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万田邦敏監督「とんでもないもの」を目指した新作公開 『シンクロナイザー』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった古川博巳さん、万田祐介さん、宮本なつさん、万田邦敏監督、中原翔子さん、大塚怜央奈さん、美谷和枝さん(左より)
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 万田邦敏監督が「脳波の同期」というSF的なアイディアを取り入れて描いた新作『シンクロナイザー』が2月11日にユーロスペースで初日を迎え、主演の万田祐介さん、共演の宮本なつさん、中原翔子さんら出演者と万田監督が舞台あいさつをおこないました。

 『シンクロナイザー』は、脳波を同期させる無認可の実験に没頭する研究者の青年が主人公。青年と彼に惹かれ協力する女性研究者が、認知症となった青年の母親を実験により治療しようと試みる中で起きる予想外の事態が描かれていきます。

 主人公の研究者・長谷川高志を演じた万田祐介さんは映画の主演をつとめるのは初めてで「ぼくはそんなに映画に出演してきたわけでもないので、こういった大きな役をいただいて、最初から最後まで演じられたことがすごく貴重な時間と経験でした」とあいさつ。
 長谷川に協力する研究者・高木萌を演じた宮本なつさんは「(共演の)ほかの3名の女性のインパクトがとても強くて、改めて女という生き物を自分の中で考えながら演じさせていただきました」とヒロイン役をつとめての感想を語りました。

 『シンクロナイザー』は万田邦敏監督が教授をつとめる立教大学の研究プロジェクトの一環として製作された作品で、万田監督は「なんか無茶苦茶なことをやりたいなと。せっかくなので文科省のお金を使ってとんでもないものを作りたいというところからスタートしました。脚本を描いてくれた小出豊くんと竹内里紗さんとの3人でいろいろ話を揉んで、こんな作品になりました。妙なものができあがったのでぼくはとても満足しています」と、作品の出来栄えに自信を見せました。

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客席を見て「こんなに多くの方に来ていただいたとは知らなかったので感動しています」と、長谷川高志役の万田祐介さん

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「2年前に撮影してやっと今日公開の日を迎えることができて、自分の中でも興奮しています」と、木下萌役の宮本なつさん

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「この映画は音楽もすごく迫力がありますし、サスペンスフルな愛の映画を楽しんでいただければと思います」と中原翔子さん

 主人公の母親で認知症となっている春子を演じた美谷和枝さんは映画初出演で「まだ認知症の経験もないものですから、どう演じたらいいのかすごく迷いました。でも、とても楽しくお仕事させていただきました」と感想を述べ、同じく映画初出演の大塚怜央奈さんは「私の場面はけっこう緊迫感のあるシーンだったので、撮影中は緊張感のある感じで“次はこうしてみよう、ああしてみよう”と、すごくスピーディーな現場でした」と初映画の現場についてコメント。

 万田監督とは旧知の仲であり、映画の途中から登場する役を演じた中原翔子さんは「ジャーンと出てくる感じで演じなくてはならなかったので、そこを失敗してしまうとこの作品自体を崩してしまいかねないというプレッシャーはすごくあったのですが、万田さんと監督として作品をご一緒させていただくのは初めてだったので、ワクワクしながらやらせていただきました」と特異な役柄を振り返り、劇中では敵(かたき)役となる研究所主任・荒川を演じた古川博巳さんは「(荒川は)普段の自分とあまり変わらない奴だなと。だからこいつはいい人だなと思います。なので嫌いにならないでください」と演じた役への思い入れを覗かせました。

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「この映画を観ていただいて、みなさんと少しでも“同期”ができたらなと思います」と、主人公の上司・荒川役の古川博巳さん

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「自分じゃないものを作り出すということの考え方が一歩進んだような気がします」と、主人公の母・春子役の美谷和枝さん

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「堂々とした感じを感じていただけたらと考えながら、必死で撮影していました。いい経験になりました」と大塚怜央奈さん

 出演者には現場での万田監督の演出法についての質問もされ、万田監督作初出演の万田祐介さんは「細かくて的確で、言葉から入るのではなくまず動きから入るアプローチが多くて“まず動いてみて”というところから感覚を掴ませてくれました」、同じく万田監督作品初参加の宮本さんは「気持ちの演出をほとんどされることがなくて、テストをして“こういう動きで動いてみよう”という感じで、それに従って動いていくうちに自然に気持ちが動いてくるというか、新しい感覚のお芝居をさせていただきましたので、楽しかったです」と、それぞれ回答。
 万田監督の前作『イヌミチ』に続いての出演で、映画美学校でも万田監督の演出を経験している古川さんは「どういうふうに来るかなというのはある程度わかっていたんですけども、それを踏まえて現場で指示を受けるときには“語尾語頭とかは変えてもいいから自分らしく”という感じでやらせていただけたし、その上で立ちふるまいや歩き方という普段は気づけないところをよく見ていただいたので、指示を受けたときはただ“ありがたいな”という気持ちがありました」と、万田演出の特徴を挙げました。

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初回の上映を迎えて「高揚しました」と心境を述べた万田邦敏監督。「面白かったらぜひ拡散していただきたいと思ってます」

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物語の中心となる男女を演じた万田祐介さん、宮本なつさんと、映画途中から登場する役の中原翔子さん

 舞台あいさつの最後には、万田祐介さんは「今日から公開で、これからどういったかたちでシンクロしていくかわからないんですけど、ぜひ広めていただけるようよろしくお願いします」とタイトルにちなんでコメント。
 宮本なつさんは「私はずっと映画でお芝居をしたくて、企画をした『ひとまずすすめ』という作品を観ていただいた万田監督からオファーをいただきました。憧れの監督で、やっと長編の大きな役をいただくことができて、地道に続けていてよかったなという実感があります。監督の期待に応えられたか、お客さんのところに届いたか自信はないんですけど、楽しんでいただけたなら、みなさん一緒に作品を育てていただけたら嬉しいと思います」と心境を語りました。

 SFやサスペンス、スリラーなどさまざまなジャンルを感じさせながら男女の愛憎を描いた『シンクロナイザー』は、2月11日(土)よりユーロスペースにて4週間にわたって上映。2月14日(火)には万田監督と篠崎誠監督、15日(水)には万田監督・宮本なつさんと映画活動家の松崎まことさん、16日(木)には万田監督・宮本なつさんと編集者・ライターの門間雄介さんによるトークショーが開催されます。

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