらえるようなところも多いと思います。とにかく芸術のようにきれいな画がたくさん出てくるので、そこも観ていただきたいと思います」と作品についてコメント。
 井上監督は「どうしても日本の方じゃないと伝わらないところが出てくるので日本で着地したかった」と日本公開を前にした心境を語り「最終的には自分自身を想定しながらご覧いただくと、映画館を出られたあとにも新たな見え方があるのではないかなと思います。いろいろな角度から想像しながらご覧になってください」と舞台あいさつを締めくくりました。

 井上監督が「あえてメジャー映画で描かれていないことを挑戦してみよう」という想いから、女性の更年期など、映画としては異色となるテーマに選び完成させた『不惑のアダージョ』は、11月26日(土)より、ユーロスペースほかにて全国順次ロードショーされます。

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