日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>韓国・アメリカよりメッセージも 『クソすばらしいこの世界』初日舞台あいさつ

韓国・アメリカよりメッセージも 『クソすばらしいこの世界』初日舞台あいさつ

記事メイン写真

舞台あいさつをおこなった大畠奈菜子さん(左)と朝倉加葉子監督

 全編ロサンゼルスロケによる国産スラッシャー映画『クソすばらしいこの世界』が6月8日にポレポレ東中野で初日を迎え、出演者の大畠奈菜子さんと朝倉加葉子監督が舞台あいさつをおこないました。
 『クソすばらしいこの世界』は、アメリカの片田舎にキャンプに出かけた日本人留学生グループと韓国人留学生が、白人の殺人鬼兄弟と出会ったことから始まる惨劇を描いた作品。
 これが長編デビュー作となる朝倉監督は「スカッとするスラッシャー映画を撮りたいなとずっと思っていたのと、殺人鬼と女性が活躍する映画にしたいというのがありました」と作品誕生の経緯を明かし「スカッと感を出すために、ロサンゼルスで全編撮影するという内容にしてみた感じです」と、アメリカロケの理由を説明しました。
 日本人留学生のひとり・エリカを演じた大畠さんは「脚本を最初に読んだときにはどうなるのか想像がつかなくて(笑)。でも朝倉さんとコミュニケーションをとるうちに自分の中でのイメージは作れました」と役について語り、厳しい環境の中でおこなわれた撮影について「ホラー映画なので寒い中で血を浴びたりとか闘ったりとか、現場は過酷だったと思います(笑)。(撮影が)最後の私と主演のキム・コッビさんのカットは、雪とか寒さとか本当につらくて、カットがかかって部屋に戻ったら自然にキム・コッビさんと抱きあって泣くという状況になって」と振り返りました。

 主演に『息もできない』などで知られる韓国人女優のキム・コッビさん、日本人留学生役にアメリカを拠点に活動し『ムカデ人間』で話題となった北村昭博さんと、国際的に活躍するキャストが出演しているのも『クソすばらしいこの世界』の注目点のひとつ。ふたりについて、朝倉監督は「キム・コッビさんはインターナショナルでフラットな感覚をお持ちの方。プロ意識が高くて作品を引っ張っていただいたと思っています。北村さんは自分ひとりでいろんなところに参戦していくというハートの強い方で、ほかのキャストの方も含めてすばらしい方たちに集まっていただけたと思っています」と、大畠さんは「プロ意識が高くて自分の演技だったりを貪欲に追及していく方たちで、それに加えて人格者でしたね。すごく優しくて」とコメント。
 そしてサプライズとして、キム・コッビさんからの「公開の初日、その場にいることができなくてとても残念です。映画はとても残酷ですが、こういうジャンルを求めて来てくださったファンの方々だと思いますので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです」、北村昭博さんからの「ポレポレ東中野に集まってくれた“クソすばらしい”みなさん、ほんとうにありがとうございます。みなさんがいるからこそ、ぼくたちは映画を作り続けることができるのです。思いっきり楽しんでください」というメッセージがそれぞれ読みあげられました。

コメント写真

セリフが英語のため、撮影前に「現地のラインプロデューサーとスカイプで通信して、発音や口の動きをチェックしていただいていました」というエリカ役の大畠奈菜子さん

コメント写真

大畠奈菜子さんについて「存在感もありますし、いろいろ想像力を広げてくれそうなお顔をされている方だと思いまして(出演を)お願いしました」と語った朝倉加葉子監督

コメント写真

サプライズで読みあげられたキム・コッビさんと北村昭博さんからのメッセージに感謝の意を示す朝倉監督(右)と大畠さん

 大畠さんは「この映画はおそらく観る人それぞれ感じ方がある映画だと思いますので、あまり前情報に影響されず自分なりに楽しんでいただけたらと思います。私がたどる悲惨な運命にも注目して観てください(笑)」と、朝倉監督は「幅広い方に観ていただければと思って作りました。スラッシャーという“すごく好きだ!”という方が多くはない映画ですけど、あまり(スラッシャーに)興味がなかった方も楽しんでいただけたらなと思っています。笑ったり怖がったりキャラクターに心を寄せていただいたり、それぞれの楽しみ方でご鑑賞いただけたらなと思います」と、それぞれのメッセージで舞台あいさつを締めくくりました。

 残酷な殺人描写や血飛沫満載で殺人鬼の恐怖を描きつつ、埋まることのない文化の溝を浮き彫りにする意欲作『クソすばらしいこの世界』は、6月8日(土)よりポレポレ東中野にて3週間限定レイトショー上映されています。

スポンサーリンク