日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>奥田瑛二監督新作公開に「感無量」 『今日子と修一の場合』初日舞台あいさつ

奥田瑛二監督新作公開に「感無量」 『今日子と修一の場合』初日舞台あいさつ

記事メイン写真

舞台あいさつをおこなった和田聰宏さん、安藤サクラさん、奥田瑛二監督、柄本佑さん、小篠恵奈さん、和音匠(かずね・たくみ)さん(左より)

 奥田瑛二監督が若手実力派の安藤サクラさんと柄本佑さんを主演に迎えて送る新作『今日子と修一の場合』が10月5日に初日を迎え、新宿ピカデリーで奥田監督と安藤さん、柄本さんらキャストが舞台あいさつをおこないました。
 『今日子と修一の場合』は、家を追われて子供も失った女性・今日子と罪を犯して少年刑務所に入っていた青年・修一という、互いの存在も知らずに東京で生きるふたりの人生を、東北大震災を背景に描いた作品。奥田監督の実娘である安藤さんと、安藤さんの夫・柄本さんがひとつの作品に参加しているのも話題となっています。
 初回の上映前に登壇した奥田監督は「ドキドキものですよね、初日というものは。特にこの映画は、いままで自分の(監督)作品が5本ありますけども、特に特に心配で心配で心配な作品でありました。ですから、初日にこうして多くの方に来ていただいて、心から嬉しく思っています。ありがとうございます」とあいさつ。
 柄本さんも「ドキドキしています」と緊張があることを明かし、奥田監督の前作『風の外側』で女優デビューした安藤さんは「次に監督の作品に出るときは、なにかしらの力になってからじゃないと出たくないという気持ちがあったんですが、こうしてまた監督の作品に出る機会があって“自分がなにかしらの力になれたのか?”というプレッシャーで、初めて初日の前日に全然眠れなくて、不思議な感覚です」と心境を語りました。

コメント写真

「だいたい映画というのは3年かかるんですが、自分が思って1ヶ月後には撮影に入ったという特別な映画です。準備しないまま撮るものがそこにあった、そして心がそこにもあったと、私なりには思っております。そこにあるものをとらえ、これだけ素晴らしい俳優さんたちがそこにいてくれたというのが、私の最大の喜びです」と奥田瑛二監督

コメント写真

「監督とお酒を飲ませていただりする機会が多々あるのですが、普段は陽気に踊ったりする監督の姿は現場では微塵もなく、どっしりと構えてスタッフの方々、キャストの方々をまとめてくださっていました。監督がそうやってドシっと現場の中心にいてくれたからこそ、この作品ができあがったんだろうなと思っています」という修一役の柄本佑さん

コメント写真

最初はこの作品を「家族として、娘として見ていたんですね、まさか自分がやると思わずに」という今日子役の安藤サクラさん。「特殊な間柄なので、衣裳を(監督と)ふたりで買いにいったりとか、普段、俳優部として参加しているだけではできない準備というのが特別にできたりするので、面白い部分もたくさんありますね」と振り返りました

コメント写真

「現場での監督は、楽しんで映画を撮っているというのがすごくあって、その楽しんでいる顔を見るのがぼくは好きで“もっと楽しんでもらおう”と思っちゃう。ぼくは女性じゃないので母性本能じゃないですけど、なんかくすぐるような色気が監督にあって、こんな大人になりたいなと思いました」と、今日子と暮らす男・トオル役の和田聰宏さん

コメント写真

修一と同じ工場で働く未来(みき)を演じた小篠恵奈さんは「監督は私にすごく厳しくて、すごい怒られた記憶があります。“そうじゃねえ!”みたいなのが何回かあって泣かされました」とコメント。その言葉に奥田監督は「小篠さんのことを思えばこそ。今回ほど優しい現場はないと自負していましたが(笑)」と笑顔で返していました

コメント写真

修一の同僚・ケンイチ役の和音匠さんは映画初出演。劇中で華麗なピアノ演奏を披露しており「ぼくはずっと音楽をやってきたけど“役者に(音楽が)意味があるのかな?”と思っていたところにこのお話がきたので“なにがあるのかわからないな”という想いと、ピアノを弾きながら芝居をするという機会をいただき、貴重な経験になりました」

 奥田監督のコメントにもあったように『今日子と修一の場合』は、ボランティアのために震災被災地を訪れた監督が、現地の光景を見て制作を決意し、実現させた作品。舞台あいさつ終盤には、奥田監督は「5年ぶりの映画なんで、感無量で」と作品への想いの強さをうかがわせました。

記事メイン写真

舞台あいさつ中には、安藤さんが奥田監督を「監督、見たことないくらい緊張していますよ」と気づかう場面もありました

 舞台あいさつ出演者のほか、カンニング竹山さん、宮崎美子さん、平田満さんら、豪華キャストにより、人間の喪失と再生を描いていく『今日子と修一の場合』は、10月5日(土)より、新宿ピカデリーほかにて全国ロードショーされています。

スポンサーリンク